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挙止進進に異世界旅譚  作者: すみつぼ
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3-22 のんびりしよう。

 皆が戻った後、アーノさんに光虹櫛を見せる。当初の予定の1つだ。


「はぁ~・・・、なんたってこんな物作るかね。」


 評価が低い訳ではない。高すぎるのだ。


「馬鹿なのよ、こいつ。必要もないのに無理して作って、結果がこれよ。どうしようもないわ。」

「なるほどねぇ~。」


 もう一度言う。評価が高すぎるのだ。


「まぁ、これも頼まれた仕事ですから。納めて下さい。」

 アーノさんに光虹櫛を渡す。箱も造ってあるので、見た目も良いだろう。


「あんたって人は・・・。」


 困惑するアーノさん。試しに造らせた櫛がこのような形になるとは思っていなかっただろう。俺もこの出来映えには、苦笑してしまったが。


「この櫛は金銭価値ではありませんから、気兼ね無く受け取って下さい。」


 溜め息を吐き、頭を抱えるアーノさん。この櫛の価値がわかるからだろう。口にはしないが。


「わかったよ。受け取ろう・・・。」


 箱を受け取る。何となく重い空気だ。緊迫感とも感じられる。


「それで、これは何時、誰に使うんだい?」

「それはですね・・・。」


 アーノさんに話す。


 これは、マリアの精神安定の為に創った。根を詰めすぎて、自暴自棄になってもらいたくなかったからだ。俺も気持ちはわかる。若い頃、何をしても仕事に納得がいかない時期があった。もっと良い仕事が出来るのでは?俺の限界なのか?手に職を持つ人の必ず通る道。

 師匠の助けがなければ、俺はこの技工技師の世界を辞めていたかもしれない。師匠は言う。

「五感が噛み合わないから、良い結果にならない。目がよくなり知識を得ても、手が動かない。想像が追い付かない。ならばどうするか?諦めないだけだ。目と手が合うまで努力し、知識と想像が追い付くまで考えるのだ。信念を持て。」


 無茶ぶりだな。


 まぁ、これは俺の場合だ。マリアの場合は諦めがあった。だから、まず仕事をさせる。その仕事が最高の物になれば、自信にも繋がると思ったからだ。やり過ぎた感はこの際気にしない。


「アーノさんに任せます。」

「はぁ?」

「ちょっと!なにそれ?!」

 マリアの怒りはごもっともだな。勿体つけたが、使う理由はないからな。


「マリアの最高の仕事を形にしただけです。それだけですよ。」

「バッッカ!!!」

 首閉めないで。ビビを制するのも大変何だから。


「わかったよ。兎に角これはギルドが預かろう。」

「そうして下さい。」

 やれやれと言いながら、箱をしまうアーノさん。俺達も退室した。


 マリアの怒りは治まらない。


 蹴りをいれないで下さい。ビビを抑えるのも大変なんだから。


 ま、アーノさんなら何かに使ってくれるだろう。





 これから一週間、嵐の前の静けさになる。ごめん、そんな大袈裟ではない。俺としては暇になった。なら、街を楽しむのが一番だろう。と思っていたが、予定変更。ビビさんがストレス溜まりまくりです。発散させるために、一日中稽古の相手をした。


 俺も棍を持ち相手をする。武器は手の延長、身体の一部。使えなくはない。


 ついでだから、二の型の重要性を見せた。

ビビの振り上げを、スライドで避け棍先を喉に。


 軸足での移動はこの為にある。最少の動きにぶれない身体の軸。ほんの少しの移動だが効果は絶大だ。


 ビビの良い所は、突進力だ。直線の移動に多少のスライドを組み込めば、さらに技の幅が広がるだろう。剛はほぼ完璧だ。まだ伝達に無駄があるが、女性特有のしなやかな関節が、それを修正する。あとは溢れる力をなんとかなればいいんだが。柔はまだまだだ。こればかりは修練の積み重ねだろう。何度も相手をして、重心を感じてもらう。


 それにしても、ビビの汗が凄い。新陳代謝が凄いのだろう。まあ、俺も汗をかいたし、風呂に入る。


 その頃にはビビの機嫌も治っていた。相変わらずの美人顔になっている。頬を紅く染め艶っぽい。

 勿論テラスも一緒だ。甘えているのか、今日の寄り添い方はベッタリだ。


 今日1日ビビの相手だったからな。明日はテラスと何かをするか。


 模索しながら風呂を満喫する。石鹸さんで、キャッキャウフフも忘れない。あ、ご奉仕はしてません。


 夜御飯前、何やら隅でマリアがビビに謝罪をしているようだ。気にはなるがスルーした。空気は読むよ。


 今日はミートパイだった。ビビにはチキンステーキもある。


 ビビさん、ヨダレ・・・。


 楽しく御飯を食べる。和気藹々は良いよね。





 テラスの指差しの場所、西の林に来た。狩りではない。黒鋼槍は置いてきた。まあ、今のビビなら棍でも巨大獣を倒せるさ。


 少し歩くと、奇妙な木を見つける。群生地だろう。同じ木が幾つもある。

 何というか、オリーブの実がヤシの実になっている。オリーブの実がでかいのか。見た目はヤシの実だ。

 不思議な身を1つ採り、先を切る。中は・・・。


 オイルだね。オリーブオイルではないが、間違いなく油だ。ヤシの実の果汁が油になったといえばいいだろう。


 舐めてみると、甘めのさっぱりした油だった。オリーブオイルの代わりになりそうだ。ベタつきもないな。他の用途にも使えそうだ。


 沢山あるし、収穫してしまおう。


 何個かは残すが、結構な数の実を収穫する。名前は、オリーブヤシにした。


 市に戻り、検証しよう。


 そういえば、いつもお世話の石鹸さんは油から作られるな。あとは水酸化ナトリウム?カリウム?だったか?どちらも劇物だったけど、この世界は違うのか?まあ、いいや。手には入らないだろう。だって知識ないから。


 油を取りだし、実を食す。不味い。油を吸ったスポンジを食べたようだ。実は使えないか?いや、何かあるよな。


 皮剥いて、細かく砕いて、裏ごしして、油と混ぜる。溶けてる?いや、化学反応的な事をしているのかもしれない。色が変わり、黄緑から、黄色に変わった。舐めてみる。


 不味い!さらに不味い!


 失敗か。色見は綺麗なんだがな。指先がテカテカして、良い感じなのだが。


 ん、まさかね。


 手に塗る。うん、そうだね。間違いない。


 皮膚膜保護剤だな。ハンドクリームの液体版みたいな物だ。


 なら使い方は・・・





 いま、裸のテラスが俯せになっている。小屋は湿気をあげ、少し熱くしている。

「何するの?」

「良いこと。」


 これじゃセクハラだな。


「お肌をもっと綺麗にしようかと思ってね。」


 御奉仕返しみたいなものだ。


 テラスの肌は充分綺麗だ。でも、やってみたい。自分で試したら、かなりすべすべになった。なら、テラスならどうなる?


 少し温めた油をたらし、テラスに刷り込む。背中から、お尻、ふともも、ふくらはぎ、足。肩から腕、手と全身に刷り込む。


 仰向けにする。エロい。胸、腹、手足、存分に刷り込む。たまにテラスが艶声を出すからまたエロい。


 たまらんなぁ。





 洗い流してみると、トゥルントゥルンな肌になった。効果は絶大だ。

 勿論、ビビにも行う。スベッスベだ。


 手が幸せです。ありがとうございますありがとうございます。


 これはマリアにもお裾分けしよう。効果を知ればかなり売れるだろう。


 二人に挟まれながら、幸せに浸るのだった。


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