第18話 【レストラン強盗】
しばらく投稿できなくてすいません。だが、これからは2日に1回くらいを目安に投稿していくので楽しみにしていてください。
「【極悪非道の大盗賊 アスタロト】か...、確かに最近、風扉攻略組の中でも少し話題になってるやつか。」
「そういえば、攻略組の人でも何人かやられたんだっけ...」
「そうさ、彼の強さは尋常じゃない。例え460レベルのカナタさんでも彼の戦闘技術に敗れると思う。」
「なるほどな......」
戦闘技術か...つまりアスタロトはレベル以前に戦闘技術を応用することで強さを高めているのか。
「まぁ、それはおいといて。第10風扉を探そうぜ。今はまだゴーレムはいないみたいだしな。」
「うん、そうだね。」
「風扉か......
私にも攻略できるのかな...」
「あぁ、ツバキなら充分活躍出来ると思うよ。」
ツバキは俺の知っている限り、俺達2人の次に強い。一緒の攻略組のおっさん達には悪いが、普通にツバキの方が実力は上だろう。
「あ、ありがとう。」
「うん。」
それから1時間ほど第10風扉を探したが、どこにも見当たらなかった。いや、風扉自体は見つかった。そう、それは第11風扉。俺達なら余裕でクリアできそうだが、第10風扉を攻略しない限り、第11風扉は入れもしない。
仕方なく、カナタ達3人はレベリングをすることにした。4時間ほど続け、カナタとエミリンの2人のレベルは30、ツバキのレベルは50ほど上がった。
「そろそろ終わろっか。」
「うん。あぁぁぁ──疲れたぁ~」
「カナタ達ってこんなに続けて狩りやってんのか?」
「あぁ、そうだよ。たまに夜もやる時があるかな。」
「うわぁぁ、マジか...」
「まぁ、その話はおいといて、一旦街に戻ろうぜ。今日は結構稼いだし、新メンバーも加わったからな、豪華なレストランで食事とでも行きますか。」
「「おーー!」」
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第一王都・レストラン街
「カナタ、この店なんかいいんじゃない?」
恵美が選んだのは、貴族くらいしか行けないような超高級レストラン。ファンタジー世界観を崩壊させている黒くて、四角い建物に入っていった。
「な、なぁ恵美...」
「何?カナタ。」
「いや、なんというか......G......足りるか?」
「まぁなんとか足りるんじゃない?」
「そうかなー」
確かに二人合わせれば4.5億Gくらいはあるだろうが、1度も来たことがないため値段の予想がつかない...。ツバキはというと、まるで幼い子供が初めて遊園地に来たかのように、とっても嬉しそうだった。
「いらっしゃいませ。本日は風井財閥グループの高級レストラン【メルシー】へようこそ。三名様ですね。ではあちらの席へご案内します。」
執事の格好をしたおじさんがカナタ達を席へ案内した。周りを見てみると、やはり貴族くらいしか来ていなかった。
ってか、風井グループって……
「ではこのメニューからお選びください。決まった場合は、近くにいるスタッフに申し上げください。では…」
そう残した後、執事のようなおじさんはカウンターの方へ歩いていった。店内はシャンデリアに、とても座り心地の良い椅子、円状の机などがたくさんあり、なんというかとても豪華だった。
「はい、カナタ。どうしたの?ボーッとして...」
「あぁ、悪い。なんか店内が豪華すぎて少し見とれてて…。」
「まぁ、確かに豪華だよね。現実では多分こんな店には入れないと思うなぁ。」
とりあえずメニューを開いてみると、画像と共に商品名が書いてある。ごく普通のレストランとあまり変わらないメニューの構成だった。...が、内容はというと、最初のページにフルコースがあり、それぞれAコース、Bコースと二つに分かれていた。ちなみに値段はAコースは250万、Bコースは200万だった。他にも色々商品はあったが、やっぱり〇〇コースって書いてあった。
「結構お金は足りそうだな。」
「ほらぁ、なんとかなったでしょ?」
「まぁな。」
「じゃあ俺はAコースを頼もうかな。」
「私もAで。」
「2人がそうするなら私も...」
バリッ!!
「「「ッ?!」」」
彼女が言い終わった瞬間、店内の窓ガラスが割れた。それに動揺し、貴族達は「キャー」などと声をあげている。
ガラスが割れた方から人影が見えてきた。1、2人どころではない、多分十数人いるだろう。
そしてその中から、剣を構えた人......いや、プレイヤーが現れた。
「おい、この店の金を全て出しやがれ。お前らは完全に、この盗賊ギルド【グレード・チーフ】団に包囲されている!」
「【グレード・チーフ】団...だと!?」