第十七話 路地裏の巫女編 路地裏
俺たちは、地図で指定されている。
テッシちゃんの、クラスの装備がある、
武器店へきていた。
テッシちゃんは、じぶんの装備の選択で、
もう、なん時間も、なやんでいる。
武器店の壁には、
いろいろな棒が、たてかけてある。
燃えるように、赤い棒。
重そうな、銀色の棒。
ヒモの巻きついている棒。
ながい棒。
とう明で、液体の入ってる棒。
どうみても、野球のバットみたいな棒。
テッシちゃんは、そのなかの、
一本を手にとると、俺にきいてくる。
「この棒どうデスか?」
「いいとおもうよ、
カドのところとか、迫力あるしね」
どれも棒じゃねーか!
しかも、変な棒ばっかだしよ。
しかし、テッシちゃんって、
予算とか、どのくらいあるんだ?
「これにしますデス!」
テッシちゃんは、
店主のいるカウンターへ行くと、
こ走りで、もどってきた。
きめるまでは、長いけど、きまると早いんだな……
「買ってきましたデス」
「つよそうだね。値段、けっこうするの?」
「ヤキソバ!
そういうこと、きいちゃダメナノ!」
「フェリリさん、いいんデスよ。
三十万クリスタルです」
「さっ、三十万!?」
「ヤキソバ!
値段を、おおきめの声で言わないナノ!」
「す、すみません……」
俺たち三人は、
俺のぶんの、装備を買うために、
レアクラスの装備が、買える区画へ、あるいていく。
もう、すっかり夜も、ちかくなっていた。
しかし、俺は装備の値段が、頭から、はなれなかった。
三十万?
マジで?
この世界は、まえの、俺のいた世界と、
そんなに、物価の感覚は、かわらないのに、
三十万なんて大金を、ポンと出しちゃうのか?
『この世界にきたときに、もらったお金』は、俺とおなじはずだよな?
テッシちゃんって、収入とか結構あるのか?
っていうか、
ヒマすぎるみたいに、言ってなかったか?
なんか、あやしげな仕事をしてるとか、じゃないだろうな……
えーっと、俺はさいしょの所持金が、三百万クリスタル。
宿屋代が、月に、二万クリスタル。
生活費が、いち日に十回、飯を食べて、一食、千クリスタルとする。
これで、メシ代が、いち日、一万クリスタル、
一カ月ぶんの五日で、五万の食費。
魔話器の使用料。
火をつかうための、魔源の使用料。
それに食費。
ほかにも、もろもろ入れて、月間十万。
十万に、家賃の二万をくわえて、
四カ月で、やく五十万クリスタル。
雑貨は入れないとしても、結構つかったな。
フェリリに、五十万クリスタル預けたから、
二百五十万から、五十万ひいて、
二百万クリスタルか。
もち家でも、あまり変わらないんだよな。
いまの宿屋が安いし。
外食を、なんとかしないと駄目かな。
それと、やはり、なんとかして、収入を手にいれないとな。
冒険者って、どうやって、収入をもらってるんだ?
「なにを考えているナノ?」
フェリリが、俺の目のまえへ来ていた。
俺は、すっとんきょうな、
声をあげて、のけぞった。
「ふっふっふ。
私が、ヤキソバさんより強くなったから、
内心あせってるデスね」
テッシちゃんは元から強いでしょ。
この子って、LVが追いついたときも、喜んでいたし、
俺に対抗意識でも、あるのかな……?
「そんなに、つよいの買ったの?」
「知りたいデスか?
おしえると、もっと強いの買われるから、秘密デス。
秘匿情報デス」
テッシちゃん、
ショッピングで、だいぶ、テンションがあがっているな。
買い物、中毒とかに、ならなきゃいいけど。
わりと、いるらしいからな、そういうひと。
「こっちのが近いかな」
俺は路地裏をすすんでいく。
「どんどん、ひとが減っていくナノよ」
「俺はこういう、路地裏にある、
抜け道をさがすのが、好きなんだよ」
まあ、万がいち、
迷子になっても、フェリリがいれば大丈夫だろう。
俺は、どんどん進んでいく。
やがて、人がいなくなってきた――。
「やめるんじゃ、誰か助けておくれー」
えっ。
声がする方をみると、
少女だ。
小柄な巫女服の少女が、
男三人に、手足をつかまれ、運ばれている。
人身売買か、なにかの犯罪じゃねーの?
やべえ。
「フェリリ、おまえって、
衝撃吸収魔法が、かかってるよな?」
「大丈夫ナノ」
「フェリリの高度には、制限がないから、
空から、あの男たちを追跡してくれ。
モンスター車に、乗り込んだとしても、
おまえなら追跡できるはずだ。
この町からは、簡単には、出られないだろうし。
アジトがわかったら、冒険者協会に連絡しよう。
あそこには、なにか事件がおこったら、かけつける人がいたはずだ」
「わかったナノ」
フェリリの返事と同時に、声が聞こえてきた。
「こら!
少女をはなすデス!」
えっ。
テッシちゃんは、男たちへむかって、
棒の先をむけ、はなしかけている――。
「だいの男が、女の子に、
なにをするつもりデスか!」
もしかして。
このテッシちゃんのテンションって、
ショッピングのせいじゃなくて、
例の、目がさめてる、時間帯のせいなのか……?
「まだ、相手のステータスすら、見てないのに、
テッシちゃんは勇気あるナノね……」




