第五十四話 ガッツの塔1階 VSまんぐローブその2
まんぐローブのところへ、俺は走った。
「二枚おろし! すずめの涙突き! なで切りキャンセル、暴飲暴食!」
ヤキソバの二枚おろし、ぐローブに 九一三ダメージ。
ヤキソバのすずめの涙突き、ぐローブに 八〇五ダメージ。
ヤキソバの暴飲暴食、ぐローブに 一六一七ダメージ。
ぐローブ LV五〇 HP 一六六五/ 五〇〇〇 BP三〇〇〇
ヤキソバ LV二六 HP 五九六〇/ 五九六〇 BP三四六〇
カゲヤマ LV二六 HP 五七〇〇/ 五七〇〇 BP三二〇〇
ウェイブ LV二五 HP 五五〇〇/ 五五〇〇 BP三五〇〇
「よし! あと一ターンで勝てる」
ん?
「カゲヤマさん。そういえば何もしなかったような……」
「わしは電撃のときに、避難しておった。
そしたら、敵の技をキャンセルし始めて、ポカーンってしておったんじゃ」
「ポカーンじゃないですよ、クラス怠慢じゃないですか……」
「すまんのう、すまんのう。
おお、次のマジックくるみたいじゃぞ」
ぐローブは電撃球をくり出した。
学習しない樹木だ。
「は~い、キャンセルハンド~」
電撃を打ち消す右手。
俺は突っ込んだ。
「ブラキャン、力の護符じゃ」
札が樹木へ飛び。ななめに張りついた。
「二枚おろし!」
木の葉をかき分けて、つるぎがヒット。
「ブラキャン、減小の呪符」
「すずめの涙突きだ!」
ヤキソバの二枚おろし、ぐローブに 一二五三ダメージ。
ヤキソバのすずめの涙突き、ぐローブに 一五一八ダメージ。
まんぐローブを倒した。
ふう。たおしたか。
視覚化の表示をみて、一息いれる。
「力の護符ってのは? 新技ですか?」
「そうじゃ。フェリリ殿、解説よろしくじゃ」
「力の護符 キャンセルスキル レンジ四
BP+〇 二ターン、対象の与えるダメージを一/三増やす
守りの護符 キャンセルスキル レンジ四
BP+〇 二ターン、対象の受けるダメージを一/三減らす
減小の呪符 キャンセルスキル
レンジ四 BP-二〇〇〇 攻防中、対象のBP-二〇〇〇
下降限界七十%(相手のさげられるBPは、相手の初期BPの七十%になるまで) なの」
「減小の呪符は、注意して使わないと危険ですね」
「そうじゃのう」
「では進みますか」
「塔の内部は、わたしがマッピングするナノ」
「よろしく~」
俺たちは塔を進んだ。
階段があり、上がった。
「『キャンセルスキル』と『リムーブスキル』が紛らわしいって言ってたけど。
『リムーブスキルで、相手のスキルを消す』のは『キャンセルスキルで、自分のスキルを消す』のと、しくみは同じらしいからね~。
自分か相手か。ってだけで」
「つまり、キャンセルスキルってのは『自分のスキルをキャンセルして、ブランクベースにする』その空いたブランクベースに『キャンセルスキルを入れてる』ってことですか?」
「たぶんそんな感じだよ~」
分かったような、分からないような。
『お兄ちゃんー』
おおっと。
ポケットの中の声で、あたふたしながら、携帯魔話器をとりだす俺。
「はいはい俺です。マヤ、今はまずい。敵が出るかもしれないからな」
「実況するっていったじゃん。ハンズフリー設定にしてよ」
そんなのできるのかよ。
「ちょっと貸すナノ」
魔話器をとりあげるフェリリ。
フェリリはいじくる。
「できたナノよ」
フェリリは、俺に魔話器を返した。
「これ箱に入れても大丈夫か?」
「大丈夫なの」
俺は聞くなり、箱に入れた。
「もしもしー聞こえる?」マヤが言った。
「聞こえるぞ」俺は答えた。
「わたし、もう三階にいったよ」
「マジかよ」
まんぐローブが現れた。
戦闘態勢に入る、俺とカゲヤマとウェイブ。
「まじまじ。スクロールも使ってないよ」マヤが言った。
「てっきり、無駄に打ちまくってると思ってたよ」俺が言った。
「そんな風に、お金の無駄づかいはしないよ!」
「ダサねずみに、使ってたじゃねーか」
「それだけだし。それはそれ、これはこれだよ」
「二枚おろし! すずめの涙突き! なで切り!」俺が言った。
前回の戦闘のパターンで倒す俺。階段だ。
「おい階段みつけたぞ。俺も三階だ」
「三階はびみょーにめんどーだよ」
「まじかー」




