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北の魔物?

本日2回目の更新です!

 マイスさんと2人で頭を悩ませていたが、埒が明かないと結論に至る。


「コムギさん、提案なのですがどうでしょう。一度帝国内の様子を一緒に見てませんか?


 もしかしたら何か解決の糸口が見つかるかもしれませんし、なにかの手懸かりくらいは手に入れば、と思いまして……」


「そうですね、何もわからないのでは考えても仕方ないですしね」


「では早速馬車を用意致します、少々お待ち下さい」


 そう言うとマイスさんは部屋をバタバタと出ていった。

 部屋に取り残されたオレは散らかっていた書類を片付ける。整理整頓は仕事の基本だからな。


……ん?

なんだ、この書類は?


『正体不明の巨大な魔物の討伐依頼の件』


『報告された魔物の生息地点、北部山村地帯における未収穫分の補填案件』


「これは……?」

 北で何か起きているのか?それに未収穫分があるのか?なんだか気になるな……。


「お待たせしました、では参りましょう!」


 2人が研究所を後にし、もぬけの殻になった所長室にバタバタと入って来たのは、リスの獣人の少女。

「遅れて申し訳ありません、話はどうなり……あれ⁉どこに行ったのでありますか?」

 すれ違いになり、話題のコムギとの邂逅がお預けになってしまった事に『副所長』である少女は落胆するのだった。


◇◇◇


 オレ達は馬車に乗り、各地を回ることになった。見ていく中で方針を変え、一気に各所を視察し1週間があっという間に過ぎた。


 主だった各地の市街地、住宅街、農地、職人街、地方都市を見て回った感想として、帝国は思ったより疲弊していた。

 確かに正直、このままではまずい。

農作物全般が不作、それに起因し経済が回っていないことが致命傷だ。食料だけでなく、家畜の飼料も少ないため、馬車や牛車による運送や物流も減っているからだ。

 そして、食料不足による栄養不足も問題だ。この状態では皆、冬を越すどころではないだろう……。早くなんとかしたいという皇帝の焦りも当然だと納得出来た。


「いかがですか、コムギさん。

……これが今の帝国なのです、お恥ずかしい限りですがお知恵をお貸しください」


 ただのパン屋に国の大事の協力を乞うあたり、何やら変な汗が出てしまう。

 大勢の人命がかかり、そしてタイムリミットも迫っている。後には引けないというプレッシャーは思ったより胃に来るもんだな……。


「マイスさん、以前、研究所で『北部山村地帯に巨大な魔物がいる』という資料を拝見しましたが、あれは⁇」


「ああ……それですか。

その件も悩みの種でして……。

 とある魔物が北部の穀倉地帯や農地あたりに生息しているせいで、我が国の特産品なども収穫出来ないのですよ。


 今月中に討伐できれば収穫に間に合うのですが凶暴な魔物で、総力を上げましたが我々では討伐出来なかったのです。

兵站も不十分でしたし……」


「つまり、その魔物を倒すか、いなくなれば大丈夫なんですか?」


「はい。


 少なくとも春まではなんとかなるはずです。自転車操業になりますが、冬を越すことが最優先なので」



「なるほど……。

ちなみにどんな魔物なんですか?」


「巨大な亀です」



「……亀の魔物⁉」


北に亀って。

南国の海にいるイメージがあるんだけどな……。



「はい、砦の物見櫓くらいの大きさです。


 しかも巨大な亀は何体もいるのです、見たことがない位の群れなのです。

国の歴史書にも無い話で、にわかには信じられず、対応が後手に回ってしまいました」


 つまりは10m近い大きさの亀がうようよいると。そりゃ対応に困るよな、狩に討伐出来ても処理に困るだろうし……。


「ちなみに元々そのあたりにいる種類の亀なんですか?

突然変異とかじゃなく」


「いや、恐らくは突然変異だと思われます。

外見や特徴はその地域に生息する、『コマッタートル』という手の平くらいのサイズの亀と一致しますが、サイズが違いすぎて……」


『コマッタートル』?

 なんだかふざけた名前だ、困ってるのはこっちだよ!


冬前に、

突然変異の、

見たことがない程の群れか。


 この『コマッタートル』がカギになるかもしれないな。

いかがでしたでしょうか?


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