中多龍馬の本領発揮
1500m決勝_。
審判の号令があった、そこから関の体はONになる。
ピストルが光る0.09秒前関の体は関が考えるよりも先に動いた。
そして0.5秒後に
パンっ
音が鳴る。2回目の音は聞こえない、フライング判定はなかったようだ。
そのまま200mまでダッシュする関。その通過タイムは29秒。この29秒はこの時の関にとってはきつくなった。
そしてペースを落ち着かせる。
関の独断状態はずっと続き、ラスト200mでスパートをかける。このスパートも最初のと同じくらいのスピードでいく。
関の独断状態でそのままゴール。そのとたん会場は騒がしくなる。関は電光掲示板を見ると
3分56秒98 CLR GR YR
何とここで大会.山口.中2歴代記録を塗り替えた関。
そしてこの雰囲気のまま2年1500mが始まる。
パンっ
山中のスタートは関よりも断然上手い。さらにそこからの安定力。午前中3000mを全力で走ったとは思えない。
そしてダントツでゴール。そのタイムが驚異的だった。3分58秒2 CLR GR何とさっき3000mを限界に近いくらいの走りをしたと言うのにこのタイム。何と言うことだ、それしか言葉が出なかった。
続く村上も4分3秒02CLR GR 三木4分5秒67 CLR GR 幹部4分8秒CLR GR
これは大会新記録のバーゲンセールが始まった…。
♦︎
14時30分_。
共通、2年と終わり次はいよいよ1年1500mだ。
今回の優勝候補は県選手権優勝で関先輩の後輩でもある阿部春海。そいつのベストは4分35秒、中多との差は20秒程。勝てる見込みはない、と言うか勝とうとしている自分に驚いている中多。
「はいそれでは線に足を揃えてー、」
そして始まる1500m。
意外にも心拍数は上がらない。緊張もしていない。そんな中多。
パンっ
そして走る中多。
中多の目は真っ直ぐしかしどこを見ているのかは判らない。今、中多の頭にあるのは関先輩と山中先輩。
あの2人に勝つこと。
今の中多には無謀というより何寝言を言ってんだという感じだが中多は叶わないとは思っていない。絶対に勝つそれだけが頭に思い浮かぶ、その為にはこの大会で一緒の舞台に立つ。
中多が気がついた時にはもうゴールをしていた。目の前には阿部、吉本〔ヨシモト〕がいる。中多は後ろを向いて電光掲示板を見る。
阿部 4分28秒 吉本 4分31秒 中多 4分35秒
中多の目には涙がポツリこの勝利を祝ってくれた。
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《現時点での維新革命7ベストタイム一覧》
名前 種目 タイム その他
関 1500 3分56秒98 山口県.中2歴代記録、中学歴代10位
3000 8分37秒10 中2歴代4位
山中 1500 3分58秒20 中2歴代2位
3000 8分56秒80
村上 1500 4分03秒02
3000 9分24秒35
盛重 1500 4分15秒00
3000 8分50秒03
三木 1500 4分05秒99
3000 9分48秒33
幹部 800 2分01秒06
1500 4分8秒40
兎田 1500 4分13秒56 昨年8月
山口県は全国都道府県対抗駅伝強化チーム『Team 山口』を作成。
そして現2年生の活躍に対してこれから世界と戦っていけるチーム『ISHIN』を作った。その練習着等を提供してくれるのはアメリカのスポーツメーカー、プテロン昔はネイキという名前だったらしい。
チームの詳しい事は下記の通りだ。
Team 山口:メンバー
村中優.秀、長岡、糸、国真、関、山中、村上、盛重
ISHIN:メンバー
関、山中、村上、三木、幹部、盛重
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プテロン、クレオ、カーミン、トヨ自動車、日本食品、山口県陸上協会
Team 山口のメンバーには高校生もいる。
また練習は月に1回、山口高校で行われる。
ISHINは秋から練習がスタートし、毎日(遠距離の住まいの場合週1回)練習があり場所は8月22日に新山口空港に完成予定のISHIN本拠点となる。トラックは400.500.1000m、クロカンは2㎞.5㎞.10㎞、計6つの走れる場所がある。
また、プール、ジム等トレーニング出来る場所は沢山ある。
こうして関たちは日本ではなく世界に目を向けることになった。
これで第2章が終了です。
次回からは第3章が始まります。全中、Jr.オリンピックなど1年生時になかった物語もありますのでこれからもよろしくお願いします。