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挙止進進に異世界旅譚  作者: すみつぼ
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2-1 異世界に来たのだが


 裸のテラスが横で、横倒れている。


 俺は、この状況を飲み込めず、ただ困惑していた。


キラキラ光るロングストレートの銀白の髪、透き通るような白い肌、柔らかそうな見事なおっぱ・・・。うん、これ以上はいけない。


 着ていたロングコートをテラスに被せる。


 正直、このまま見ていたら、俺の理性が保てない。テラスの裸体の寝姿はその位の破壊力を持っていた。



 とにかく、テラスが目を覚ますまで待とう。



 これからの事もあるが、陽も高いし、少し位なら時間もある。


 焦る必要はない。


 心を落ち着かせる時間は必要だ。





 そよぐ風に乗せられ、緑葉の香りが鼻をくすぐる。甘い香りも同時に感じたが、テラスの香りだろう。

 五感が敏感になったのか、一つ一つの感覚に反応してしまう。

 それとは別に、俺の精神は平静した。気候、微風、草原の感触、清んだ空気が俺の心を落ち着かせてくれた。


 異世界は間違いないか・・・。


 あまりにも広い草原が、前の世界の違いをみせる。外国という可能性もあるが、ある意味外国だろう。異世界は異国な訳だから。



 視線をずらし、俺はテラスの横に座り、髪を撫でる。

 サラサラとした、心地のよい感触と、ほのかな花の香りが、心の安らぎを届けてくれた。


 気持ちよく寝ているテラスを眺める。


 無邪気な寝顔に魔が差したのか、少し頬をつついてみた。


 プニ


 おおぅ!


 プニプニ


 おおおぅ!


 プニプニとした感触に、楽しさを見出だしていた。



 ん、ん・・・


 テラスが妙に艶っぽい声を出すと、辺りの眩しさを邪険しながら左目を開ける。


 目を覚ましたのか、ゆっくりと上体を起こす。被せていたコートがずれ落ち、テラスの見事な双丘が露になった。



 おれは固まった。その素晴らしい眼福から、目が離せなくなってしまった。


 俺のガン見に気付いたのが、テラスは視線の先を確認し、ゆっくりとだが両腕で胸を隠した。



 ゆっくりと顔を反らし

「とりあえず、コートを羽織ってくれないか?」

と膝元にあるコートを指差した。



しゅるしゅる、ポフポフ。


「いいよ。」


その声は、羞恥と不機嫌の混じったような声だった。


 テラスは膝を抱えながら、顔を真っ赤に赤らめ、頬をプクッと膨らましていた。



 なにこのいきものめちゃくちゃかわいいんだけど!!



「目が覚めてよかったよ。とりあえず、転移したみたいだし。」


 笑顔で話しかける。


 とりあえず、眼福はうやむやにしよう。まぁ、心を読まれても、あの時みたいに流してくれるだろう。



 だが、テラスの反応は、俺の予想とは違い、辺りをキョロキョロと見回し始めた。


「えっ!あれっ!えっ!えっ!あれっ!・・・。」


 なんか慌てている。驚愕の表情を出し、混乱しているようだ。



も~かわいいなぁ~



俺はテラスの行動を愛でていた。


だが、


「なんで・・・?」


その言葉に、俺は一瞬の疑問を感じた。


 テラスの動揺は本物だった。事態は思ったより深刻なのかもしれない。


 いまだに混乱しているテラスの手を握り、

「まず、落ち着こう。ね。」

と、優しく声をかけた。


 涙目になっているテラスは、俺の手を握り返した。





 手を繋ぎながら話している。


「なんで私はここに・・・?」


 それは俺が聞きたい。テラスにとっても予定外の出来事で、理解もしていないのだろう。


「白い世界に戻れるのかい?」

「無理。力がない。」

「力を取り戻す方法はあるのかい?」

「それもない。アオバソーイチの世界にいたら、それも出来たかもしれないけど。」


 よくわからんが、これは詰みか・・・。


 なら、やれることは、


「んじゃぁ、とりあえず俺と一緒に生活しようか?二人で生活した方が、何かと心強いし。生活しながら、元の白い世界に戻る方法を探してみないか?」

「私、人の生活とかわからない。」


涙目のテラス。その不安な表情が俺の心を熱くさせていく。


「一緒に生活したらわかるよ。俺も、この世界はわからないけど、なんとかなるって。」

「でも・・・」

「正直、どんな危険があるかわからないのに、テラスを置いていけないよ。」

「ん、・・・。」


 テラスの手が震えている。不安なのは当然だ。俺だって不安はある。だが、止まっていたって、何も変わらない。進んで行かなければ、生きてはいけないのだ。


 俺は手を握り返し、

「行こう。」

 手を引っ張り、立たせる。勢い余って、テラスの顔が俺の胸に飛び込んできた。テラスの甘い香りが漂う。

 安心、安堵、安らぎ、を感じる。生きる希望が溢れてくる。やる気がみなぎってくる。不思議だ。


 胸からゆっくりと離れたテラスは、頬から耳まで真っ赤にして俺を見つめる。


「はい。」



その笑顔に卒倒しそうになったのは、言うまでもない。




ようやく、異世界です。タイトル詐欺ですが、旅に準備は必要で楽しみの一つです。と言い訳したいと思います。すいません。

また、話は短めにまとめ、読みやすさを重視しています。ボリュームがほしいとか、ご意見ご感想御忠告など御気軽にコメントして頂けると嬉しいです。それをやる気、励み、勉強にとして、頑張っていきたいと思います。よろしくお願いします。


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