7話 ギルド登録とテンプレ?
ギルドの中は、ザ・テンプレのような感じだった
受付と酒場があり、その奥には解体所?のような場所がある。受付は窓口が四つあり、全員が美人なお姉さんだ
酒場では冒険者らしき見た目の人達が昼間っから酒を飲んだくれている。これは絡まれる的なテンプレも起こるのでは?
まぁ、取り敢えず受付に行くか
どこも空いてるんだがどこへ行けばいいんだろうか
もうめんどくさいから1番近いところでいいか……
「あー、すいません。盗賊とかの引き取りをして貰えるって聞いたんですけど出来ますかね?」
「えっ、はい。盗賊などは当ギルドで引き取れますが……後ろに縛られてる人達が盗賊であってますか?」
受付のお姉さん。
緑色の髪の毛にタレ目の美人だ。
顔だけでなく、大きなモノも持ってらっしゃる……
「はい、こいつらであってます」
「それではこちらで引き取らせていただきますので少々お待ちください。」
そう言うと受付嬢さんは、テキパキと書類に何かを書いたあと、その書類を持って奥の方へ行ってしまった
1分もかからずに戻ってきて、「お預かりします」と言って盗賊達を引きずって行った。
あの人数の男達を引きずっていける受付嬢さんつえぇな……
次は2分くらいで戻ってきて
「こちら、報酬となります。」
「盗賊って捕まえると報酬が出るんですか?」
「いえ、基本的には報酬は出ません。ですが、今回捕獲された盗賊達は賞金か設定されていた為、報酬を支払うことになりました。」
なるほど
要するに今回俺が捕まえた盗賊達は賞金首で、俺が捕まえたからその分の報酬を支払ったと言うことか
「じゃあ有難く受け取る。それと、冒険者登録とかって出来るだろうか?」
「はい、冒険者登録ですね、それではこちらの用紙に必要事項を記入してください。」
渡された用紙を見てみると、名前、性別、年齢、レベル、魔法属性、使用武器、スキルなどを書き込む欄があった。
「これって全部書かないとダメなんですか?」
「いえ、基本的に記入は自由ということになっていますので、名前だけ書いて提出されたこともありましたよ」
ほう、絶対に書かないといけないわけでは無いと……
取り敢えず名前にハルトと書いて、性別男と、年齢はどうしようか……まぁ、空欄で、レベルは全然低いから4と書いて、あとはまぁ空欄で出すか。
あと、受付嬢の名前が分からないのも不便だな
だが、いざ名前を聞いてナンパと勘違いされるのも……
いや流石にそれは無いか
「あの、受付嬢さんのことはなんて呼べば……あとこれ書けました」
「そうですね、私のことはシーナとお呼びください。用紙の方はお預かりします……?レベルが4?これは一体……」
なんか急に受付嬢さんもとい、シーナさんがブツブツと言い始めたんだが、なんか不備でもあっただろうか?
いや、嘘なんて書いてないしな……
「あの、すいません……レベルが4って本当ですか?」
「え?あぁ、はい。本当の事ですけど……何かおかしかったですか?」
「いえいえ!そういう訳ではないのですが……ただ、レベルが4の人がレベル10を超えている盗賊を何人も捕獲されたのに驚いてしまって」
そういう事か
確かに言われてみればそうだな。俺はステータスを奪えるからレベルの割にステータスが高いんだが、普通の人はそうじゃない。だからレベル4が盗賊を何人も捕獲したことに驚いたんだろう
「あー、それはですね……」
どうするべきだろうか
ステータスを見せてしまうのが一番早いんだが、下手なところで自分の強さを見せてしまうとこれから帝都に行ったり静奈達を助けたり、なんてした時に不利になる可能性もあるんだよな……
正直に見せた場合、一気に冒険者のランク的なやつが上げてもらえることもあるかもしれない。
逆に言うとメリットはそれだけのような気がする。
メリットに対してデメリットがデカすぎるな……
ここは隠すか。
「なんか俺が見つけた時にはもう弱ってたんですよ」
「弱ってた……ですか……?」
「はい。弱ってたんです」
自分で言っといてなんだがこれは苦しい言い訳だなぁ
めちゃめちゃ疑われてるし、タレ目だったのにすっごい細められてて怖いんだけど……
「まぁ、そういうことにしておいてあげます」
なんとか誤魔化せた……のか?
いや、気にしても仕方ないことだな。
「それで、登録の方は?」
「あっ、もう少々お待ちください!」
天然なのか……
まぁ、無事?に冒険者登録をすることが出来たから良しとしよう。
1分もかからないうちにシーナさんは戻ってきて
「こちらがギルドカードとなります。何か冒険者やギルドについて質問などがあればお答えしますが」
ギルドと冒険者についてはレナちゃんに教えて貰ってるからなぁ
「大丈夫だ」
「そうですか、登録したばかりなのでランクはFからですが、これからの功績によってランクは上がっていくのでより上位を目指して頑張ってください。これからのあなたの冒険に幸多からんことを」
「色々とありがとう、ちなみになんだが、どこかいい宿などがあれば教えて欲しいんだが」
「宿ですか?そうですね、ギルドを出て3軒右に行った建物がギルド公認の宿屋『ひまわり亭』と言って、そこならお食事は美味しい上にお風呂もあるのでオススメですよ」
「助かった。また来るよ」
ひまわり亭か
中々濃い一日を過ごしてきたが、まだ異世界に来て一日も経ってないって……
まぁいいや、早く宿に行って風呂にでも浸かってゆっくり休もう
最後の最後までギルド内でのガラの悪い冒険者に絡まれるというテンプレを期待しながら外へ出た
結局絡まれることは終始なかった訳だが……
そのままシーナさんに言われた通りにひまわり亭なる宿屋にむかった。
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