第三十六話 VS棒っすトロールその2
トロールが歩いてくる。
もう目のまえだ。
「いっくよー」
マヤさんはスクロールを読みはじめる。
俺はステータスを確認する。
トロール LV六五 HP九〇〇〇 BP五〇〇〇
ヤキソバ LV一三 HP三〇三〇 BP二〇三〇
テッシ LV一三 HP二六四〇 BP一九七〇
カゲヤマ LV一四 HP三〇〇〇 BP二〇〇〇
マヤ LV 二 HP 四六〇 BP 一八〇
トロールは二本の木のぼうを、
俺とテッシちゃんにむかって、同時にふりおろす。
「わわっ!」テッシちゃんは、おどろきの声をあげる。
「二枚おろし!」
「ぶ、ブランクキャンセル、ぶっ叩きデス!」
「ブランクキャンセル、減退の呪符じゃ」
俺のBPが一〇〇〇、テッシのBPが四〇〇上昇。
そして、敵のBPが五〇〇減少する。
「ダブルノック キャンセルスキル
BP+〇 二ヵ所に同時攻撃 なの」
俺の攻撃は弾かれ 一〇二八ダメージ
テッシの攻撃も弾かれ 一二五〇ダメージ
「おいおい、ヤバいだろ、これ」
「わしから順番に回復しよう、
テッシ殿!
わしはテッシ殿を、テッシ殿はヤキソバ殿を」
「わかりましたデス!」
「ブランクキャンセル、治癒の護符、テッシ殿じゃ」
「ブランクキャンセル、ブレイブヒール、ヤキソバさんデス」
テッシは 三二二回復。
ヤキソバは 六〇三回復。
トロール LV六五 HP九〇〇〇/九〇〇〇 BP五〇〇〇
ヤキソバ LV一三 HP二六〇五/三〇三〇 BP二〇三〇
テッシ LV一三 HP一七一二/二六四〇 BP一九七〇
カゲヤマ LV一四 HP三〇〇〇/三〇〇〇 BP二〇〇〇
マヤ LV 二 HP 四六〇/ 四六〇 BP 一八〇
俺たちは、いったん、下がって距離をとる。
「連続攻撃はないようだね」
「みたいデスね」
「ふたりで、攻撃をうけるのは、得策じゃない。
テッシちゃんは下がって、うしろで援護してほしい。
俺が攻撃を引きうける。
テッシちゃんはそのあとで、トロールをノックバックをさせて」
「わかったデス」
テッシちゃんは少しさがる。
トロールが近づく。
木のぼうをふり上げ、二本の木のぼうをあわせて、両手でもち――あれ?
「二枚おろし!」俺は、左からのフルスイングを剣でうけた。
「ブランクキャンセル、減退の呪符じゃ」
雷光がはじける。
俺は右側へ、かなりの距離、ふっとばされる。
「いってーな」
「ブランクキャンセル、ブレイブヒール。
対象はヤキソバさんデス――そして、ブランクキャンセル、ぶっ叩き!」
俺のもとに、回復の光がまとわりつく。
トロールに、テッシちゃんのBPアップからの、
ぶっ叩きのコンボがはいる。
なんだよ。
いまのトロールの攻撃は……
「トロールのダブルノック
BP+五〇〇〇 ノックバック、左に四レンジ なの」
マジかよ。
すげえ威力だな。
俺はHPを確認する。
トロールに 二九五ダメージ。
ヤキソバに 四八三〇ダメージ。
トロール LV六五 HP八七〇五/九〇〇〇 BP五〇〇〇
ヤキソバ LV一三 HP 〇/三〇三〇 BP二〇三〇
テッシ LV一三 HP一七一二/二六四〇 BP一九七〇
カゲヤマ LV一四 HP三〇〇〇/三〇〇〇 BP二〇〇〇
マヤ LV 二 HP 四六〇/ 四六〇 BP 一八〇
えっ、俺のHPゼロじゃねえか……
「――燃えさからんことを! うてるよー」
「貫通ですので、そのまま、撃って下さい!
いまはパーティなので、わたしは攻撃をうけないデスから!」
「はーい。パイロフレイム!」
円柱のほのおが、トロールをおそう。
トロールに 五三二〇ダメージ。
「あれー? たおせない。
ネズミはあんなに、ダメージくらったのに」
「ダメージは、相手のBPで減少するんですよ!」
「へー、そうなの?」
知らないのかよ!
スクロールとか使ってるから、てっきりくわしいのかと。
俺はトロールをみる。
すると、ヤツは木のぼうをふりかぶり――。
「えっ? なんだ?」
そのまま、ぼうをマヤさんへ投げつけた。
「いったーい。なにー?」
トロール LV六五 HP三三八五/九〇〇〇 BP五〇〇〇
ヤキソバ LV一三 HP 〇/三〇三〇 BP二〇三〇
テッシ LV一三 HP一七一二/二六四〇 BP一九七〇
カゲヤマ LV一四 HP三〇〇〇/三〇〇〇 BP二〇〇〇
マヤ LV 二 HP 〇/ 四六〇 BP 一八〇
えっ……おいおいおいおい……
「なんか、立てないんだけど……? コシがぬけちゃったかな?」
「まずいのう……まずいのう……」




