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漆黒の一流剣士の冒険記  作者: 仲下 颯真
WGO《謎の少女》編
9/30

第9話 【クエスト受注】

ー7月4日ー


「今日で4日目...」


つまりこの宿の天井を見るのも3度目か。窓の外を見てみると、少しプレイヤーが増えているような気がした。いや、確実に増えているな、これ。昨日俺達は第1風扉ウィンドゲートを攻略した。風扉ウィンドゲートが攻略されると全プレイヤーに通知が伝わる仕組みらしい。そして一部のプレイヤーは、始まりの街から出て、このWGOウィンドゲート・オンラインをクリアするためにここに来たのだろう。


ーーーーーーーーーーーーーーーーー


起きてからしばらくして、宿のロビーのベンチに座っていた。そして1人のプレイヤーがこちらに来た。


「おはようございます、カナタさん」


「おはよう、エミリン。」


彼女は、エミリン。このWGOウィンドゲート・オンラインでの、女性プレイヤーで一番強い人だ。多分。


「今日はどうする?レベリングしてもいいけど...」


「それではまず、昨日の酒場に行きませんか?そこではクエストが受けられるんですよ!」


「そうだな、レベリングのついでにクエストをこなすってのは定番だしな。よし、行こうか。」


そして、黒髪の少年と茶髪のショートモブの少女は2人並んで歩きだした。


「そういえば昨日のボス戦での報酬一覧でラストアタックボーナスっていう項目があったんだけど...」


「はい」


「で、その報酬でMP増幅結晶(大)ってやつを二つゲットしたんだ。それでそのアイテムを調べてみるとMPの最大値を上げてくれる奴らしいんだ。」


「そんなアイテムがあったんですか...。」


「エミリンにはこのMP増幅結晶(大)を1個あげるよ。」


「え?...えっと......」


エミリンは少し迷いつつも、こう言った。


「いえ、カナタさんが使ってください。そのアイテムはカナタさんがゲットしたんですから。」


「いや、遠慮せずに使ってくれ。どっちみち俺も1個使うからな。それに昨日、エミリンが【メテオ】を使った時1回引いたよな?つまり【メテオ】を1回使っただけでMPがほぼ減ったという事だから、このアイテムを使えばMPもかなり持つと思うんだけど。」


「わ、わかりました。流石、カナタさんですね!」


「あぁ、ありがとう。」


俺はお礼を言いつつ、メニュー欄を開き送る→アイテム→MP増幅結晶(大)を選択し、エミリンに送った。また、俺もMP増幅結晶(大)を使った。


使った後にメニュー欄→ステータスで確認してみると、



ーーーーーーーーーーーーーーーーー

【kanata】:male Lv.35


HP 88


MP 108


攻撃力 435


防御力 9685


素早さ 35


属性:炎属性

ーーーーーーーーーーーーーーーーー



「MPが20も上がってるな。」


ってか防御力高すぎだろ...。流石、高級防具なだけはあるな。属性ってのは武器とかスキルで変わるらしい。


ー5分後ー


俺達は酒場に到着した。昨日の夜は結構人はいたが、やっぱり昼はプレイヤーは2.3人程度しかいない。


それはともかく、俺達は受付カウンターに行った。すると、NPCの受付の人が話しかけてきた。


「こんにちは、今日はどういったご要件でしょうか。」


「クエストを受けたいんだが。」


「はい、それならあちらの掲示板からクエストを選び、受注してください。そのクエストをクリアしたら、その場で報酬が支払われます。クエストは主に討伐クエストですが、納品クエストの場合は、受付カウンターにアイテムを納品してください。」


「あぁ、ありがとう。」


説明を受け、俺達は掲示板の所へ行った。


「色々ありますね。」


そこには白い紙に書いてあるもの、茶色ぽい紙に書いてあるもの、緑色の紙に書いてあるもの、黒色の紙に白い文字で書いてあるものがあった。


「これらは難易度かな?白が普通のクエスト。茶色が白より難しいクエスト。緑は納品クエストかな。そして黒色のクエストは...」


「ボス討伐...ですか。」


「うーん、俺達なら白はちょっと簡単すぎるな。」


「はい。」


あの事実がわかった今、俺にとって白も茶色も歯ごたえが無いように感じた。ここで選ぶべき選択肢はただ一つ。


「ボス討伐行くか!」


「えぇぇぇ!?ほ、本気ですか?」


「あぁ、多分俺ならいける。それにレベルもすぐ上がりそうだしな。」


「本当に勝てるんですか?」


「あぁ、俺もさっき知ったんだが俺の防御力は9685だった。」


「え?」


エミリンは急いで自分のステータスを確認した。そして唖然とした顔でこちらを向いていた。


「なんでそんなにも防御力が高いんですか?」


「それは多分この防具のおかげだ。10万Gもしたからなぁ。」


「マジですか...。」


「今度エミリンのも買ってあげるよ。」


「いいんですか?」


「あぁ、君にも強くなって貰いたいからな。」


「ありがとうございます!」



そんな事を話しながら俺は黒色のクエストを選択した。ちなみに内容は


ーーーーーーーーーーーーーーーーー

ボス討伐クエスト


【二グルス】の近くの森で、ウルフが大量発生している。毎年この時期になるとウルフが大量発生して、別の街に行くには必ず何人もの傭兵を雇わなければならなくなる。俺達の先輩の商人も、ウルフに襲われ、死んでしまった。街の研究者によると、この原因を作ったのは奴らのボス、レッドウルフだ。奴を倒せば、ウルフ達は逃げていくだろう。だから奴を倒してくれ。報酬は先輩の宝物だったレア鉱石をあげるよ。


報酬:レア鉱石【黒炎岩】


そこそこ売れてる商人より

ーーーーーーーーーーーーーーーーー


「ウルフ、つまり狼か。」


「茶色のクエストで、ウルフの討伐クエストもいくつかありますよ。あと、緑色の紙にウルフの素材の納品クエストも。」


「ウルフ系のクエストは全部受けよう。そうした方が効率がいいからな。」


こうして俺達は黒1、茶色3、緑2、合計6つのクエストを同時進行する事にした。

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