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第二十九話 VS幽霊船その2

 俺たちは、なんかいか、

 スケルトンとも戦いながら、洞窟をすすんでいく。

 すると、なにかが鉱石の発光に照らされ見える。


「なんだ?」


 近づくと、それは木製のカンバンだった。


「『このさき、ドワーフの町』って書いてあるのう」カゲヤマさんは、カンバンに顔を近づけて読む。

「町があるのか。

 しかし、道がふさがれていたことに、気がつかなかったんですかね?」

「ドワーフのひとたちは、だれも、出入りしなかったんじゃない?」フェリリが、頭のうしろで

手を組んで言う。


 誰も出入りしない……

 なんかちょっと前世をおもいだすな……


「ドワーフって、どんな、ひとたちなんですかね?」

「ドワーフは、とっても友好てきな、ひとたちみたいナノ」フェリリが、巻物でしらべて言う。カンバンもウェルカムな感じだし、そうなんだろうな。

「それなら行きますか?」

「さんせいデス」


 俺たちは、ドワーフの町に向かうことにした。

 そのうち、だんだんと、道はせまくなる。

 ふたりがなんとか、ならんで歩けるほどだ。


「……結構あるくなあ」

「わしはもう、ヘトヘトじゃ……」

「ちょっと休んでいきますか?」

「そうするかのう」


 カゲヤマさんは、手ごろな岩を見つけ、それに腰かけた。

 俺はなんの気なしに、ドワーフのほうをみる。

 すると、通路の奥から、青白い炎につつまれた幽霊船がやってくるではないか。


「マジかよ……」


 俺は絶望した。

 このせまい通路では、すれちがうことも、かなわないだろう。


「……ここまできて、戻れるかよっ!」


 俺は、幽霊船につっこんでいった。

 しかし、青白い炎にはばまれる。

 くっそー、近づけない。

 しかし、弾力があって、ブヨブヨしてるなこの炎。

 腕や剣は入るし、いっそのこと、剣を投げちまうか?

 いや、取りにいけなくなる可能性が高いか。


「ヤキソバさん!

 ぶっ叩きで、ヤキソバさんをふっとばします!」


 テッシちゃんは、ヘビー棒をもって走ってくる。

 え?

 本気かよ……?

 しかし、棒は俺にあたる前にはじかれる。


「パーティだから、当たらないみたいじゃのう。

 戦闘がおこったから、パーティから外れることもできん。

 どうしたもんかのう」

「そうだ!

 シルバーソードの『飛びこみ切り』が、あったじゃねーか」


 俺は幽霊船にむかって、飛びこみ切りをはなった。


「飛びこみ切り! ダッシュ!」


 しかし、障壁にはばまれ、幽霊船に砲撃される。


「なんで入れないんだよ……BPは足りてるだろ」

「『ダッシュ』&『スラッシュ』の

 『スラッシュ』のときに、BPが上がってるんじゃない?」フェリリがいう。


 それか?


「カゲヤマさん。

 ダッシュとスラッシュって、逆にしたりできるんですか?」

「わからんのう。すまんのじゃ」


 俺は、幽霊船の砲撃をうけつづける。

 とりあえず、やってみるか。


「飛びこみ切り! スラッシュ!」


 とうぜん、攻撃は空ぶりに終わる。


「そしてダッシュだ!」


 俺の体はうき、地面に土けむりが巻きあがり、

 まえへむかって、すべるように進んでいく、

 すると、あっさりと、障壁を突きぬける。


「入れたのう」


 幽霊船も進入されて、おどろいてるのだろうか?

 表情がわからないからな。

 というか。

 意思みたいなものが、コイツに本当にあるのかが疑問だ。

 炎の中で、ブヨブヨとした触感が体をつつむ。

 すこし、まぶしいから、早くたおして出よう。


「ブランクキャンセル、減退の呪符、幽霊船じゃ」


 札はとんでいき、幽霊船にはりつく。


「二枚おろしだ!」


 BP一九二〇 から BP二九二〇 にあがる。

 攻撃はマストを切りさく。

 一三一五 ダメージ。


「なで切り」


 攻撃は船体にあたる。

 木片をまきちらす幽霊船。

 七一六 ダメージ。

 よし! たおした。

 幽霊船は、ドサリと地に落ちると、

 青白い炎のなかで、赤いほのおを出して燃える。

 やがて、全体を黒化し、

 地面に沈みこむように、下からほこりと化し、消えていった。


「なかに入ってしまえば、

 BPが基準値以下になっても、

 外へ押しだされるようなことは、無いみたいですね」

「そうみたいデスね」


 俺はひと息つく。


「それにしても、こいつは結晶化しないんですね」

「こいつは生物じゃないからかのう。

 二枚おろしは多分、生物の結晶化だと思うのう。

 こいつには、効果がうすいんじゃ」


 幽霊だからなのか、

 船体で無機物だからなのか、

 どっちかわからねえ……

 スケルトンが、結晶化してないところをみると、そっち系はだめっぽいな。


「では、さきに進むかのう。だいぶ、休んだから大丈夫じゃ」

「行きましょうデス」


 俺たちは、洞窟をすすんでいく。

 ほどなくして、正面に大きな明かりがみえてきた。


「ドワーフの町みたいナノ、一番のりナノ」


 フェリリが飛んでいく。それを遠目に、歩をすすめると、巨大空洞が出現し、足元のガケの下に、ドワーフの町が姿をあらわした。

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