9話 男のロマン
外に出てきたはいいが、ゴブリンやらスライムやらはどこにいるんだ?
取り敢えず俺が最初に来た方から逆方向に森があるからそこへ行ってみるか……
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あれから30分くらい経って森についてゴブリン達を探してみたんだが、ゴブリンどころか魔物が一匹も見当たらない……
もう少し奥に行けばいるんだろうか?
ゴブリンって言ったら集落とか巣があるイメージなんだがそれを見つけられたら楽でいいんだがなぁ
「……グギャ?」
そんなことを考えながら歩いていると第一ゴブリンを発見した。
始めてゴブリンなんて見るからこいつがゴブリンなのか分からないが、見た目が肌が緑色で鼻と耳が尖ってる。腰に汚れた布を巻いて棍棒を持っているといういかにもな感じなんだが……
取り敢えず鑑定してみれば分かることか
「【鑑定】」
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name「ゴブリン」
Lv 20
種族【魔物】
HP:200
MP:150
STR:30
DEX:15
AGl:20
INT:10
LUK:5
ATK:40
DEF:20
スキル
【棍棒術 Lv2】【繁殖力UP】
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普通にゴブリンだな。
見た感じこいつしかいなさそうなんだが……まぁ、倒しちゃってもいいか
「来い、『神威』!」
そう唱えた瞬間、俺の横にあの黒い穴の様な物が現れ、そこから神威を引き抜く。
前回神威を使った後、持ち運びが大変だなぁと思ったら神威が紅い光の粒子となって消えた時は驚いたもんだ。まぁ、実際は元の空間に戻っただけで呼び出せばいつでも取り出せたんだがな
「さて、とりま殺るか……」
俺は神威を構えてゴブリンが攻撃してくるのを待つ。
相手は棍棒で、こちらは刀。リーチてきにはこっちの方が有利だが、戦闘経験も積みたいからな。出来ることならカウンターを狙ってみたい
「グギャァ!」
ゴブリンはいつまでも攻撃してこない俺に痺れを切らしたのか棍棒をめちゃくちゃに振り回しながら迫ってくる。
俺はそれをよく見切り、刀で受け流しながらガラ空きになった胴体に一閃……
ゴブリンにはそれが致命的だったのかそのまま倒れて動かなくなった
あ……ステータス奪ってねぇや……
まぁいいか。そんなに死ぬほど欲しいって訳でもないし、静奈達を守れるだけの力があればそれ以上は別に、あってもなくてもどっちでもいいみたいな……
ゴブリンも倒したし、他の魔物を探しに行くか
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3分くらい探し回ってついに現れた、スライム!!
俺の事を見つけた瞬間、全力で逃げ出そうとしてるが、そうはいかねぇぜ!絶対に逃がさん!
そんなことを思ってたけどスライムってめちゃめちゃ逃げるの遅いんだな。まぁいい、取り敢えず鑑定だ
「【鑑定】!」
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name「スライム」
Lv 3
種族【魔物】
HP:20
MP:10
STR:3
DEX:3
AGl:2
INT:1
LUK:40
ATK:5
DEF:5
スキル
【変食】【分解】【空間魔法】
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このステータスよ……
一周まわって俺が悲しくなってくるようなステータスしてやがる。
だが、スキルはなかなか珍しそうなものを持ってるな。
取り敢えずスキルの詳細見てみるか
【変食】
どんなものでも食べることができる。
【分解】と一緒に使用することで、自身を強化することができる。
【分解】
色々なものを分解できる。
【解体】の上位互換。
【空間魔法】
空間を操ることが出来る魔法。
異空間を創り出したり、空間内の状況を把握したりなどができる。上達すると転移が出来るようになる
ほぉ……
全体的に強スキルが多いな。特に【空間魔法】な。
これを使えばアイテムボックス的なものや、探知魔法的なものが作れるのでは?
……何がなんでも貰うしかないな。俺のロマンのために犠牲になってくれ、スライムよ……
全体的に弱かったので取り敢えず近ずいて素手で掴み取ってみたが……
これはどこが目なんだ?
目がなさそうなのでスライムの体の中心ら編を見つめると久しぶりのシステムアナウンスのようなものが聞こえてきた
《条件を達成しました。只今よりステータスの強奪を行います》
ほんとに久しぶりだな。これ聞いたの最初以来じゃないか?
アナウンスがある時とない時だとなんの違いがあるんだろうか?まぁ、気にしても仕方がないことではあるんだが……
そんなこと考えてる間に奪い終わったっぽいな。
神威をスライムに一刺し。それだけでスライムは絶命する。
よし、これで、【空間魔法】が手に入ったな。
全力で練習して、早いところアイテムボックスだとか探知魔法だとかを使いたい。
絶対にそっちの方が効率も上がるしな
説明を忘れていたが魔法とはイメージだ。
魔力を体の中に感じられたら、あとはそれの動かし方と、イメージでどうとでもなる
まずは魔力を感じて、 それを右手に集めるようイメージする。
そうすると右手がぼんやりと光って、暖かくなるのが分かった。だが、空間魔法ってどんなイメージで成り立つのだろうか。
先に分かりやすそうな探知からやってみるか?
探知って言うと、ソナーってイメージなんだが確かソナーって音波飛ばして何があるか分かるみたいやつだったと思うんだが……どうすっかなぁ……
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それから30分くらい練習してどうにかアイテムボックスと空間探知は出来るようになった
一番めんどくさかったのはやっぱりアイテムボックスだった。
なんてったって異空間とか言われてもわかんねぇし……まぁ、最終的に出来たから良かった。ちなみに俺がアイテムボックスを、再現する上で参考にしたのは神威を取り出す時に現れるあの黒色の穴だ
あれのめちゃめちゃデカくて俺の意思ひとつで入れ出し可能なイメージをした。
そのおかげか、少しなら離れた場所のものでも収納することができる
次に空間探知だが、結局ソナー以外のイメージが湧かず、ソナーをイメージした。
俺の魔力を波紋上に薄く飛ばして動いたり異常なものにぶつかった時は分かるという魔法だ。
この魔法は半径1kmまで飛ばせるため、常時発動しておけば魔力を少々消費するが不意打ちなどを喰らわなくなる。積極的に使っていこう
これで大分効率よく魔物を発見&討伐出来るようになっただろう。
早速探知魔法で魔物が多く固まってそうな所を探してみる。
「ん?」
こっから500mくらい行った所にとんでもない数の反応がある……
10や20じゃなくて100とかそこら辺だぞ?
中にはすげぇデカい反応があるな。
行ってみるか……
走って向かってみると、なんとそこにはゴブリンの集落があった。
門のようなものがあり、門番なのか槍を持ったゴブリンが2体守っている。
これは俺のステータス強化のいい機会なのでは?
そう思った俺は――
「とうっ!」
門番ゴブリンの所へ飛び出した。
ゴブリン達は急に飛び出してきた俺に驚いているのか、動きが止まってしまっている。
だが残念だ、こいつらはバッチリと俺と目を合わせてしまっている。
「目を合わせたな!馬鹿め!死ねぇ!」
一瞬でステータスを奪い去り、大量のステータスにワクワクしておかしなテンションになってしまいながらゴブリン達を屠る。
動かなくなったゴブリン達はアイテムボックスの中にぶち込んでおく。
俺は堂々と集落の中に入っていった……
戦闘シーンでもっとリアリティを出したい(出せるとは言ってない)んですけど、そうするとR15くらいの指定出さないと行けなくなりそうで怖いんですよね……
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