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第5話 兄(大臣)の外交
「それじゃあ行ってくるよ。」
「威厳ある言葉使いを使わないとなめられるからね。暴力を振るわれそうになったら逃げてきてもいいからね。それと・・・」
「大丈夫。地よ、今暫く別れを告げることをお許しください。《飛翔》。」
俺はDランクの魔法で飛んだ。低ランクの魔法だけど、この辺の汎用性が高い魔法はシュバリエの部下に教えてもらえた。
「えーと、速まれ、天の使いを超える速さに。《加速》。」
まだ《飛翔》と《氷刃》以外の魔法は詠唱を暗記出来てない。詠唱がわからない魔法を使うと、変な魔法になることがあるから、出来るだけ使わない方がいいってシュバリエが言ってたから、メモを取っておいた。
これで俺の使える魔法は《飛翔》と《氷刃》、《加速》、《捕縛》の4つだ。
◇
「よく来てくれました。大臣殿。こちらが客間でございます。」
やはり大臣は怖がられる存在らしく、敬語だった。俺はこの前まで敬語を使う側だったのにな。
「よく来てくれました。私がリザリア王国国王、ストリ・ドリエル・シルクト・ド・リザリアです。」