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メロンパン

いつもご愛読ありがとうございます!


「ふぃ~……これで最後だな、ちょっと疲れたな」

 専用缶に入った生乳を店に運び込む。

 試作に必要だろうとかなりの量だがなんとか保管室に納める。

 1人だとこうゆう作業はキツいなあ……。


 ちなみにカレンとシオンは護衛終了ということで商会に戻った。普段は受付嬢なのでまた会う機会もあるだろう。

 なので今、店にはオレ1人だ。


 さて生乳をどうするか。

 色々やるとすぐに使い切ってしまうだろうな。まずはバターを作るか。

 機械が使えないから手作業だし、量が量だから大変だ。


 ◇◇◇


『 生乳 ⇒ 生クリーム ⇒ バター 』


 バターはこうゆう流れでできる。

 ①生乳を煮沸消毒した大きな容器に入れ1~2日冷蔵庫で冷やす。


 ②冷やすと水っぽい下のところと固形の上とで分離するので、上の部分を集めて別の容器に移し変える。

 そして半日常温で放置。

 するとバターが熟成するので風味が良くなる。


 ③容器をひたすら振る!

 すると段々と分離して塊のようになってくる。

 100㏄から大体60㌘くらいがバター、残りがバターミルクになる。

 あとは塩を入れれば有塩バター、いれなければ 無塩バターとなり完成だ。


 色々な用途に使えるし、まとめて作ってストックしておきたいから今回のもらった分はすべてバターにしてしまおう。

 手作りバターは手間がかかるが、塩加減の調節や味付けが出来るし、何より愛着が湧くのだ。


 よし、やるぞ!

 ……容器足りるかな?


 久しぶりの作業なのと、乳の質だろうか勝手が微妙に違う中、悪戦苦闘しながら数日後。

 やっとこさ、バターが完成した!

 いやぁ、手間隙かけただけあって我ながら改心の出来だ!

 味も風味も高級バターに勝るとも劣らない、良いバターだ。

 もしかして、魔物の原料から作られてるからちょっと違うのかな?


 なにはともあれ、これで『メロンパン』が出来る!


 さてこれからは本職、パン作りだ!

 んじゃまずはメロン皮と呼ばれるビスケット生地と中の菓子パン生地を作るか。


 ◇◇◇


『メロンパン』

 みんなが好きなパンとして必ず名前が上がる定番な人気パンだ。

 現在ではいろいろ進化して、中にクリームが入っていたり、本当のメロン果汁やらフルーツそのものを使ったものがあったりとバリエーションが非常に豊富になっている。

 どれも美味しいけれど、今回作るのは王道にして定番のシンプルなタイプだ。

 中身はふわふわな菓子パン生地、外はさっくりビスケット生地。

 2つの生地のバランスが美味しさの決め手となるシンプルゆえに

 材料の質や職人の腕が試される一品だ。


 味の決め手となるのは、外側のビスケット皮のサクサクとした食感と中側菓子パン生地のふわふわした食感のバランス。

 これらのバランスが完璧じゃないと外側が固すぎたり、逆に中側が生焼けになったりする。


 そして、焼き色が付きやすいのもメロンパンの特徴だ。理想は薄きつね色だが、生焼けにならないよう、温度を少し下げて長めに焼くことがコツだといえる。

 

 あとは焼けたら軽くショックを与えてあげる。そうしないと中の生地の水分から出たガスが上手く抜けず、中で大きな気泡となり、凹みの原因になるからだ。

 それらのポイントを気を付ければ大丈夫。


 ◇◇◇


 よーし!

 出来たぞ。

 コムギ特製、シンプルだけど美味しい『メロンパン』だ。


 見た目の網み目模様、ほのかに香る甘味とバターの匂いがかぐわしい……。


 うん。

 見た目だけですでに美味しいな!

 薄くキツネ色のグラデーションに焼き色の付いた表面。

 香ばしく、ほのかに、しかし強く主張して香るバターの香り。

 これぞ『メロンパン』だ!


 美味しくみんなに食べてもらいたいな。

 そのためにもまずはこれからショーニさんに見てもらわなきゃな。

 じゃ、出来た100個を早速商会に運ぶか。

 向こうに着く頃には粗熱が取れて食べ頃だろうし。


 袋で運ぶとつぶれてしまうので、運搬専用の『番重』と呼ばれる薄型の容器にいれて運ぶ。台車にコロコロローラーが着いているので運ぶのも楽勝だ。


 ――ガラガラガラ


 店と商会を2、3回往復して全て商会に運び終わると受付にいるカレンとシオンに声をかけ、いつもの応接室でショーニさんを待つ。

 待つ間、思わず緊張してしまう。

 さながら面接前の学生のような、自分の岐路を決めるという決断に伴う、懐かしい緊張だ。


 ――ドタドタドタ……‼‼

 廊下ではいつもより足音が響いている。

 忙しい中に来ちゃったかな?

 いや、でもわざわざ今日、と約束取り付けてあったしなあ。


 ――バンッ!


 力強くドアが開き、ショーニさんがオレを見つけ安堵した表情と共に開口一番

「良かった、一緒にきてください!」

 と口にする。


 なんだ、いったい⁇⁇

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