第11話 【第2風扉攻略】
「レベルは...40か...」
風扉の上に表示されているレベルは40、そして俺達のレベルは何時間かレベリングをしたおかげか53だった。
現時刻は12時すぎ。たとえ、今日攻略するとしても夕方くらいでいいだろう。とにかく今は自分達の強化と人員確保だ。メニュー欄からコミュニティ→フレンド→フレンド一覧を開いた。そのプレイヤーの欄では、前回の第1風扉でお世話になったプレイヤー達、エミリン、そして...
[GM] kazei level ??
GM?なんでフレンド一覧にいるんだ...。いや、そんな事はどうだっていい。いまはとりあえず人員確保だ。昨日、一緒に戦った中で盾装備の人は...
「2人で攻略してみませんか?」
「え?」
急なエミリンの発想に少々驚いてしまった。しかし2人だとちょっときついだろうな。火力的に...
「エミリン、2人だと...」
「それは承知のうえでです。それにちょっと確認したいことがありましてね。ラストアタックボーナスってあったじゃないですか。それってギルドの時には1人しか貰えないとするとパーティーの時はパーティ全員が貰えるんじゃないですかね?」
「なるほど...。確かに一理あるかもな。」
昔、俺がよく友達とやってたMMORPGでボス戦で戦う時、大体4人パーティが4つ、合計16人で戦うことがあった。そしてそのゲームにもラストアタックボーナスってやつは存在していた。その内容は最後にプレイしたプレイヤーが含まれるチームに報酬がそれぞれ貰えるというものだった。
「じゃあやってみてもいいが、その前にレベリングだ。でないと多分やられる。攻略は夕方からでいいか?」
エミリンは嬉しそうに「はい!」と答えた。それから約4時間ほどレベリングをし続け、俺達は73レベルになっていた。
「じゃあそろそろ行くか。」
「はい」
俺は第2風扉の扉を開けることにした。前回、思いきり力を入れて開けたが、実際はゆっくりとしか開かないと言うだけであまり力を入れなくても普通に開いた。
入ってみると前よりもゴツゴツとした岩の洞窟のダンジョンだった。
「ここが第2風扉か...」
何というか、足場が悪い。こんなところで敵と戦うとなると結構きついかもしれない。
「うぉっ!?」
バタッ
「いたたた...ついこけてしまった...」
「だ、大丈夫ですか?」
エミリンは、手を差し出しながらこう言った。
「あぁ、ありがとう」
その手を取り、なんとか起き上がる。その時、何かが走ってくる気配がした。
「来るぞ!」
俺達は戦闘態勢に切り替え、それぞれ武器を構えた。
こちらに向かってきたのは、森にいたウルフよりも一回り大きく、牙や爪がとっても鋭くなっている狼の化け物のようなモンスターが現れた。
「【フレイムカッター】!」
赤い斬撃が、《ハイウルフ》に向かって飛んでいる......が、《ハイウルフ》は、いとも簡単にそれを避けた。
「速い!」
エミリンも【メラ】という火の魔法を打っているが全て避けてこちらに向かってくる。
「あれを使うか。」
そう言うと、フレイムソードを地面に刺し、「【フレイムカッター】」と言った。そう、フレイムソードを地面に刺すことで【フレイムカッター】は行き場を失いフレイムソードに纏うのだ。
ハイウルフは走っている勢いを殺さずに、跳び、俺に噛みつこうといてきた。大きな口を開けたところで...
「今だ!!」
俺は剣を横に持ち、一気にハイウルフの体を真っ二つにした。ハイウルフはそのまま燃えて、煙になり消えていった。
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congratulation!
G:6000
ドロップ:なし
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やっぱりGが結構増えてる。これが200倍の力か...。やっぱりすごいな。
「すいません、全然役に立てなくて...」
「あぁ、大丈夫だ。まだ全然消耗もないからな。」
「だといいんですが...」
そんな話しをしながら、俺達は第2風扉を攻略していった。
30分ほど歩いた頃に遂にボス部屋に着いた。道中ハイウルフも何体か出現したが、同じ手順で倒していった。
「ちょっとskillを取っててもいいですか?」
「あぁ、俺もちょっと取りたいのがあるからな。」
現在のレベルは75。今まであまりスキルを取ってなかったのには少し理由がある。それは二つあって、Attack skillはこのフレイムソードさえあればいらないということ。そして俺は【オートリバイブ(大)】という自然回復のスキルを取るためだ。
「私は準備万端です!」
「あぁ、いっちょやってやるか!」
こうして、第2風扉のボス攻略が始まった...。