やられたっ!!
いつもご愛読ありがとうございます。
改稿を進めながら更新しますので、少しペースが落ちるかもしれません。
頑張ってまいりますのでよろしくお願いいたします!
美女と美少女に片腕ずつ挟まれながら、刺さるような視線を感じつつも城に無事着くことが出来たオレは、今新たな危機を迎えていた。
「どうゆうことだ、コムギ?」
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時間は少し遡る。
城に到着したオレはすぐさま、王様の執務室に通された。
「おおお!!
よくぞ、、よくぞ、無事に帰ってきたな!
良かった、本当に良かったぞ!!!」
ウルやアンたちと同じく心から再会を喜んでくれる事に感動を覚える。
「いろいろありましたが、お陰様でなんとか戻ってくることができました。」
軽く頭を下げ、帝国で起きた事、してきた事の報告をする。
「そうか、、そこまで深刻だったのか。
いや、本当によくやったな、、。
ゆっくり休むと良い」
「はは、あんまり大したことしてないような気もするんですけどね。
まあ、ちょっとはゆっくりしたいと思います。
色々試したい事もありますので。」
「そうだろうな、だが新作が出来たらちゃんと報告するんだぞ?」
「ははは、わかってますよ」
気安いやり取りを交わす。
執事のセバスもキラリと無言ながらに食べる気満々だ、また王様とギャーギャーやりあうのかな?
想像するだけでもなんだか懐かしい。
帰って来たって感じがする。
「で、コムギ?
1つ気になっていたんだが、その子はなんだ?」
「ああ、すみません。
紹介が遅れまして。
彼女は、「そうなんですよ、陛下大変なんですよ!」」
タイミングを図っていたのかアンが王様の机に手をバン!と叩き付けながら訴える。
いきなりの事と、アンの怒りの形相に王様は思わずビクリと身体を強ばらせる。
そんな様子を見ていたリーンが自ら切り出す。
「失礼致しました。
お初にお目にかかります、ブーランジュ国王陛下。
この度はお目通りありがとうございます。
わたくしは帝国騎士序列3位のリーンと申します。
ベッカライ帝国皇帝陛下から書状を預かっておりますのでどうぞご覧くださいませ」
きっとこういった場面に慣れているのだろう。
いつもの間延びするような話し方ではなく、見た目の幼さからは考えられないほど、しっかりとした挨拶と態度のギャップに思わず驚いてしまった。
「どれ、、、。」
「・・・」
「・・・・・・?」
「・・・・・・・・・!!??」
ふむふむと読み始めたはいいが、読みすすめるうちに良くない内容でもあるのだろうか、みるみる顔色が悪くなっていく。
そして読み終え、静かに手紙を置くと
「やりやがった、あんにゃろおおおぉぉ!!!」
王様が怒髪天を突くという勢いで肩を震わせながら激昂する!
そんな怒るようなことしたかな?
「っ!すまん、取り乱したな、、!
で!!」
全く怒りを隠そうとしないあたり、本当にまずいのか。
そして冒頭に戻る。
「どうゆうことだ、コムギ」
「いや、なんか流れでこうなっただけなんですけど、、」
「貴様、これがどうゆうことだかわかっているのか!
お前が俺様の命令ではなく、帝国の命令に従わなくてはならないということだぞ!
くぅ、、、見事にしくじったわ、早く手を打つべきだった、、」
身体から力が抜けたように項垂れる王様の姿に、手紙の内容がいかにショッキングだったのかと朧気に自覚する。
そんな王様にここだと言わんばかりにリーンが追い討ちを掛ける。
まるで『天使のような笑顔』を浮かべながら。
だが発せられる言葉には可愛い顔とは裏腹に、容赦が全くない。
「国王陛下。
つきましてはコムギ様が住んでいらっしゃる区画は、駐在大使が居住いたしますので、治外法権区域とさせて頂きたく、そのご許可もよろしくお願いいたします。」
「ぐっ、ぐぬぬぬぬ、、、っー!!」
憤慨極まれり。
青筋を立てながら顔を真っ赤にし、ついには机に突っ伏してしまう。
ただ横で聞いているだけのオレでも、治外法権は外交特権の1つとして元いた世界でも存在したからなんとなくわかる。
つまり、ベーカリー・コムギは王国内にあるけど、王国内の法律や決まりに縛られないということになるのだ。
それがが良いのか、悪いのか、、。
「、、おのれ、カイザーっ!今に見ておれよ、、、」
恨み節を述べながらオレに携わる話はなんとか終わった。
後々、この件がさらなる問題に関わってくるとはトラブル続きのオレには想像だにできなかった。
(もうさすがに面倒事はないだろう、、帰ってゆっくりパンの試作しよう)
そしてオレはこの甘い考えを後悔する事になる。
この話がどれだけの影響をもたらすのかとわかっていなかった事に、、。
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