表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
65/66

第六十五話 VSゲッ光その3

「グェッ。なんだ今の攻撃……」


 ゲッ光は躊躇している。

 早く光れ。俺の右手。

 俺の願いが成就したかのように、右手が輝く。

 光った!

 よし!

 なんか今日は光りやすいな。

 何か条件があるのか?

 一番ありそうなのは、相手とのレベル差だが。

 相手のLV高いときでも、光らなかったことも多いしな。

 謎だな。


「十文字切り 二連携、二回攻撃

 BP+五〇〇 なの」

「さっきの俺の技は?」


 俺とフェリリは、小声で話す。


「技覚醒で使ったスキルは、調べても不明みたいナノ」

「そういうもんか。強力な分、デメリット効果とかなきゃいいけど」


 ゲッ光が、こちらににじり寄る。


 ゲッ光  LV一二〇 HP五二七〇/一〇〇〇〇 BP一〇〇〇〇

 ヤキソバ LV 三五 HP 五〇五〇/八〇五〇 BP七三五〇


 さっきの技をもう一度……

 シャインブレイク、シャインソードのどちらかで発動したように見えた。

 両方言っとけば間違いねえか。

 さっきの攻防の感じだと、十文字切りは一撃目を弾くと二撃目は出ない。

 いける。


「いくぜ! シャインブレイク、シャインソード――」

「グェッ。気合ため、剣!」


 何かやばい!


「――クリスタルブースト、三千!」


 俺の魔源クリスタルが強光し、服の下から漏出する。

 やがて、そこから黒いほこりが滲み出て、俺の剣に流れてゆく。

 BP二〇三五〇まで上がる。

 ゲッ光に 六五九〇ダメージ。ゲッ光を倒した。


「グェッ。なんてこった……」


 ゲッ光は、黒いほこりと化してく。


「グェグェッ。ガリベン様、ゲッ光の奴が……」

「グルル。やられちまいましたよ……」

「落ち着け。お前らは、ゲッ光より強い。二人がかりなら楽勝だろう」

「グルル。分かりました」


 くそっ。

 今度はふたりがかりかよ。

 アホみたいに、ひとりずつ来いよ。

 俺は周りを見まわす。

 ララさんとリリさんは避難したのか。よかった。

 二人のトカゲが、こっちににじり寄る。

 まずいな……と、その時――背後から声がした。


「ヤキソバさん! お待たせしましたデス」


 テッシちゃんが姿を現した。


「テッシちゃん、来てくれたんだね。でも今はパーティ、組めないんだよ……」

「だいじょぶデス。一緒に逃げましょうデス」

「あいつら足が速いから、逃げられないんだ」


 俺がそう言うと、テッシは俺とフェリリを掴んだ。


「もう時間です。いきますデス」


 テッシがそう言うと、俺の体は浮いた。

 これはテレポだ。

 テレポ効果で浮いている。

 俺たちは猛スピードで、路上を飛んでいく。

 トカゲ二人が、俺たちを必死に追いかけるが――追いつけずに、引き離されていき、やがて見えなくなった。


「これは?」

「テレポ屋のテレポですよ。時間による強制効果で、引っ張ってるデス」

「そういえば、テレポ屋のテレポは、戦闘があっても効果があるんだったね」

「ダンジョンの戦闘が起こった場所で、

 生き埋めになったら困りますデスからね。

 強力な効果です」

「でもテッシちゃん。これでテレポ屋に逃げても、敵に居場所がバレバレなんじゃ」

「その辺は大丈夫デスよ。ちょっと遠回りしてきたです。最初に敵から逃げた方向とは、逆のテレポ屋に逃げるデスよ」


 テレポ屋は何軒もあるのか。

 知らなかった。


    ◆ ◆ ◆


 テレポ屋の一室に着くと、テレポ効果は解除される。

 俺はどっと疲れて、腰を落とした。

 テレポ屋にはマヤもいて、俺を見るが、なにも言わずに黙っている。

 なんだよ。

 なんか言えよ。


「今度からは、相手に喧嘩売るときは、わたしも連れていくデスよ」


 テッシちゃんが笑う。


「ああそうだね。悪かったよ。そう言われると、なんか救われた気分だよ」

「それにしても今頃。あの辺一帯は、ガリベンたちによって荒らされてるんデスかね。後で謝らないとデス」


 みんな、怒ってなくてよかった。

 正直、そう思った。

 ほっとした、つかの間――

 俺たちのいる部屋の扉が、勢いよく開け放たれた。

 ドアノブが、壁に叩きつけられる。

 そこには、槍を持ったトカゲが一人。


「グルル。やっぱこっちが正解か。俺の感はよく当たるぜ」


 くそっ!


「グルル。俺たちから、逃げられると思ったか?」

「ヤキソバさんパーティです。パーティを組むデス」


 俺、テッシ、マヤ、フェリリの四人は手を挙げ、パーティを組んだ。


「グルル。俺の名はゲッ下。三人になったからって、勝てると思うなよ。じきにゲッ天も来る」


 結局戦うことになっちまったか。

 でもなんだろう。

 四人になった途端、気分が全然違う。

 正直、負ける気が全然しねえぜ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ