第15話 兄(大臣)は殺戮する
「ぐわぁぁぁぁぁぁ!」
軍の駐屯地に悲鳴が響き渡った。同じに舞った血飛沫が地につく前に更なる悲鳴が上がる。
「シュバリエ、アウラ、行くぞ」
「「はい!」」
二人は左右に別れ、さらに軍人を殺戮する。
さて、俺も働かないとな。
「邪神に供物を 悪魔に生贄を 闇の儀式に鮮血を。Sランク闇・血・悪・祈祷合成、四重深淵魔法《闇の豊作祈願》!」
俺から黒いオーラが放出され、それを浴びた軍人が次々倒れていく。
そして死体は地へと潜り、闇の植物の肥料となった。
「お前達の犠牲は、俺たち魔王軍が無駄にはしない」
芽だけだった闇の植物は急成長し、巨大な木へとなり、枝で軍人たちを絞め殺していく。
ちなみにシラは魔王城に置いてきた。殺戮は俺たち部下がやればいい。愛しい妹に殺しなんかさせない。
「──ほ、本隊に報告しろぉ!」
「そっちにもいたか。死ね」
「──ミラ様!其奴を殺すのはやめてくださいませんか?」
「何故だ」
「報告に行かせる者を生かしておかなければ意味がありません」
「なるほど。そこのお前、報告に行け」
「ひえぇ!」
軍人、恐らくそれなりに偉いやつは惨めに逃げ出していった。
「それじゃあ、皆殺しにしておくか。来い 古き爆炎 今こそ血の盟約に従い ここに顕現せよ!炎極限魔法《爆殺卿の爆炎》!」
‥‥‥
‥‥
‥
「皇帝様!報告に上がりました!」
「ほう、述べてみよ」
95代目皇帝、リヴァンクル・バリニューチヒシ・クリム・ド・ツワルは玉座で妻たちと行為に及びながらそう言った。国民からは変態皇帝と呼ばれる彼は、毎年10人の女性を愛人として徴収している。女性たちは美形が選ばれるが、年齢には開きがあり、幼女から熟女まで、人間亜人関係なく選ばれている。
「はっ!リニア湖の駐屯地が魔王軍に襲撃されました!死者数は不明、少なくとも兵の90%は殺されました!よって駐屯地は壊滅、敵前逃亡を図ったものもおりましたが、高位の魔法で殺されておりました!」
「──冗談はよしたまえ」
「冗談ではございません!」
「──なら状況を確認する者を送る。わしは愛人たちと行為をするので忙しいのだ。さっさと退出せよ」
「──はっ!」