第3話 【フレイムソード】
ー始まりの街、商店街ー
「武器ってあんまり見分けつかないなー」
「あんた、武器をお探しかい?なら、初心者でも使いやすい片手剣がいいよ。」
「なるほど、やっぱり片手剣か」
NPCにアドバイスを受けながら、武器を探していた。でも6000Gで買える武器なんて、いくらでもあるから全然見分けがつかなかった。なので、安値で手に入る強い武器を探すことにした。
「この街で、結構攻撃力の高い武器ってどこに売ってますかね?」
「うーん、そうだなー今は、武器市場に行くと掘り出し物があるんじゃないかな?」
「武器市場なんてあるんですか?」
「あぁ、これは一部の商人しか知らないんだが、貿易船からたまに安すぎるけどとても強い武器があるからね。」
「ありがとうございます!」
いきなり、当たりを引いたようだ。早速武器市場とやらに行きますか。ここにはあまり良さげな武器はなさそうだからな。
「ここが武器市場か、なんとゆうか、完全にフリーマーケットなんだけど...」
そこは、始まりの街の南の方にあり、コンクリートの上に敷物が敷かれてあって、武器や防具、アイテムなどが置かれていた。敷物の上に人がいるが、多分NPCだろう。他のプレイヤーも何人かしかいないのでまだあまり知られていない、いわゆる名所というものなのだろうか。
「えっと武器、いい武器ないかなー」
と、いつもながらの独り言をいいつつ他とは違う武器を探していた。しかし、あまり良いものは見つからない。何年もMMORPGをやっている【kanata】でも、見分けがつかないくらいに...
「おい兄ちゃん、もしかして珍しい武器をお探しかい?」
「珍しい...まぁそんなとこです」
「なら、この武器を見てみろ。」
おっさんの差し出した武器は普通の片手剣とは少し違う...なんというか少し赤っぽい気がした。...ん?赤?
「もしかしておっさん、これってレア鉱石かなんかで作られたものか?」
「兄ちゃんすげぇな。ひと目でわかるなんて。そうさ、これはレア鉱石【フレイム岩】を少し使った、いわゆる炎属性武器なのさ。」
「炎属性?この世界にも武器に属性が存在するのか。例えばこの武器を使うと相手をやけど状態にするとか、そんな機能がついているのか?」
「いや、違うぜ兄ちゃん。確かにやけど状態にする事はできるが、この武器の一番すごいところはMPを消費せずに【フレイムカッター】という技を使うことができるんだ。」
「おぉすごいな。【フレイムカッター】って事は、遠距離から攻撃ができるのか、」
「あぁ、そうだ。レア鉱石は、滅多に手に入らないから結構レアなんだぜ。」
そりゃレア鉱石だからな。
「だが、ここには人があまり来なくてよ。実際にここに来た初めての客が兄ちゃん、あんただ。」
まぁフリーマーケット状態で、プレイヤーも数人しかいないから、しょうがないのかも知れない。
「だからサービスで安くしとくよ。20000Gのところを5000Gなんかでどうだ?」
「え、いいのか?」
「あぁ、もちろんだ。いつか大物になるかも知れんからな。」
「サンキューな、おっさん。」
そう言うと、俺は5000G支払い、この、【フレイムソード】を手に入れた。早速この剣を使ってみたいという、ゲーマーの本能で始まりの街を出たのだった。