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第2話 兄(大臣)の初仕事

「それじゃあお兄ちゃん、大臣として魔物たちに挨拶して。俺はミラ、共に王国を滅ぼそうぞ!的な感じで。」


大臣としての最初の仕事は挨拶だった。なんかカッコいい服を着せられてるし。そりゃそうか。どこのバイト先でも、最初の仕事は挨拶だったもんな。


そう思いながら広場を眺めることができるベランダに立った。


「貴様ら!俺はミラ、魔王シラの兄であり、貴様らの新たな上司だ!」


大臣ってこんなかんじでいいのか?何となく上から目線で話してみてるけど。


「フザケルナ!ニンゲンガジョウシナド、ミトメラレルカ!」


うわぁ、いきなりクレームだよ。なにか間違えたか?


「ほう、貴様は人間である俺の妹に仕えておきながら、俺を認めないのか?」


「マオウサマハ、ニンゲンニシテ、ワレワレマモノヲコエテイル!ダガオマエハドウダ。ドウミテモタダノニンゲンジャナイカ!」


そんなこと言われたら俺が大臣になるなんて無理じゃん。俺はただの平民だし。


「安心して、お兄ちゃん。この魔剣を使えば、他の大臣にも勝てるはずだよ。ほら、私のあとに続いて復唱して。俺を侮辱したな!この剣で倒してくれる!」


「俺を侮辱したな!この剣で倒してくれる!・・・え?」


しかしもう遅い。さっきから文句を言っていた魔物はキレている。


「イイダロウ!シタニオリテコイ!」



シラに騙されて、魔物と戦うことになった。ただの平民が勝てるわけないだろ!


「大丈夫、この剣に任せれば必ず勝てる。」


はあ?どういうことだ?


「ハヤクシロニンゲン!コロシテヤル!」


「これからゴブリン隊隊長、グロルヒと、魔王さまの兄、ミラの試合を開始します。審判は暗黒竜隊隊長、シュバリエが務めさせていただきます。」


魔物にしては言葉がうまい魔物が審判を務めるようだ。


「それでは、始め!」


「コロシテヤルウウウウウウウウ!」


シラに言われるままに剣を抜くと、俺の視界に線が表示された。なんだこれ?


「お兄ちゃん!その線の通りに剣をふって!」


「はあ?!」


「シネエエエエエエエエ!」


もう考えてる暇はない。今はシラの言う通りにするしかない!

すると、肉を切る感覚が手に伝わった。


この状況を最も理解してないのは剣を振った本人だろう。間抜けな顔をしている。


「勝負有り!勝者、ミラ!」


「誰かグロルヒに治癒魔法をかけてやれ。魔王の命令だ。」

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