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静奈Side①

ここから2話くらい静奈視点の話になります。

興味が無い、本編の方が好きという方がいれば飛ばしてもらっても大丈夫……なのかな?


先の話で繋がるので、「えっ、何それ知らない……」なんて事になるかもしれないから、出来れば読んで欲しいですけどね……

 私こと、新崎(にいざき)静奈(しずな)は、教室でお兄ちゃんとそのお兄ちゃんの友達?の美咲さんとお昼を食べようとしていた。

 これはいつもの事で、最初は周りからの目もあったが時間が経つにつれて、段々と()()()()()()として扱われるようになり、自然と注目されなくなった。


 教室の入口で美咲さんと合流し、これまたいつもの席である、お兄ちゃんの席へ向かう。

 今日は天気がよく、暖かい日差しと涼し気な風に吹かれて、お兄ちゃんはウトウトとしていた


 どうして私が楽しみにしてるお昼の時間に寝ようとするかなぁ、このダメにぃは……

 ウトウトしてたのが本格的に寝に入ったので、そろそろ起こすことにする。


「おにぃ。」


 1度呼びかけて、聞こえてるはずなのに無視する。

 どうして無視するかなぁ!私はお兄ちゃんとお昼が食べたいのに!


「起きて、おにぃ!」


 私がそう叫ぶと、お兄ちゃんは嫌そうな顔をしながら


「なんだよ、静奈。俺は今寝ようとしてるしてるんだ邪魔しないでくれるか?」


 そんなことを言ってくる。

 お兄ちゃんは!私とのお昼より睡眠の方が大切だって言うの!?このバカにぃ!


 なんて心の中で叫びつつも、表では冷静に……


「ダメだよ、おにぃ。今日は私と美咲さんとお弁当食べる約束でしょ。忘れちゃったの?」


 これは昨日、お兄ちゃんが美咲さんと約束したことだ。

 確か、授業中に寝てて先生に呼び出しをくらって、罰として放課後に書類を職員室に運ばせされた時に、美咲さんが手伝ってくれたからそれのお礼みたいな事を言ってたけど……


 うぅ……美咲さん絶対にお兄ちゃんのこと好きだよぉ……

 お兄ちゃんそういう所は鈍感だからなぁ……気づかないんだよ……


 頭の中でそんなことを考えていると……


「晴斗くん、静奈ちゃんもこう言ってることだし一緒にお弁当食べようよ、ね?」


 と、美咲さんが言った。

 ほら!聞いた!?他の男子に話しかける時とは絶対に雰囲気が違う言い方だったよこれ!気の所為じゃないよ!


 お兄ちゃんもお兄ちゃんでさ!美咲さんに言われた途端に、ボーッと美咲さんを見始めてさ!なんなの!?


「あぁ、そうだな。」


 少しの間ボーッとしてたお兄ちゃんが、そう言った。


 ……やっぱり私は()で、お兄ちゃんの()()とかにはなれないのかなぁ……

 ……ハッ!いやいやいやいや……別にお兄ちゃんと付き合いたいとかそんなことを無いし!勘違いしないでよね!

 ……誰に言い訳してるんだろ。


 私が1人でそんなことを考えている間に、お兄ちゃんと美咲さんはご飯を準備し終わったらしい。

 私も急いで準備して、みんなで食べ始める。


「「「いただきます!」」」



△▽△▽△▽△



「晴斗くん、その春巻き美味しそうだね」


 ワイワイと食べ始めてから少し経った時、唐突に美咲さんがこんなことを言い始めた。

 それに対してお兄ちゃんが


「そうか?一個食う?」


 と、お兄ちゃんも別に嫌そうでもない感じ……


「えっ、いいの?ありがとー!」


 美咲さんはそう言いながらお兄ちゃんのお弁当に箸を伸ばし、春巻きを奪い去っていった。

 くそう!ずるいぞ!美咲さん!

 私もお兄ちゃんのお弁当からなんか貰いたい!

 なんなら、あーんとかしてくれてもいいんだよ?

 えへへ……ハッ!違う!


「あっ!美咲さんずるい!おにぃ、私にも頂戴?」


 上目遣いも使いながらそう言う。

 しかし、美咲さんには普通にあげたのに、私には少し悩んだ後、


「お前は俺と同じ弁当だろうが……」


 と、渋るような事を言ってきた。


「それでもおにぃの所から貰うのがいいんだよっ!」


 なんなら、お兄ちゃんがあーんとかしてくれてもいいんだよっ!むしろしてよ!

 いや!何考えてんの!?そんなこと思ってないし!違うからね!


「仕方ねぇな……」


 私の中で、本音と建前が喧嘩してる間にお兄ちゃんは私に春巻きをくれる気になったらしい。


 なので私はお兄ちゃんのお弁当から春巻きを攫って行った。



△▽△▽△▽△



 お昼も食べ終わって、少し食休みしていると、急にお兄ちゃんが立ち上がって


「ん?なんだこれ?」


 と、言い始めた。

 不思議に思った私は


「?どうしたの、おにぃ?」


 そう問い掛けるも、お兄ちゃんは依然として床を見つめたまま応えようとしない。


 痺れを切らした私も、床に目をやるとそこには一面に広がる幾何学模様……魔法陣のようなもの。

 突然のことに、私が固まっていると、その魔法陣から出る光が強くなっていき……


「まるで——」


 ピカッ!と光り、咄嗟に目をつぶると同時に近くにいた美咲さんの手を握る。

 最後にお兄ちゃんが何かを叫んでいたようだけど、あまり聞こえなかった。



……………

………



 目を開けるとそこはもう教室ではなかった。

②からは異世界での話に移ります。

多分次で静奈視点は一旦終わりですかね。


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