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30話 探索開始

 欲の迷宮に入ると、中は石レンガ作りのザ・迷宮って感じだった。

 横幅はそれなりに距離があり、刀は問題なく振れる。

 壁には光る石のようなものが等間隔で設置されている。

 俺はすぐに【天網恢恢】を発動し、迷宮内の確認をする。


「ん……?」


 俺を中心として、周りに魔力を広げていったのだが、入ってきた門の後に魔力が広げられなかった。

 無理やり広げようとするも、そこには壁しかなく()()()()()()かの様だった。


「これはどういうことだ?」


 門の向こう側は確かに外だったが今は壁。

 【空間魔法】で転移を試してみようとするが、迷宮内には転移できるものの、泊まっている宿や、ギルドなんかには転移出来ない様だった。


 ……ふむ。

 迷宮ってのは一回入ったら出れないものなのか?

 いや、普通に出入りはできるはずだから、迷宮内は別空間パターンか……

 いざって時に外に転移出来ないのは痛いが、とりあえず進んでみるか。


 そう思い、やっと進み始める。

 というか、結構長い間入口に留まっていたが、俺以外の人が入ってこないな。

 外はあんなに人がいたのに誰も入ってこないなんてことあるだろうか?


 進みながらそんなことを考える。

 少なくとも半径3km程の距離は把握出来ているので、行き止まりなどの道に進まなくていいのは楽だ。


「グギャ!ギャギャ!」


 曲がり角の先に二つの魔力反応があり、その方向から声が聞こえてくる。

 声と魔力量からしてゴブリンだと思うが……


 俺は刀の柄に手をかける。

 そのまま音を立てずに角に近づき、一気に飛び出す。

 瞬時に鑑定。

 見た目も鑑定結果もゴブリンだったので、瞬時に接近し、抜き放つ。

 首めがけて放たれた刀は寸分違わず首に吸い込まれ、刀の性能なのか俺のステータスの高さゆえか、なんの抵抗も許さずに切り飛ばした。


 突然の襲撃に驚いたのか、もう一体のゴブリンは固まっていたので、俺は刃を向け、そいつの首も切り落とす。


「ふぅ……」


 最後まで声を上げることなく死んでいったゴブリン達を一瞥しながら刀を鞘に収める。

 今までステータスに頼りきった戦いしかしてこなかったので、こういう所で戦闘経験を積んでおくのはいいかもしれない。


 【強欲眼(アウァリティア)】を使うことなく倒してしまったが、今は経験の方が大切だと割り切って諦めた。

 ステータスを奪ってしまうと一気に敵が弱くなって経験どころじゃなくなるからな。


「さて、先に進むか……」


 落ち着いたので先に進むことにする。

 今まででだいぶ進んできてはいたが、まだゴールなどは見えてこない。

 塔型の迷宮じゃなかったからあるとしたら地下に続く階段か……


 俺は油断せずに進んでいく。

 何体かまたゴブリンに遭遇したが、最初と同じようにスキルなどは遣わず技術だけで戦って行った。


 2時間ほどさまよっていると、少し開けた空間に出た。

 そこには一体の魔物とその後ろに金色の宝箱があった。


「ちょうど真ん中でこれが中ボスなのか、それとももうすぐゴールか下に続く階段かあってそれを守るボスなのか……まぁどっちにしろ倒さないことにはな……」


 ひとまず鑑定。

 見た目はもう完全にデュラハンって感じ。

 全身に赤い鎧を纏ってて、頭だけ持ってる。

 唯一アレ?って思ったのが背負っている武器が剣じゃなくてハンマーっていうかメイスだったことだ。


 ステータスは見た目こんな強キャラ感あるのにさっきまで戦ってたゴブリンを少し強くした感じ。

 全体的に120くらいで、全然強くなかった。


 スキルは【魔剣術】という見たことの無いものがあったので、それだけ奪っておく。

 ていうかこいつが持ってるのメイスなのに【魔剣術】って。

 ……そのあとは激戦もなくデュラハンを切り倒した。


「ん?……えっ!」


 なんの問題もなく倒せたが何か違和感を感じた。

 しかし、そのあと急に訪れた


 《レベルアップしました》

 《レベルアップしました》

 《レベルアップしました》

 《レベルアップしました》

 《レベルアップしました》

 ………

 ……

 …


 というアナウンスで感じていた違和感はどこかへ行ってしまった。


「有り得ないくらいレベルが上がった。」


 しっかり数えてたわけじゃないから分からないが20回は超えてた気がする。


「ステータス!」


 俺は急いでステータスを表示する。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


 name「ハルト ニイザキ」

 Lv 91

 種族【ヒューマン】


 HP:10,000 (103,384,318)

 MP:10,000 (54,973,643)


 STR:10,000 (10,671,431)

 DEX:10,000 (8,643,183)

 AGl:10,000 (9,073,375)

 INT:10,000 (7,724,073)

 LUK:10,000 (3,043,943)

 ATK:10,000 (14, 340,491)

 DEF:10,000 (10,310,043)


 異能

【神眼】【思想世界】【神重圧】


 スキル

【刀剣術 Lv10(MAX)】【計算 Lv9】【異言語マスター】

【鑑定】【偽装】【身体強化】【全属性魔法】【盗む】【変食】【分解】【空間魔法】【各武器使用技能補正】【大剣術 Lv7】【絶倫】【眷属化】【配下指揮】


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


 ……は?

 ちょっと待て……

 色々とツッコミたいところがあるんだが……


 まず初めにレベルは上がったな。

 ガルロッソが93とかだったから俺も高い方なんだろう。

 リュースのレベル見てから一般人でもレベル100越えいたらどうしようとか思ってたけど、騎士団長であのレベルだとしたら100越えはほとんどいないと思っていいだろう。


 問題は次だ。

 俺のステータス値どうした?

 レベルが上がったからまた高くなってるだろうなぁとは思ったけど、異常なほど上がってたな。

 そしてなんで全部1万で固定されてんの?

 そこが一番の謎なんだけど……


 え?ついにステータスがヤバいと思ったの?

 それで1万で固定したの?

 どうするんだよコレ……

 リュースより強くなったら【眷族化】しようとか思ってたのに圧倒的に弱くなっちゃったんじゃね?

 かっこで括られてる部分が本当のステータスなんだろうけど……


 あと、【刀剣術】がレベルMAXになったな。

 あと【計算】もレベル9になってたし……

 なんかステータスの方がインパクト強すぎてこっちが全然驚けなかったんだが……


 いや、いつまでも固まってても仕方ないから、とりあえずあの宝箱を何とかしよう。

 そう思って宝箱に近づき、蓋を開けると……

 中にはオレンジ色の液体が入ったビンが三つ入っていた。


「怪しすぎだろ……」


 なんでオレンジ色にしたんだろうな。

 透明なら間違って飲むこともあったかもしれないのに。

 俺は毒の可能性を考えて鑑定する。


 『経験値の水』


 と、表示された。

 名前は毒っぽくないが、怪しすぎる。

 これ以上何も表示されることはなさそうなので、仕方なく一本だけ飲んでみることにする。


「よし……いただきます……!」


 ビンの蓋を開けると、なんとも言えない匂いがした。

 いつまでもビビってたら進めないから、俺は思い切って流し込んだ。

 味はこんな色してるのにイチゴみたいな味がした。

 何事もなく飲みきると、それと同時に


 《レベルアップしました》


 というアナウンスが聞こえてきた。


「……は?」


 『経験値の水』ってそういうこと?

 レベルを上げる水なの?

 某ポケットのモ〇スターに出てくる『ふ〇ぎなアメ』的な?

 ステータスを確認するも、レベルが92に上がっていた。


 これがあれば美咲や静奈を危険な目に合わせず強く出来るかもしれないな……

 いや、当然の事だが戦闘経験がある方が色々な場面で有利だから戦わせはするが、弱いうちはあまり無理させたくない。


 俺の予想だが、『レベルアップの水』では無く、『()()()の水』ということは、一定の経験値が貰えるのではないか……

 たまたまその経験値でレベルアップ出来たから俺はレベルアップする水だと思い込んだのではないか、ということだ。


 何の気なしに残っていた二つのビンも鑑定すると、『ハルトの経験値の水』という名前になっていた。

 しかも説明文も出てきていた。


『ハルトの経験値の水』

 個体名:ハルト ニイザキが1レベル上昇するだけの経験値を飲用した対象に付与することが出来る。


 というものだった。

 ちょっと待て。

 俺が1レベル上昇するだけの経験値ってこのレベル91から92に上がるための経験値ってことだよな?

 普通に考えたらめちゃめちゃ経験値貰えるんじゃね?

 この二つは美咲と静奈に渡すか……


 俺は突然現れたチートアイテムにため息を零しつつ、先へと進むのだった。

皆さんポケモン知ってますか?

自分はUS、UMまでは全部やってましたね。

ふしぎなアメってなかなか手に入らなくて、「使うのもったいないから後で使おう」って思っててバッグの中で忘れられてるなんてことがよくあったんですよね。


面白いと思っていただけたら評価やブックマーク、感想の方よろしくお願いします。

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