34話 ボス戦
だいぶ更新が遅れてすいません。
扉を開くと、そこは1階で戦ったデュラハンがいた部屋と同じような造りの大部屋だった。
「グォォォォオオオオ!!」
「ッ!?」
部屋に入ると、奥の方からとてつもない音量の鳴き声が聞こえてきて、入ってきた扉がひとりでに閉じた。
一度転移も試してみるが、部屋の中なら転移できるものの、部屋の外や、迷宮の外には転移出来なかった。
やはりデュラハンの時と同じで、この先にいるボスを倒さない限りこの部屋からは出られないってことか……
ここ一ヶ月はずっと迷宮の中にいたからな……
定期的にリュースとは連絡をとっているとはいえ、やっぱり静奈達が心配だし、会いたい。
こんな迷宮さっさと攻略して、みんなの所に戻るか。
「さて、それじゃあ行ってこい。私は離れたところで見ているからな。」
「あぁ」
レイスがそう言ってくるので、俺は短く返事を返して歩き始める。
すると、壁についていた照明がだんだんと奥に向かって明かりを灯し、最奥に立っていた一体の魔物が姿を現した。
見た感じはトロールを巨大化させて、筋肉量を増やしたような感じ。
持っている武器は、トロール達が棍棒だったのに対して、こいつは大きな鉈のようなものを持っている。
早速【鑑定】してみるが、名前の欄しか表示されなかった。
唯一表示された名前欄に書いてあったのは、「マジック・トロール帝王」の文字。
「トロール帝王……」
トロール達のボス的なものなんだろう。
ゴブリンで言うところのゴブリン王って所か……
カイザーは分かったが、最初についてるマジックってなんだ?
名前の通りだとすると、魔法が使えるとかそんな感じだろうか……
「……人間、ココマデ来ルノ、初メテ」
「なっ……」
俺がマジック・トロール帝王を鑑定していると、トロールカイザーが話しかけてきた。
「こいつ……喋れるのか!」
確かゴブリンキングも話せてたな……
ゴブリンキングを倒した時に、《王種の討伐が〜〜》ってアナウンスされた記憶があるんだが、名前に“王”がついているやつは喋れるのだろうか……?
「オレ、ソコラ辺ノ、魔物ト違ウ。強イカラ、喋レル。」
魔物の中では強い=喋れるってことになるのか?
分からないな……
「そうか、話が通じるんならここを通してくれないか?」
「何言ッテル?オレハ、ココニ来タ人間ガ、珍シカッタカラ、話シテルダケデ、人間ハ、殺ス。」
今までは話も出来ずに襲ってくる敵ばかりだったので、トロールカイザーみたいに話せる魔物だったら戦闘をせずに先に進めるんじゃないかと考えたんだが……
そう都合よくは行かないか……
「話スノ、ソロソロ飽キタ。死ネ!」
「ッ!」
トロールカイザーはその大きな鉈を振りかざしてくる。
咄嗟に横に跳ぶと、俺がさっきまで立っていた場所に鉈がめり込んでいた。
内心冷や汗をかきながら、俺は刀を構えた。
「ヌ……避ケタ?」
トロールカイザーは俺が死んでいないと分かり、直ぐに鉈を地面から抜いた。
俺は油断なく構え、いつでも攻撃に対応できるようにする。
レイスが教えてくれた剣術は、主にカウンターを得意とする流派だった。
最初の模擬戦の時、俺の攻撃を受け流され、気がついたら刀を叩き落とされていた、なんてことがあったが、あれもちゃんとした技だった。
トロールカイザーが、体勢を低くし、一気に距離を詰めてくる。
そのまま鉈を横薙ぎに払ってくる。
俺はそれを見て……
「天明流……【朧月】!」
鉈を叩き落とした。
俺がレイスから習った流派は“天明流”。
その中で、模擬戦の時によくやられていたのが今俺が使った【朧月】だ。
この技は、相手の攻撃を半歩避けながら受け流し、刀で相手の武器を巻き上げる技だ。
【朧月】はレイスのお気に入りらしく、俺も重点的に教えられた。
まぁ、そのおかげで、大分上手く使えるようにはなったんだがな……
チラッとレイスの方を見ると、頷いているのが分かった。
その反応に俺も満足し、トロールカイザーの方に向き直る。
トロールカイザーは未だに何があったのか分かっていないのか、フリーズしていた。
俺は固まっているトロールカイザーに一瞬で近づき、刀を振るう。
しかし、俺が接近したのに気がついたトロールカイザーは大きく後ろに跳んで避けた。
「天明流、壱ノ太刀【残月】!」
これもレイスから教えられた技だ。
【残月】は刃に魔力を纏わせることで、その刃を振ると、斬撃を飛ばせるという技だ。
他にも、その場に斬撃を留まらせることも出来るから、敵がそこに近づいたら斬られる、なんてことも出来たりする。
【朧月】と同じくらい凡庸性の高い技だろう。
俺が放った不可視の斬撃は、トロールカイザーの右腕を斬り飛ばしても勢いが衰えず、そのまま進んでいき、壁に溝を作って消えた。
トロールカイザーは突然自分の腕が斬られたので驚いているようだったが、俺が二回三回と斬撃を飛ばしていくと、原因が俺だと分かったのか、一気に距離を詰めてきた。
近づいてきて来る途中で、まだ無事な左手に鉈を出現させる。
「……【朧月】!」
トロールカイザーは一瞬で近づいてきて、左手に持った鉈で攻撃をしてくる。
俺はそれを【朧月】で叩き落とす。
さすがに2度目は学習したのか、鉈を落とされた瞬間、左脚で、俺を蹴り飛ばしてきた。
それを俺は咄嗟に腕でガードしたが、衝撃が殺せず、真横に吹き飛ばされた。
俺は飛ばされている中、【残月】で空中に斬撃を残す。
しかし、トロールカイザーはそれが見えているのか、避けて走ってくる。
「ちっ……レイスがあんなに教えてくれたのに時間をかけすぎてるな……」
もし今トロールカイザーと戦っているのが俺ではなく、レイスだったなら、最初の【残月】で仕留めていた筈だ。
それを仕留められなかったのは、俺の詰めの甘さと、努力不足だろう。
「ふぅ……」
俺は一旦落ち着いて、気持ちを落ち着ける。
そして、足と手、それに関節に魔力を集中して集めた。
「天明流。弐ノ太刀……【黎明】」
俺は一瞬でトロールカイザーの近くに移動し、その首を切り落とした。
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「壱ノ太刀までで倒し切れればよかったんだがなぁ」
後ろでずっと見守っていたレイスは俺にそう言ってきた。
いやさ、確かに俺も壱ノ太刀までで終わらせようとしたよ?
けどさ、思ったより強かったのと、まだまだ俺が未熟だったのもあってさ?あのまま行ったら絶対時間かかってたよ?
「もっと精進します……」
なんだかんだ言っても結局は俺の未熟さが原因みたいな所あるから、一応反省。
「まぁいい、レベルはどうだ?」
「え?あ、あぁ……」
俺は突然レベルとか言われたので困惑したが、そう言えばレイスのやつ、俺のレベルを100まで上げるみたいなことを言ってたことを思い出して、急いで確認した。
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name「ハルト ニイザキ」
Lv 100(MAX)
種族【ヒューマン】
HP:10,000 (150,000,000)
MP:10,000 (100,000,000)
STR:10,000 (15,000,000)
DEX:10,000 (10,000,000)
AGl:10,000 (15,000,000)
INT:10,000 (10,000,000)
LUK:10,000 (5,000,000)
ATK:10,000 (20,000,000)
DEF:10,000 (15,000,000)
流派
【天明流】
異能
【神眼】【思想世界】【神重圧】
スキル
【刀剣術 Lv10(MAX)】【計算 Lv10(MAX)】【異言語マスター】
【鑑定】【偽装】【身体強化】【全属性魔法】【盗む】【変食】【分解】【空間魔法】【各武器使用技能補正】【大剣術 Lv7】【絶倫】【眷属化】【配下指揮】【集中】【見切り】
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「……100だ」
「おぉ!やっとか!」
ステータスの確認をすると、なんとレベルが100になっていた。
能力値もありえないほど上昇して、全体的にキリのいい数字になっていた。
「100でMAXってことは、これが俺の成長限界ってことでいいのか……」
今の俺よりも強いステータスの持ち主も、探せばこの世界にいるのではないだろうか?
人間の成長限界がレベル100ってだけで、例えばリュースなんかは最初に会った時にレベルが150だったから、今はもっと上かもしれない。
俺よりも強いやつがいて、静奈たちの平穏が脅かされるようなことが無いとも言いきれない。
何とか上限を超えることとか出来ないんだろうか……
ほら、あの異世界もののテンプレに【限界突破】とかそんな感じのスキルもあるじゃん?
「うむ……【限界突破】なるスキルは知らないが、方法が無いわけでは無いぞ。」
「勝手に心を読まないでくれ、心臓に悪い……まぁそれで?方法って?」
こいつはいつも知らないうちに考えていることを読むからなぁ……
これも何とかしたいもんだ。
「この世界には名前に“神”が付く者達がいる。そいつ等の血は飲むと、個としての格を上昇させる能力がある。言わば上位種への進化とか昇華とかそんな感じだな。」
ほぉ……
昔読んだ本の中で、エルフの血を飲むと、不老不死になれるとか、人魚の血は強力な媚薬になるだとかそういう話が書いてあったから、多分そんな感じのやつなんだろう。
ともかくそれをすれば今よりも強くなれると……
「機会があればやってみよう」
「それがいい……さて、無事に攻略が始められそうなところで、さっさと攻略を進めようか」
レイスはそう言って先に進んで行った。
今日はクリスマスイブですね。
皆様いかがお過ごしでしょうか。
自分は執筆活動をしておりました。
明日の朝、早くに閑話を更新したいとおっております。
良ければぜひ!
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誤字などありましたら教えていただけると嬉しいです。




