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漆黒の一流剣士の冒険記  作者: 仲下 颯真
WGO《謎の少女》編
7/30

第7話 【メテオの威力】

「みんな、今からボス部屋に入るから、しっかりと回復してくれ。」


ダンジョンの奥深く...

20名のプレイヤーが大きな扉の前で、休憩をとっていた。


「皆さん、HP回復ポーションを使うのは勿体ないのでヒールかけます!」


確かに普通のプレイヤーではHP回復ポーションを一つ買うのには、モンスターからドロップする金額に対して、高すぎるのだ。20人使うとなるとやっぱり高い。それに比べ、ヒールは1回で30レベル程度のプレイヤーのHPならすぐ回復ができる。そして、ヒールは範囲効果のスキルなので、効率がいい。さっき俺がMP回復ポーションをあげたのもこれが理由だ。


「おぉ」


「どんどん回復してる!」


そういえば俺もヒールは初体験だな。


「ありがとうなエミリン。」


「いえいえ、さっきの事に比べればこのくらいどうってことないですよ!」


よし、そろそろ行くかな。皆もしっかり回復したようだしな。


「じゃあ、この扉を開けるぞ。重っ!?何人か手伝ってくれ」


「「はい!」」


俺は少し苦笑いしながら頼んだ。1人ではボスと戦えないってこういうことなのか?まぁ、そんな事はどうでもいい。今はボス戦だ。


ギシッギシッという音をたてながら、大きな扉を開いた。急いで陣形を整えて、戦闘準備に入る。横を見てみると、少女は緊張しつつ、少し自信ありげに構えていた。


恐る恐る中に入っていくと、円状の空間、例えるならドームのような所に出た。さっきの洞窟のようなダンジョンに比べると、結構明るかった。そして、俺達のいる反対側にゴブリン数体と、ゴブリンを巨大化させて、王冠をかぶせたようなモンスターがいた。


「デカっ!!」


思わず口から出てしまった。しかし、他のプレイヤーも俺と同じく驚きの顔を見せていた。よく見てみると、ボスと思われるゴブリンは、普通のモンスターなら、HPゲージが1ゲージのところを、奴は三ゲージもあった。


「ちょっとやって見たいことがあるのでやってみてもいいですか?」


「え?あぁ、いいけど...」


エミリンは、その答えを聞いた瞬間木の杖を上にあげ、息を思いっきり吸い込み、こう言い放った。




「【メテオ】!!」



「え?」


その瞬間、上空に丸い空間が現れ、隕石というにふさわしいものが出てきた。確かに【メテオ】は、25レベル分のスキルポイント、〈50P〉が必要だが、そこまで貯めるにはヒール、〈10P〉だから、30レベル以上なはず。そんな事を考えていると、ゴブリン達とボスはこちらに向かってきた。【メテオ】もゴブリン達に向かって凄まじい迫力で進んでいった。


皆唖然として【メテオ】を見ている。そして【メテオ】がゴブリンに直撃したように見えた。その途端、爆音とゴブリンの声が聞こえ、煙が舞い上がった。


数秒後、煙が晴れてきて、ゴブリンはいなくなっていた事に気づいた。残っているのはボスだけ。結構近づいていたので名前が見えていた。

その名は【キングゴブリン】...

まぁ予想通りだった...


「ぉ、おぉ!ゲージが1つ減ってる」


「エミリンさん恰好良すぎだろ」


エミリンは急いで後ろに引いた。そして2人以外の皆は笑っていた。


...と、次の瞬間キングゴブリンは手持ちの大きな棍棒を振り回していた。しかし、みんなよそ見をしていた。


「危ない!!!」


「えっ......ヴッ!?」


キングゴブリンの大きな棍棒は前の方にいたプレイヤーを1人、横の方へぶっ飛ばした。それは飛ばされたプレイヤーが壁にあたり少しひびの入るくらいの威力、まさしく電子漫画によくありそうな感じでぶっ飛ばされていた。


そして、プレイヤーは煙になって消えていった。多分【二グルス】に戻ったのだろう。


「みんな気をつけろ、キングゴブリンは明らかに強すぎる。協力しないと絶対勝てない!!」

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