??? 〉〉 時の狭間
白い光の中で、俺は逆さまに浮かんでいた。
上も下も燦然と輝くナニか、終わりの見えない無限。
痛いほどに眩しいはずなのに、柔らかに包み込まれるほどに優しい。
薄らと開いた目で周囲を見れば、知らない誰かが現れては消えていく。
そんな中で、中心、とでもいうべき場所に女の人がいた。
白く長い髪で、懐中時計を胸に抱いて、泣きながら叫んでいる。
「誰でもいいから、お願いっ! あの人の運命を変えて! 私のことはどうなってもいい、あの人に助けてもらったから、だから助けたいのっ! 誰かの意識を書き換えてでもあの人を繋ぎ止めて」
その叫びを聞き届けた誰かたちが、ゆっくりと頷いて光に散ってゆく。
誰だろうか、あの女の人は。
誰を助けてほしいのだろうか。
ふわりと目の前を、青く優しい光が横切った。
目で追っていくと、おいでおいでと俺を呼んでいるような、俺がどこかに呼ばれているような、そんな感じがする。
『稠密防壁、閉鎖解放条件の設定処理を再開――完了』
『体内ナノマシンの状態を確認、自動修復機能の起動処理を開始――外部干渉により不可能、放棄』
『自動復帰処理開始――人格データの一部解放を完了』
『外部干渉を感知――機密保護の為、記憶封鎖を実行』
頭の中に響く、聞きなれた機械音声。
勝手に進められた何かの処理が終わって、視界が溶けていく。




