第四十話 VSトローフガーゴイルその3
俺は呆然としていた。
終わった……
俺は、はいつくばりながら、ガーゴイルを見上げていた。
だがそのとき、後ろから声がきこえた。
「灰じんと化せ――パイロフレイムセカンド! パイロピラー!」
俺はふり返った。
マヤさんだ。
マヤさんは唱え終え、つづりの一番下の一枚をやぶりとり、右手でにぎりつぶした。
「やっぱり、このパーティはわたしが主役だね!」
右手の中で、スクロールは青白い炎をはなち。
燃え尽きると、ガーゴイルの真下から炎が湧き上がった。
ガーゴイルは水のたてを出すが。
炎はものともせず、ガーゴイルを包み。
敵は無個性なさけび声をあげながら、ドサリと地におち黒ずんでいく。
「せ、セカンド?」
「うん! セカンドスキルだよっ!」
「なんだよそれ」
「セカンドスキルは、『連携に参加したとき使ったスキルの回数』を一定回数以上、使用した戦闘で、使えるスキルだよ。」
「パイロピラー マジック セカンドスキル
パイロフレイムのセカンドスキル。パイロフレイムを二回で発動可能。
BP二一〇〇〇でこうげき レンジ四
対象の周囲二レンジ、上四レンジで、円柱状に範囲こうげき ナノ」
マヤのパイロピラー、ガーゴイルに 六九三〇ダメージ。
ガーゴイル LV七〇 HP 〇/一四〇〇〇 BP六〇〇〇
ヤキソバ LV一九 HP 〇/ 四二九〇 BP二六三〇
テッシ LV一九 HP 〇/ 三七二〇 BP二七七〇
カゲヤマ LV一九 HP 〇/ 四一〇〇 BP二五〇〇
マヤ LV一三 HP 二六四〇/ 二六四〇 BP一一七〇
なんとか勝ったか……。
「ありがとうございました、マヤさん。助かりました」
「へへーん。これパイロフレイムのスクロールを買ったときに、一枚おまけでついてきたんだよね。MP消費も一五〇〇くらいするんだ。すごいでしょ」
「みんな、セカンドスキルって知ってました?」
「スクロールはお金かかるから、前のパーティだと使ってなかったのう」
「わたしも、知らなかったデス」
「セカンドスキルはマジックだけじゃないけどね。まあ、これではっきりしたね」
「なにがですか?」
「わたしが、さいつよだってことだよ!」
「じゃあ、ギルマスやります?」
「めんどーなので、それはいらない……」
「そっか……」
「とりあえず早く帰らないと、またモンスターが来たりするんじゃないかのう」
「ですね、早くかえりましょうデス」
俺たちは、早く帰ることにした。
最後の活動不能かいふく薬は、俺につかい。
俺がカゲヤマさんを背負う。
テッシちゃんは、ほふく前進で町まで移動してくれる。
マヤは荷物とカンテラ係になった。
俺たちは、無事にボイコット町についた。
ここまでくれば、おそらく、もう平気だろうか。
町の門につくと、門のうえで大きな影がみえた。
これが、さっきの魔道砲か。
「俺、魔道砲の人に、ちょっとお礼にいってくるわ」
「わたしもいきますデス」
「そうじゃのう」
なんだかんで、みんなで行くことにした。




