第2話 【初めての狩り】
「さぁて、今から何をするかなー」
そういいながら、kanataはメニュー欄を見ていた。すると、プレゼントボックスから、1冊の本を見つけた。
「説明か、これは全員に配られるアイテムかな」
早速使ってみると、目の前にコマンドが現れた。
「ようこそ!WGOの世界へ!この世界では、数々の風扉を見つけ、そこのダンジョンのボスを倒さなければなりません。あなた達、総勢5万人ものプレイヤーで全てのボスを倒し、魔王軍基地にて、魔王を倒せば、このゲームはクリアとなります。風扉には、レベルが表記されています。そのレベルを目安にダンジョンに挑んで下さい。また、ボスはひとりでは倒す事はできません。パーティ、またはギルドを結成し、挑まれることをオススメします。そして、風扉には、番号があります。順番にやらないと風扉は開く事はできません。それでは、ご武運を...」
「説明長すぎだろこれ。」
まぁ、このWGOのクリア条件はわかった。だが、ボスを倒すには目安のレベルがある、そのレベルよりも高ければ、楽に倒せるのだろう。そして装備も整えないと、自分への痛覚がひどくなるだろう。ここはあくまで現実、例えゲームであっても大怪我をすることもあるのだから。
「まずは、装備を整えないとな。」
現在の【kanata】の装備は革の防具に片手剣。まさしく、初期装備だった。所持金は最初にあった、3000Gだけで、武器を買うとしても、攻撃力が2か3しか上がらないのだ。
「まずは、モンスターを狩りに行くとするか...」
そう言うと、【kanata】は他のプレイヤーの人ごみにまぎれていった。
ーーーーーーーーーーーーーーーーー
「やっぱりWGOすげーなー」
「あぁ、だけどそろそろ昼飯だから、一旦落ちるわ、」
「おう、じゃあまたな!」
「...あれ、俺達、どうやって地球に帰るんだ?」
「え...どうするんだろう...」
その頃、一部のプレイヤーがあることに気付き、戸惑っていた。
ーーーーーーーーーーーーーーーーー
始まりの街付近 草原
今まで気づかなかったけど、右上の方にHPと、MPの表記があるんだな、
【kanata】:male Lv.1
HP 20
MP20
「まぁ、こんなもんか...」
メニュー欄にスキルという項目があったのでタッチしてみると、Attack skillと、Support skillがあった。Attack skillをタッチしても、何もなかったが、Support skillには、Gブースト(超)が追加されていた。スキルの項目の右上に?のアイコンがあったので押してみると、Attack skillは使用時に使うことでMPを消費し、発動、Support skillは常時発動しているらしい。
「そういえば、Gブースト(超)って敵のドロップ金額が何倍にもなるんだっけ、」
とはいえども、どのくらいの効果があるのかは、まだわからなかった。すると、他のプレイヤーの声が聞こえてきた。
「やっぱり全然金貯まんねーなー」
「だってスライム一体につき、3、4Gだぜ、こんなんじゃ全然武器買えねーじゃん」
普通の人はそのくらいか、じゃあ実際にやってみるか、おっ丁度いいところにスライム発見!
「えっと...スライムLevel1か、早速倒しますか!」
スライムは結構前に出ていたドラッグクエストの青い有名なやつではなくて、緑で、目が一つついていた。
【kanata】は初期武器の片手剣を持つと、上からスライムに切りつけた。
「流石に1発じゃ倒せないか...」
スライムのHPゲージが6割ほど減った。すると、スライムは【kanata】のお腹にめがけて思い切りたいあたりしてきた。
「ぐはっ!?......」
見事にクリティカルだった。負けずと、【kanata】もお腹を押さえながらスライムに切りかかった。
すると、スライムは倒れ、けむりになって消えていった。半透明のコマンドが現れ、
ーーーーーーーーーーーーーーーーー
congratulation!
G :150
ドロップ:なし
ーーーーーーーーーーーーーーーーー
と出た。
「...ハァ...ハァ......約50倍ってとこか、すごいな、Gブースト(超)。」
その後、1時間ほど狩りを続け、3000Gも稼いだ。【kanata】のレベルは4に上がっていた。途中2回死んだが、街の教会で復活することができた。
「合計6000Gか、まぁ、これだけあれば武器は買えるな。」
とりあえず、【kanata】は始まりの街に帰ることにした。