第二十三話 アラン
「はあぁぁぁぁ!!!」
「うおぉぉぉぉ!!!」
俺とネロの戦いは激しくなっていた。
俺はほぼ気力で戦っていたが、どんどんネロを押していた。
「くっ、仕方ない。」
ネロは異能力を発動した。
(きた!)
ここでもう一つの仮説を確かめる。
俺は発動したネロの異能力を奪った。
「な、なぜ発動しない!?」
(予想通りだ。)
俺の異能力は魔法だけでなく、異能力までも奪えてしまうんじゃないか?そんな俺の仮説は正しかった。俺は奪ったネロの異能力を発動する。
「くらえっ!!」
風の刃がネロを襲う。
「なぜお前が使えるんだ!!」
「俺の異能力さ。」
そして俺はより優勢になった。
ネロは剣技で対応するが、さすがに自分の異能力への対応は出来ていないようだった。
「ありがとな、ネロ。」
「何だ、急に。」
「お前がいなければ、俺は自分の異能力の本当の力に気づけなかった。お前のおかげだ。」
「ふっ、俺もまさか自分の異能力でやられるとはな。思ってもいなかったぞ。...悔いはない。ひと思いにやれ。」
「ああ、そうさせてもらう。」
そして俺はネロを斬った。
心なしかネロは笑っていた。
ネロを斬った直後、俺も倒れる。
戦いが終わって、気力がなくなったみたいだ。
(俺もまだまだだな。)
俺は少し休むことにした。
■ ■ ■
(アラン、大丈夫か。)
俺はそんなことを考えながら走る。
ただひたすら目の前の敵を斬りながら。
少しの間、時間魔法が使えなかった時があったが、あれはアランのせいな気がする。
俺は道中、幹部的な奴に会ったが、瞬殺して走った。
時間魔法と次元魔法を使えば、それは簡単にできた。
そして俺は広い部屋に出た。
先に道はない。おそらく最後の部屋だろう。
「よく来たな、少年よ。」
「お前が邪神教の教祖か。」
「いかにも私がそうだ。このタイミングで来たということは王女を助けに来たのかな?」
「ああ、その通りだ。返してもらうぞ。」
「残念だが、それは無理だ。」
「なんでだ?」
「王女はもう返したからな。」
「はっ?」
「私が用があるのは王女ではない。君だよ、ハジメ君。」
連載23回目!
みなさん楽しんで頂けてるでしょうか。もし、楽しんで頂けたのなら幸いです。
これからも頑張るので、応援よろしくお願いします!




