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漆黒の一流剣士の冒険記  作者: 仲下 颯真
WGO《盗賊ギルド》編
17/30

第17話 【盗賊ギルドの過去】

「人を傷つけた罪......」


赤髪の少女は下を向きながらまるで何かトラウマがあるかのように怯えていた。


「罪だと...?貴様、言わせておけば!!」


「やめろ!!」


ツバキさんは叫び、男性プレイヤーを止めた。


「ツ、ツバキさん」


辺りはシーンとなった。数十秒の沈黙が続き、やっとツバキが口を開いた。


「人を傷つける...それは最低なことだ。そして、それに気ずけなかった私達はもっと最低だ。」


「「「ツバキさん...。」」」


まぁこれで一件落着ってとこかな。


「じゃあ俺達はそろそろ行ってもいいか?」


「......うん」


その返事を聞き、俺達は再び風扉ウィンドゲートを探すことにした。


「ま、待って...」


「ん?...どうした恵美...」


「いや、ちょっとあの子が気になって...、きっと何か過去に私たちと同じようなトラウマがあるんじゃないかな...」


「あぁ、多分、あの子は過去に何かあったんだよ...【人を傷つける】に反応したって事は......、いや、本人に聞いた方が早そうだな。」


俺達は振り返り、まだどこにも行っていない事を確認し、俺達はツバキに声をかけた。


「ツバキ、もし良かったらだけど、一緒のパーティに入らないか?」


「「......え?」」


何故か恵美も少し驚いていた。すると、恵美はひそひそと俺にしか聞こえないくらいの声で...


「ちょ...ちょっと、なんで仲間に誘ってるの?」


「いや、打ち解けてから聞いた方がいいかなと...」


「あ、あぁ、なるほど......」


「「「ちょっと待て、ツバキさんは...」」」


彼女は少し考えて、そして決意したかのようにこう言った。


「いや、いいんだ......皆。カナタ、よろしくな!」


「「「ツバキ...さん...」」」


「あ、あと、私、その盗賊ギルド辞めるので、彼に言っておいて。」


「「は、はい」」


彼らは少しざわついた後、その場を去っていった。


「ツバキさん、そういえばレベルはどのくらい?」


「私のレベルは302だ。それと、ツバキでいいよ。」


最近第一王都に到達したのは十数人程度、俺達2人を除いても最高は300くらいだったような。まぁいいか。


「あと、もう一つ聞いていいか?」


「な、なんだ。」


「なんで盗賊ギルドに入ってたんだ?やっぱりお金目当てか?」


「違う。本当は最初は盗賊ギルドでは無かったんだ...」


ーーーーーーーーーーーーーーーーー

2050年 7月1日始まりの街にて


「なぁ、一緒にギルドを組まないか?」


私は、たまたま仲良くなったプレイヤー達とギルドを組むことにした。ギルドの名前は【グット・カムラーズ】、その意味は《いい仲間達》。そして、私達はある決まりを作った。皆仲良くやること、裏切らないこと、そして【人を傷つけないこと】。彼らは普通のプレイヤーと同じくらいの強さだったが、ログアウトできないという状況でも明るく、そして楽しくこのWGOゲームを楽しんでいた。


それから数日間、狩りやクエストをする毎日、結構充実していた日々だった。数少ないギルドでもこのギルドはこのWGOの中で一番のギルドじゃないかってほどだった。


風扉ウィンドゲートが初めて攻略された時、私達はもっと強くならないとなって思ったんだ。


そんな【グレード・カムラーズ】の所に1人の入団希望者がやってきた。私はギルドに入って来てくれる人が出てきて嬉しかった。だが、彼は入団直後にこう言った


「ツバキさん...だっけ、ギルマスをかけて勝負してくんないかな。」


「「「なっ...?!」」」


「いきなりギルマスかけて勝負か、いいんじゃないか?入団テストもかけて勝負だ。」


「ありがとな、ツバキさん。じゃ、早速やろうか。」


私はメニューから決闘デュエルを選択し、彼に挑んだ。だが、負けた...。負けてしまったのだ。そして彼がギルマスになり、このギルドを壊していった。ギルド名を変え、盗賊ギルドになり、人々を倒し、金を奪っては、彼自身を強化していった。私も従うしかなく、副ギルマスということになった。


そして彼は被害を受けた者や、ギルドのメンバーからこう呼ばれるようになった。





盗賊ギルド【グレード・チーフ】団を操る【極悪非道の大盗賊 アスタロト】と...

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