第五十三話 ガッツの塔1階 VSまんぐローブ
「まんぐローブ LV五〇 HP五〇〇〇 BP三〇〇〇
ローブを着た、きどった樹木の魔法使い。
火もダメだし、寒いのもダメ。
持ってる杖は、自分の体の一部を削りだして作ったらしい。まさにお手製。
頭の中には毛虫がいるから気をつけろ! なの」
まんぐローブが体をゆらしながら、こっちに向かって来た。
「フェリリ。俺の覚えた、『新スキル』を教えてくれ」
フェリリは返事をすると、巻物をつかって調べはじめた。
「すずめのなみだ突き
BP+五〇〇 与えたダメージ分、魔源クリスタル補充
クリスタルブースト ブーストスキル
使った後に数字を言うことで、身に着けている魔源クリスタル内の、魔源を消費し
『消費したクリスタル』÷一〇だけ、BPを上げる(最大BP+五〇〇〇まで)
暴飲暴食 キャンセルスキル
BP+二〇〇〇 敵にとどめを刺すと
自分がその敵から取得したすべての魔源(経験値)を、魔源クリスタルに補充 なの」
「色々覚えてるのう」
「ブーストスキルってなんだ?」
「キャンセルスキルみたいに。『技名』+『ブーストスキル名』で使えるスキルなの、ちなみに『キャンセルスキルにブーストは不可』なの」
「おう、ありがと」
消費したクリスタル÷一〇?
五〇〇〇ブーストしたら、五〇〇〇〇クリスタルか?
つかいたくねーな……
「いっときますけど。俺はクリスタルブーストは、使いませんからね!」
「使わなくても、きっとなんとかなるよ~」
まんぐローブが、頭をふっている。
「毛虫じゃっ」
みると、まんぐローブの頭から、毛虫が飛び出てくる。
毛虫は外に出ると、空気を吸いこんだ、風船のようにふくらんでいき、体長五〇センチの巨大な毛虫になった。
毛虫は、後部ちかくだけを地について、立ち上がった。
通路で一方通行だから。
これを無視するのは、ちょっと無理かな。
「ケムケム LV二〇 HP一〇〇 BP五〇〇〇
なんの攻撃技も持たない。HPも低い。が、攻撃力は高い。
まんぐローブが足どめ用に飼っている。 なの」
「わたしが敵の攻撃を、ふせぎます~。わたしの後ろにいて、離れないで下さい~」
「分かりました」
毛虫が近寄って来た。
と、同時に、まんぐローブがマジックの構えに入り、ウェイブは槍を左手に構えた。
「わたしが、敵のマジックをふせぐよ~。ケムシはよろしく~」
「壁になってくれて、ありがとうございます!」
「ヤキソバ殿はさらにわしの壁じゃな。二重壁じゃ!」
対抗してんのか? それ?
毛虫がおそってくる。
「二枚おろし!」
ケムケムに 五四二ダメージ。倒した。
敵のマジック。電撃の球だ。
電撃がゆっくりと近寄って来た。
「チェイン・ショックボール レンジ四
BP八〇〇〇でこうげき
攻撃をうけると、一レンジの範囲で、周りに連鎖する。
連鎖でひとりが、二度以上ダメージを受けることはなく。
連鎖するごとに、BP-二〇〇〇ずつされていく。 なの」
「つまり、ウェイブさんが攻撃うけたら。一レンジ内にいる俺も、BP六〇〇〇でダメージをくらうってことかよ」
「更にわしも、BP四〇〇〇で攻撃をくらうのかのう」
「大丈夫だよ~。消すから」
消すって?
ウェイブはいうと、右手を前に向け「キャンセルハンド~」右手が光り、電撃球に触れると、敵のマジックはかき消えた。
「キャンセルハンド キャンセルスキル レンジ一 半連携
BP+〇 ふれた対象のスキルをキャンセルして
『対象のスキル使用者が、対象のスキルを使ったベース』を、ブランクベースにかえる。
【条件】
『スクロール以外』
『対象のスキル使用者のBPが、自分のBP以下』
『対象のスキル使用者と自分の距離が、レンジ二~四』 なの」
「マジックで『BP~でこうげき』のスキルは、『本体のBPが、上がってる訳じゃない』んだよね~。
だから、わたしのBPが相手以上なら、消せるよ~」
なるほど条件つきで『相手のスキルを無効化』することができるのか。
「ちなみに、『相手のスキルを、キャンセルするスキル』は『リムーブスキル』っていうよ~」
「なんか紛らわしいな」




