11話 異変①
更新が遅れてすいません。
もう少し早く更新をするようにして行きたいと思うので引き続きよろしくお願いします
さて、早速新しく手に入れたスキルとかの詳細を見ていこうか……
【神重圧】
威圧の最上位スキル。
自身より能力値の低い相手に限り、自由に圧を与えることができる。圧は精神的にも肉体的にも、ダメージを与えることができる。圧の強さは能力差によるが、最低でも動けなくすることはできる。
【眷属化】
自身が血を与えた者、または名前を付けた者を眷属にすることができる。任意で発動。
【配下指揮】
自身の配下を指揮することができる。
配下と念話を使い遠く離れていても会話する事ができる。
【絶倫】
繁殖力強化の最上位スキル。
このスキルを持つ者は決して精力が尽きることはない。
何度でも甦る。
……なんだろうな。
こうやって強スキルを手に入れてる中で、【絶倫】とかいうそんなスキルを手に入れてしまったこのなんとも言えない虚しさというか、悲しさというか……
いや、でもほかのスキルはめちゃめちゃ強いし、なんか知らんけど昇華した【神重圧】とかいうスキルはバリバリチートっぽいし。
まぁ、とにかく強くなったってことでいいんじゃないか?
じゃあこのゴブリン王達をアイテムボックスにしまって、ギルドに依頼達成報告に行きますか。
スライムって一体しか倒してないんだが、達成になるんだろうか?もしならないようならもう少し探索しないといけないんだけど……
まぁ、そこは帰ったら聞いてみればいいか。
△▽△▽△▽△
あれから20分くらいで街に戻ってこれた訳だが、早速ギルドに向かうか……
「あ、ハルトさん!帰ってきたんですね。無事に依頼は達成出来たでしょうか?」
ギルドに着くなりすぐにシーナさんが声をかけてくる
何気に名前を呼ばれたのは初めてかもしれない。なんてことを考えながら俺は返事をする
「あぁ、取り敢えずゴブリンは沢山倒したんだが、スライムがなかなか見つからなくてな……」
「そうなんですか。それでもゴブリンが倒せたなら上出来ですよ!……それで、倒した魔物はどちらに?」
どうするか……
空間魔法なんて持ってるやつがいるんだろうか?
もしも、超レアスキルとかだったら目立つことこの上ないと思うんだが……
まぁ、隠し続けるのも︎面倒臭いからな……言ってもいいだろ。知らんけど……
「あー、空間魔法で別の空間にしまってるんだ。」
「く、くくく空間魔法!!!???そんな古代に滅びたとされる伝説の魔法が使えるんですか!?!?」
oh......伝説の魔法とな……
どうせレアっつっても他にも数人は使えるやつはいるだろとか思ってたけど、甘く見てたかもしれない……
これからどうしよう。もう言ってしまったことはどうしようもないからいっその事隠さないでやってくこともできる訳だが……
「……空間魔法って今は使える人はいないのか?」
「そもそも空間魔法は500年前に存在した賢者様だけが使えた魔法と言われています。ですのでほかの一般人の方々は使えないんです」
賢者ねぇ……
なんで賢者しか空間魔法が使えなかったのか、そしてなんでその空間魔法をスライムが持ってたのかは謎だが、正直そんなことあんまり興味無いんだよな……
「へぇ、賢者ね……まぁ、それより魔物の買取してくれるのか?」
「あっ、はい。その場に出していただければすぐにでも査定致しますが……」
さすがに100体くらいいるからなぁ、こんな場所じゃあすぐに埋まっちゃうんだが……
ゴブリン王もいる事だし……
「もう少し広いところはないだろうか?多分ここじゃあ入り切らない」
「へ?入り切らない?失礼ですが何体ほど討伐してきたのでしょう?」
「大体100体くらいだ」
「ひゃっ……」
シーナさんが絶句する。
100体くらいでそんなに驚くだろうか?
「それは!どこで討伐したんですか!」
どこで?なんでそんなこと聞くんだ?
もしかして……
「……数が多すぎたとかか?」
「多いなんてレベルじゃありません!それはもしかしたら魔物行進の予兆かもしれないんですよ!?」
魔物行進?
なんか響き的に絶対に面倒臭い予感がするんだが……
「ここより広いところとなるともう解体所しかないので、そこで倒した魔物達を出してください」
「分かった」
「私はギルドマスターに今回のことを報告してきます。もしかしたら後でギルドマスターに会って頂くことになるかもしれませんが、その場合はよろしくお願いします」
面倒臭いが仕方が無いか……
さっさと解体所に行ってゴブリン達出して来よう
「おう!魔物の解体かい?でも魔物を持ってねぇしなんか用事なのか?」
解体所に着いてすぐ、近くにいたおっさんが声をかけてきた
「解体で合ってるぞ、ただ魔物はアイテムボックスの中に入ってるだけで」
「アイテムボックスゥ?なんだぁ?そりゃ」
「空間魔法だ」
「く、空間魔法!?あんたそんなもん使えんのかよ!すげぇな!」
驚いて仕事にならないんじゃないかと思ってたんだが、予想より遥かにまともで驚いた
空間魔法って聞いてみんながみんなシーナさんみたいに取り乱すわけじゃないと分かってホッとした
「ゴブリンなんだが、どこに出せばいい?」
「数はどのくらいなんだ?」
「大体100くらいだ」
「おう!そりゃあ随分とまた沢山狩ってきたんだなぁ!」
「たまたま集落を見つけたから壊滅させたらこうなった」
「あんた若ぇのにつえぇんだな!」
「まぁ……な」
流石に能力については話すべきではないだろう
普通のスキル程度なら知られても問題ないが、異能を知られるのは不味い気がする
「じゃあここに出してくれ!」
俺はおっさんに言われたところに普通のゴブリンから出していく。
大体普通のゴブリンが90体くらい出したところで終わり、次にエリートゴブリンと言う名前のゴブリンを出していく。こいつらエリートゴブリンは普通のゴブリン達を指揮してたちょっと強そうな装備をみにつけたゴブリンだ。
エリートゴブリンが10体、最後にゴブリン王を出して終わりだ。
「これで最後だが……どうしたんだ?」
俺がゴブリンを出し終わるとおっさんは顎が外れそうなほど大きな口を開けて固まっていた。
「ど、どうしたもこうしたもあるか!最後のやつ!あれゴブリン王じゃねぇのか!?」
「そうだが、何か問題でもあるのか?」
「問題大有だ!あんた見たところ新人冒険者だろう?なんでゴブリン王なんていう災害級の魔物を倒してきてるんだ!!」
災害級?魔物も冒険者みたいにランク付けされてんのか?
まぁそんなことより、今日だけで色々と問題を起こしすぎたかもしれないな……
「あー……あれだ、ゴブリン王寝てたんだよ……だからそこを首をな、こう……スッと……」
苦しい言い訳だなぁ……
「そんなお前、寝てたからって簡単に倒せるもんじゃねぇのに……いや、あんたが言いたくねぇなら詮索はしねぇけどもよ……なんつーか、規格外だな」
「まぁ、詮索しないってのは助かる。これはすぐにでも査定出来るか?」
「いやいや、ゴブリン王なんて、そんなすぐに査定出来るわけねぇだろうが。最低でも一日。長くて二日は掛かるな」
どうするかな……
その金を受け取ったら静奈達を助けに行くか。そろそろ移動しないとなんか嫌な予感がするんだよな……
「じゃあ査定を頼む。また二日後に来る」
「おう……あんたがどんなふうに災害級の魔物を倒したのかは知らねぇが、命はひとつしかねぇんだ。大切にしろよ」
見た目ごついおっさんだから怖そうとか思ってたけど、ちゃんと俺ら冒険者のことを考えてくれる優しいおっさんなんだな……
「あぁ、せいぜい気をつけるよ」
そう言って俺は解体所を出た。
受け付けにはシーナさんが戻ってきており、俺を見つけるなり手招きしてくる
「ギルドマスターに呼ばれてるのか?」
解体所に行く前に話してたことなのですぐに聞いてみる。実際首を縦に振っているのでその通りなんだろう。
「ギルドマスターが今回の件について話をしたいと、ハルトさんが帰ってきたら連れてくるように言われているので着いてきてもらってもいいですか?」
まぁ最初から言われていたことでもあるしな、特に断る理由もないので了承する。
「あぁ、大丈夫だ。それじゃあ案内してくれるか」
「分かりました。ではこちらへ」
俺がそう答えるとシーナさんは受付から出てきて奥の方へ続く廊下を歩き始める。
着いてくるように言われたのでシーナさんに付いていくと、1番奥の部屋に強い気配を感じた。
「この奥の部屋にギルドマスターがいるのか?」
「え、えぇ。そうですけど、よく分かりましたね……」
「まぁなんとなくな」
そんなことを言いながら歩いていると部屋の前に着いた。シーナさんがドアをノックして……
「ギルドマスター、ハルトさんをお連れしました。」
「入ってもらって構わないよ」
中からは若そうな声の男の声が聞こえてきた。
「失礼します。」
「——ッ!」
そう言ってシーナさんと俺が部屋の中に入った瞬間、ギルドマスターの方から殺気とともに威圧された。
ギルドマスターの見た目は金髪で緑色の目をしたイケメンだった。年は20歳前半くらいに見えるが、実力は相当ありそうだな
初対面で威圧してくるとは随分とご挨拶だな……
俺も返してやるか
「——カハッ!」
瞬間、ドンッ!と音が鳴ったかと錯覚するほどの威圧をかける。
初めて【神重圧】を使ってみたが対象指定やら威力調整やら色々やろうと思えば出来るっぽいな
っと、シーナさんが気絶してしまったのでシーナさんは対象から外し、床に寝かせておくのもアレなので俺が抱き抱える。
「……それで?部屋に呼ぶなり急に威圧してきてどういうつもりだ?」
俺がそう聞くも、ギルドマスターは汗をかきながら首を横に振るばかりで一向に答えようとしない。
仕方が無いので神重圧を解いてやると
「はぁっ……はぁっ……っく、済まない……空間魔法を持ち、ゴブリン王の討伐をしたという新人冒険者がいると聞いたから……どの程度の実力なのかつい試してみたくなって……君は敵に回しちゃ行けないと実感させられたよ」
なんだ、そんな理由か……
「いや、こっちこそ威圧されたからと言って割かし本気で威圧を放って済まなかった」
「それは私が最初にやったことだ……と、私が始めておいてあれだが、そろそろ本題に入らせて貰おうか。取り敢えず座ってくれたまえ」
あの重圧を受けておいてこんなに早く回復出来るとは、このギルドマスターなかなかに強いな……
ギルドマスターがソファに座ったので俺はテーブルを挟んで正面にあるソファに腰掛ける。
シーナさんも俺の横に寝かせているが、このソファ、めっちゃフワフワで気持ちいいな
「まず初めに、私はここ、トルーニの冒険者ギルドのギルドマスターをさせて頂いているウィルスターだ。ウィルと呼んでくれ」
「知ってるかもしれないが俺はハルトだ。それで……なんで俺を呼んだんだ?」
「一番の理由はゴブリン王の事だな。どういった状況でそいつらが存在していたのかっていうこと、後は君の実力を測るのが目的だったが、それはもう嫌という程分かったからいいよ……」
つまりはゴブリン共の集落のことを言えばいいのか?
「まず、この街の門を出てすぐにある森の中に魔物を探しに入った訳だが、あまりにも魔物に遭遇しなかったんだ。そこで、空間魔法を使い、魔物の反応を探っていたら大量の反応を見つけた……これがゴブリンの集落だった訳だが、数は大体100くらいだったな。ワラワラと襲いかかって来たから殲滅して帰って来た。帰りも魔物はいなかったな」
ゴブリンの集落以外の魔物が圧倒的に少ないと感じたんだが、それはどうなんだろうな
「とまぁこんな感じだが参考になったか?」
「集落で……ゴブリンが100体くらい……?そんな大きな集落があれば気が付かないはずがないのに……それに森に魔物が少なかった……?本当に魔物行進が起ころうとしてるというのか……」
話し終わったんだが、テーブルを見つめてブツブツと呟いている。
「んぅ……ん……ふぁ、あれ?なんで私寝て……」
話しかけても反応しないので暇つぶしにシーナさんを眺めていたら目を覚ました。
まだ寝ぼけているのかいつもはしっかりしているのにポケーっとした顔をして周りを見回す。
「目を覚ましたか。大丈夫か?」
そう俺が声をかけると……
「えっ!ハルトさん!?あれ!?なんで!?」
と、随分と混乱しているようだった。
流石に可哀想になり、俺の威圧で気絶させてしまったこと、ウィルさんに話し終わったことなどを説明したら
「そういうことですか……あの、お見苦しい姿を見せてしまい申し訳ありません……」
頬を赤らめそんなことを言ってくる。
寝顔を見られたことが恥ずかしいのだろうか?普通に可愛いと思ったが……そんなこと言ったら泣きだしそうなので心の中で呟くだけにしておくが
シーナさんと話をしている間にウィルさんが考えをまとめたのか……
「ハルト君。君には今回の件の報酬として冒険者ランクをBにすることと、金貨50枚を渡そうと思う。正直報酬を渡しすぎだとは思うが、その代わりという訳じゃないが近いうちにもしかしたら魔物行進が起こるかもしれない。その時には力を貸して欲しい」
魔物行進ね……
「まぁ、俺に出来ることならやらせてもらう。だが、俺にもやらないといけないことがある。あまり長い時間ここに滞在してられるわけじゃないことも覚えといてくれ」
「それでも構わない。よろしく頼む」
正直面倒だが、しょうがない。
この街は気に入っているし、シーナさんや、宿のおばちゃん、仲良くなった人に死なれるのは後味が悪いからな。
「あいよ、頼まれた。それじゃあ俺は帰らせてもらうがいいか?」
「あぁ、長々と付き合わせて悪かったね」
「あっ、ハルトさん!私も行きます!ではギルドマスター、失礼しました。」
こうして俺はギルド長室をあとにした。
今回はいつもに比べ話が長くなってしまいました。
今回では説明的なことが主だったので、次回辺りから戦闘も入れていきたいと思います。
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