3-7 北部村 その2
今回、現在に存在する製法を用いた、ソーイチオリジナル製法が登場します。ご注意下さい。
さぁ、頑張るか。
今回、製鉄にはタタラを使用する。本来、屑鉄から製鉄は電解炉や高温炉を使うが、そこまでの機材がない。石灰石やコークス等も必要だが、ここにはない。公害にもなるので、使いたくない。なので、タタラで屑鉄を融解して、鉄と屑に分離して鉄の純度を上げる。インゴットは無理だし、ここから鋼錬成は必要ないし、ゴッソに製鉄を教えるのだから、今ある状況で出来る物にする。
さて、タタラ炉を作りますか。
粘土質の土を盛り、陶器を焼くような二段炉を作る。その為にビビには荷車で、粘土を運んでもらう。村の人も手伝ってくれた。テラスはコネコネ係だ。子供達がはしゃいでいる。子供達が母親らしき女性達に怒られていたが、まぁ、ドンマイ。藁を使いながら、かまくらのように作る。煙突も作る。手分けして作業をしたからか、釜自体はそんなに大きくないので、直ぐに出来た。中で火を焚き乾燥させる。1日目終了。
村長に事情を説明して、厩舎を借りる。食事は頂ける事なので、有難い。多少臭いが、慣れれば快適な寝具になる。ちょっとチクチクするが、ここは我慢しよう。
2日目。
木炭を集める。
一段目の窯に木材を並べ、中で火を焚く。釜の乾燥を促す。その間に、石で大皿を造る。こればかりはチートを使った。誰にも見えない場所を探すのだが、何処にもなかったので、夜中に作った。これは鉄の受け皿にする。まぁ、ゴッソにあげよう。
3日目。
二段目に覗き穴を作る。塞ぐ石も用意した。乾燥はまだなので、火は焚きっぱなしだ。明日には乾くだろう。屑鉄を集め、なるべく小さく細かくする。これは重労働だが仕方ない。少しでも融解を早くする為だ。
4日目。
タタラ炉が出来たので冷す。少し熱いが、二段目の脇に石皿を埋める。
さて、暇になった。木材でいろいろ造ろう。子供達に積み木を造ってあげた。喜び方が半端ない。テラスも欲しそうだったが、彼女には髪飾りを造ってあげた。ビビとお揃いである。二人とも喜んで何よりだ。
5日目。
本番は明日であり、2日は休めなくなるとゴッソに告げる。休んでもらおう。俺は、大量に櫛を造り、男性人に渡す。怪訝な顔をされたが、恋人や奥様に贈り物をされては?と言ったら、喜んで受け取った。俺もそのケはないから。女性達がお礼をしに来たのは言うまでもない。
6日目。
さて本番だ。二段目に溝をつけ、溶けた鉄が外に流れるようにする。石の大皿に向かうようにした。屑鉄をその近くに置き、周りは木炭で囲う。
さぁ、やるか!
一段目にガンガン火を焚く。ふいごも使い、高温にする。薪をガンガン投入してはふいごを使う。目標は1500℃。鉄が融解する温度だ。
ゴッソと交代しながら、火の番をする。
時たま、覗き穴がで中を確認する。炎は煙突から出るが、熱気は凄い。だが、そこは我慢する。
8日目朝。
屑鉄が溶けたので、火を離す。
さてと、
ゴッソに手順を伝える。ここが一番危ないからだ。
二段目の窯を、
壊す!
熱気が開放される。アチィ!
だが、熱い内に鉄を取り除く必要がある。鉄の屑部分は木炭に吸着される。木炭と屑は融合され、原型が残っている。その木炭をどかし、真ん中にある、銀色の融解物を溝に沿わせ石皿に流す。石皿はチート皿だから、割れないし、剥がれやすい筈だ。
鉄が出来た。あまり純度は良くないが、前のよりは格段に良くなった。結構量があったのは嬉しい誤算だった。ゴッソが眼を丸くしていたのは気にしない。
これを素早く四角の枠に流す。加工をしやすくする為だ。
9日目。
さて、1枠だけ使い、鎌を作ろう。
鍛造で作るので、四角い金属板からのスタートだ。
作業場の窯を使い、熱しては叩き、熱しては叩き、形にしたら、お湯に入れ急冷。
また軽く熱する。多少の赤みで熱から離し、自然に冷ます。硬化熱処理を施す。
後は砥石で研ぐだけだ。持ち手に組み込み、完成させた。
疲れた・・・。
若者に鎌を渡す。出来映えに驚愕していたが、壊れにくくなった分、仕事を頑張ってもらおう。
後はゴッソの仕事だ。
俺はゴッソに任せると、
「勉強になった!ありがとう!!」
と、手が潰れる位の握手をされた。
やっぱり、感謝されるのは気持ちいい。
★
日も暮れ、俺は村の外れに小屋を出し、風呂に入る。勿論、テラスとビビも一緒だ。
疲れている筈なのに、彼女達といると元気が湧いてくる。余り相手が出来なかったせいか、テラスは元より、ビビも控えめに甘えてくる。二人ともカチューシャに結い紐とセクシーだ。密着する二人の暖かさに胸の柔らかさ。興奮が止まらない。
俺、頑張ったよね?チートも殆んど使わなかったし、頑張ったよね?ご褒美良いよね?
そのまま、二人の柔らかさに身を委ねた。
テラスと熱めのキスをする。そのまま首筋や胸を愛撫する。大きな艶声を挙げたテラスは真っ赤になった。
かわいい。
我慢が出来なかった。
「テラス。」
「はい。」
少し早いが、そのまま1つとなる。少し大きく動いてしまったが、テラスは俺を抱き締め受け入れてくれた。漏れ出す艶声が興奮させる。
そして、そのまま俺は、テラスの中で溶けた。
「ビビ。」
「はい、お願いします。」
キスをする。ビビの熱が高い。求め方が情熱的だ。濃厚なキスの後は愛撫で答える。
艶かしい身体が痙攣している。艶声に唸るような声が混じる。
「すみません、我慢が・・・。」
「うん、いくよ。」
激しく動いてしまったが、ビビは俺を求め続けた。首筋を甘噛みしながら、動きにあわせ艶声を漏らす。
そのまま果てた。
俺はテラスとビビを抱き締める。
愛しい。
「ソーイチ!大好き!」
「・・・きです・・・。」
二人の囁きの中で、俺はそのまま眠りに落ちてしまった。




