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5話 俺と少女と盗賊と

「——ッ!?なんだ!?」


 突然の悲鳴にビックリしてつい大声が出てしまったが、こういう時こそ冷静になるべきだろう。


 深呼吸だ……よし、落ち着いた。


 悲鳴が聞こえてきた距離的にここからそう遠くないとは思うが、これは助けに行った方がいいんだろうか……

 態々自分から危険に突っ込んでいく必要はないんだが、第一異世界人に会えるというメリットもあるし……


 悩んだ結果、助けに行くことにした。

 走って間に合えばいいんだが、これで死んでしまったなんてなったら意味が無いからな。

 取り敢えず急いで向かおう。



 ▷▶︎▷▶︎▷▶︎▷



 2分ほど走って、ここは森の中。

 目の前で盗賊らしき男たちと3人くらいの死体、格好からして騎士もしくは護衛だろうか……

 で、今盗賊達が馬車の中から女の子を引っ張り出してきたが、誘拐だろうか。


「オラァ!さっさと出てこい!」


「やめて!乱暴しないで……」


 うん。

 いやさ、テンプレとは言え女の子が可哀想だな。

 さっさと助けてあげよう……

 取り敢えず、盗賊達のステータスを確認してから奪ってしまおう


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 Lv 平均12

 種族【ヒューマン】犯罪者


 HP:350

 MP:80


 STR:50

 DEX:50

 AGl:50

 INT:50

 LUK:10

 ATK:60

 DEF:60


 スキル

【盗む】【思想世界】【各属性魔法】


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


 まさかの盗賊じゃなくて犯罪者っていう表記になるとは……

 このステータスに犯罪者ってついてる奴らは倒していいよな。

 一応ステータスでは勝ってるし、殺さない程度で捕まえればいいか。

というか【思想世界】って異能なんじゃないのか?

普通にこいつらもスキルとして持ってるんだが……


まぁ、ひとまずこいつらをどうにかするのが先か。


「——ふっ!」


 まず女の子を馬車から引きずり出そうとしてた盗賊の脇腹を刀で殴りつけて吹き飛ばす。

 ちょっと変な音はしたけど多分死んでないだろう。

 2・3本骨はやっちゃったかもしれないけど……


 そして、咄嗟の出来事に呆けてる他の盗賊達も1〜2人ずつ吹き飛ばしていく。

最後の一人は反撃をしてきたが、如何せん能力値が違かった。

俺はナイフで斬りかかってきた男のそのナイフを刀で受け止め、腹に蹴りを入れる。

すると男は勢いよく吹っ飛んでいき、木に背中を打ち付けて気絶した。


 縛りやすいようにみんな同じ方向に飛ばしてはいるけど多少バラつきはあるだろうな。


「ふぇ……?」


俺が盗賊たちを倒して、襲われていた女の子を見ると、こっちの女の子も呆けていた。

 まぁ、急に自分を連れ去ろうとしてた奴らが吹き飛んでいったらビックリするか。

 取り敢えず敵ではないことともう安心しても大丈夫だということを伝えないとか……


「えっと……俺は近くの町を目指している途中、草原で狩りをしていたら急に悲鳴が聞こえたんで助けに来た。もう敵は排除したから安心するといい。」


 少し口調が怖い感じになってしまっただろうか?

 怖がられてしまったら後で何とかするとして、先に盗賊たちを縛りたいんだが……


「すまん、何かロープのようなものがあれば貸してほしいんだが……」


「あっ、はい!ちょ、ちょっとまっててください!」


 怖がられてるのか……

 俺が話しかけたらビクッとしてたんだが。

 ちなみに女の子の見た目は金髪に青い瞳で、髪は肩辺りまであるのをポニーテール?にしている。年は14歳くらいだろうか?身長が155cm位に見えるから多分そのくらいだろう。


「持ってきました、これでいいですか……?」


 俺が女の子の見た目を分析してる間にロープを持ってきてくれたらしい。


「ありがとう、これで大丈夫だよ。少し待っててくれ。」


 そう言って俺はロープを受け取り盗賊たちを縛る。

 全部で5人いたが、ロープは十分な長さがあり、全員を縛ることが出来た。

 盗賊たちを引きずって馬車の近くまで行くと女の子が俺に気づいたようで近寄ってくる。


「あの、危ないところを助けて頂きありがとうございます。急なことで名乗れてなかったので……私の名前はレナと言います。父と2人で商売をしていました。護衛も2人いたのですが、盗賊との戦闘で……父もその後私を助けるために……」


 そうか……この子、レナちゃん以外はみんな亡くなってしまったのか……

 俺がもう少し早く着いていれば助かったかもしれないのに……


「そういえば名乗ってなかったな。俺の名前はハルト。俺がもっと早く来れていれば他の人も助けられたかもしれなかったのに……」


「そんな……私を助けて頂いただけでも感謝しています!」


 レナちゃんは、俺よりも悲しいはずなのに、辛いはずなのに俺を気遣って……励ましてくれて……

親を失う辛さは俺も分かってるつもりだ。

それでも今は自分のことより俺のことを、なんて考えてくれて。

 レナちゃんが気を使ってくれてるのに俺がいつまでも落ち込んでたらダメだな……

 よし、入れ替えよう。この後悔は無くならないけれど、今は街なり村なり、人のいる安全な場所へ行くことが優先だ。


「……取り敢えず、人のいるところへ向かおう。魔物や盗賊などが怖いから俺が護衛をすることになるが構わないか?」


「あっ、ありがとうございます。私一人だと魔物に襲われたらすぐにやられてしまうのでどうしようかと思ってたんです……」


「俺はここら辺の地理に詳しくないからどこに街などがあるかとか分からないんだが、道案内を頼んでもいいか?」


「それは任せてください。ここら辺はよく来ていたので大丈夫です。」


 ということでレナちゃんと一緒に移動することになった。

 幸い馬車と馬は被害がなかったのでレナさんが御者をしてくれるということで俺も護衛のため御者台に一緒に乗せてもらえた。

 盗賊たちは荷台に乗っけてある。

 後で一人づつ起こしてステータスを頂こう。

 盗賊に慈悲はない。


「ここから一番近い所だとトルーニという街になりますがいいですか?」


「あぁ、俺は大丈夫だ。」


 これから行く場所はトルーニと言うらしい。

 そうだな、この際だレナちゃんに金銭の価値や国の名前など常識的なことは聞いておいた方がいいか……

 いやでも、そんな常識的なことも知らないとか怪しいよな……

 まぁ、適当に言い訳しながら聞いてみるか。

戦闘シーンってどのくらいでR15とかの注意出した方がいいんですかね?

あんまり血とかそういう表現は出さないように気をつけてるんですけど例えば「首を跳ね飛ばす」とかそういうレベルなら大丈夫ですかね?

ちょっとイマイチ把握しきれてないんで、そこら辺のことで意見などがあればコメントでよろしくお願いします。


修正を行いました。


面白いと思って頂ければ評価やブックマーク、感想の方よろしくお願いします。

誤字などありましたら教えていただけると幸いです。

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