表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
15/18

第14話 妹(魔王)は泣く

「我求めるは血塗られた刃、古き罪人に器を与え、その狂った欲望を以て、立ちはだかる愚者を切り伏せよ。Sランク闇・風・死霊・怨合成、四重深淵魔法(フォーフォールドアビスマジック)《罪人の刃》!」


帝国 の 軍隊 は 全滅 した。


‥‥‥

‥‥


魔王城にスパンと心地よい音が響いた。

俺がシラの頭を叩いた音だ。


「おい、なにをしてくれてんだ?」


「だって、戦略とか交渉とかめんどいんだもん」


上目遣いと涙目で言い訳をしてくる妹を、俺はもう一発叩く。


「う、う、うわ──ん!」


「泣いても無駄だ。シラが帝国軍を滅ぼしてくれたお陰で、皇国との交渉が出来なくなったんだぞ!せっかく俺やマリエが魔族に対して良いイメージを持たせようとしてたのに、トランプタワーのように崩れ落ちたんだ!」


「だって、だってぇ」


俺はまだ言い訳を続けるシラを、今この瞬間に作ったハリセンで叩く。


「ミ、ミラ様、もうよろしいかと」


「あ?」


もうよろしいかとだって?

よろしいわけないだろ!これで穏便に世界征服出来なくなったんだ。もう戦争は避けられないだろうし、勇者ってやつも異世界から召喚されたんだ。ストラとか言う氷魔法の使い手も一緒にいるらしいし、正直いって絶望的だ。

勇者が仮に俺たちを凌駕しうる存在なら、早めに世界を滅ぼさないとこっちが危ない。


「くそ、やっぱり魔王は世界を滅ぼさないといけないのか」


妹にそんなことをさせるのは兄として心が痛む。

シラだって元人間だ。こんなことをして良いはずがない。


「ミラ様・・・」


「──悪い。興奮していた」


部下にこれ以上みっともない姿は見せられないな。

俺はミラ・イース。魔王軍大臣だ。

上司としてこいつらに道を示さないとな。


「皆のもの!これより皇国を攻める!ただし、必要以上に殺戮をすると勇者の不興をかう、平和的にやる必要がある。だが、まずは力を見せつけて、話し合いを有利に示そうと思う。故に、軍の駐屯地を攻める!さあ行け、我らの力を見せつけてやるんだ!」


──はあ、戦争だな。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ