表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
48/66

第四十八話 冒険者協会支部

「なんで、セレクターってわかったナノ?」


 俺とフェリリは、小声で話した。


「セレクターって、なぜか理由もなく、冒険者になりたがる気がするからな」

「あんなに、態度がやる気なさげなのに、ってことナノ?

 アンニュイ系女子な、だけかもしれないよ?」

「あと、口調もそれっぽいし。

 まあ、結局そんなやつは、いくらでもいるだろうから勘なんだけどな」

「それにしても、あんな子を入れて役にたつナノ……?」

「どうだろうな。

 テッシちゃんみたいに、時間帯や戦闘中で性格が変わる、

 バトルジャンキー系かもしれないし」

「違うナノ!

 テッシちゃんはサディズムなの!

 テッシちゃんにチクるナノ!」

「なんでもいいけど、さそってみようぜ。

 あとテッシちゃんには言うなよ。うっかり言っただけだからな」


 フェリリと話していると、バタバタと妹が走りよって来た。


「お兄ちゃん助けてよ。あいつ、のらりくらりなんだよー」

「マヤ。俺はあの人を、パーティにいれることにしたから」

「えー」

「ありがとね~」

「そのかわり、ちゃんと戦ってもらいますからね。

 お名前きいても、よろしいですか?」

「ウェイブだよ~」

「よろしくお願いします」

「よろしく~」

「ステータス鑑定とか、あるんじゃのう」


 カゲヤマさんが、冊子をみている。


「やってみますか?」

「ステータス鑑定したら、みんなの前で発表やってくれよ」ロンゲだ

「冒険者の初心者は、みんな通る道なんだぜ。へへへ」スキンヘッドだ。

「なにそれ面白そう。お兄ちゃんやってもいい? 私目立っちゃうかも」

「やりたいならいいぞ。

 俺は鑑定終わったら、上の売店いってくるから」

「分かった。今のうちにこれをわたしとくね」


 マヤは俺に四角のマシーンを見せた。


「なんだよこれ」

「これは携帯型の魔話器だよ。これでお兄ちゃんといつでも話せるね!」

「なるほど」


 なんか監視されてるみたいで、こういうのって正直、苦手だけどな。

 俺はみんなで、鑑定を受けたあと、パーティメンバーに断って、冒険者協会の売店に行った。

 売店にいくと。

 元、三つ編みのお姉さんがいた。


「こんにちは」俺は声をかけた。

「こんにちは。調子はどうですか?」お姉さんがきいた。

「なかなかですね。今日は初クエスト受けることにしました。いよいよ冒険者って感じですね。お姉さんは休憩中ですか?」

「そうですね」

「お疲れ様です。それから、今日はステータス鑑定ってのを、やってみたんです」

「あー、ありますね鑑定。鑑定はこまった人たちがいて、何度、注意しても発表会をやるんです。騒いじゃって、ほかの人たちの迷惑だし。本当にこまった人たちです」お姉さんはうなだれた。

「そういえば、妹がやるっていって。鑑定書をわたしましたね」

「えっ。まずいですよ……」

「まずかったですかね。さらし者ですか? ステふりのステータス補正があるし、そう低くはないでしょ?」

「だからですよ。セレクターは、べらぼうに高い数値が出るから、怪しまれますよ……」


 マジかよ……。

 俺は携帯魔話器をかけた。


「んー? お兄ちゃん?」

「俺、俺。ステ鑑定の発表会は中止してくれ。オッケー?」

「もう始まったよー。間に合わないね。じゃ切るねー」


 切り音とともに通話は途切れた。

 ……なんで切るんだよ……!

 あいつ目立ちたいだけだろッ!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ