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呼び出し

いつもご愛読ありがとうございます!



 王様直々の褒美を断る。


 前代未聞の事件にその場にいる貴族たちは「は?」と場に相応しくない素っ頓狂な声を出しつつ唖然とし、しばしの間をおいて一斉にショーニさんを罵倒し始めた。


「貴様!商人風情がなんたる無礼だっ!」

「そうだ、ありがたく受けとればよいものを!」

「失礼にもほどがある‼」


 などと、口々に罵詈雑言を浴びせる。

 中には『成り上がり』だの揶揄するような言葉もあったがショーニさんは微笑みながら聞き流していた。


「……ショーニ」


 王様が口を開くと静寂が空間を包む。

 怒気を静かに孕んだその声に全員が畏怖したからだ。

 ただの一言でこの場を支配出来る、王様たる所以や資質とは例えばこうゆうものなのかもしれない。



「なぜだ?」



 ――ただ一言。

 重く、鋭い質問を投げ掛ける。


「はて―……なんのことでございますかな。

 私はただ、メロンパンを『ご紹介』しただけにございます。

 ただ一介の商人としての仕事を全うしているだけですので、褒美を頂く程の事ではございません」


 ショーニさんは表情を崩さず、ぼかすように返事をする。


「……ふ、左様か」


 王様がニタリ……と口元を歪め、なにやら悪そうな笑みを浮かべる。

 それに呼応するようにショーニさんもニタリ……と同じような笑みで返す。


「ではショーニよ、このあと我が執務室に来るがよい。


 そちらのコムギとやらもだ、よいな。

 では一時解散だ、みな楽にするとよい」


「「はっ」」


「終わったな」

「ふん、格好をつけおって」

「所詮は成り上がりの商人よ」


 王様が退出したあと口々に貴族たちが吐き捨てつつ席を離れる。しかしなんなんだ?

 《《わざわざ》》呼び立てるなんて。


「ではコムギさん、行きますよ?」

「は、はい」


 王様の仕事部屋か、緊張するな。

 さっきより王様と距離が近いんだよな?

 先程までとは違う緊張が……一体何が起こるんだろう……。


 ――コンコン。


「入れ」と中から許可が出た後、ゆっくりと立派な扉を開け、執務室に入る。

 まるで小さな図書館のような本や書類の数々、しかし整然とされているので全く量や圧迫感を感じない。

 そして奥の机には部屋の主、王様が上着を脱いだのか、さっき見た時より少しラフな格好で座っていた。


「きたか」


「「ははっ」」


「「…………」」

「……ぶっ」

「……ぷっ」


「「フッ……ダアハハハハハハハ‼‼」」


 ショーニさんと王様が品格などそっちのけで笑いこけている。執事の人はそっぽを向いているが肩で笑っているのがわかる。

 まるで昔からの知り合い、いや悪友の再会みたいな雰囲気だ。


「さすがじゃないか、ショーニ!」

「いやー、殿下もヒトが悪いですなあー!」


 と冗談すら交え始めた。


「すみません、ショーニさん?

 何がなんやら理解が追いつかないんですが⁇」


「なーに!

 コムギよ、最初からグルなんだよ、俺様達は」


 まるで別人、口調がくだけ年相応の若者らしい雰囲気になった王様。

 ……すみません、グルってどゆことですか?

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