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200文字小説『コタツ』

作者: ゆー

 コタツから出たくない。

 宣言したら、サヤは不機嫌な顔をした。

「デートは?」

「コタツデートでよくね?」

「せめてお家デートって言え」

 背中を蹴られた。痛い。

「寒いじゃん」

「ふざけんな」

「怒ったサヤも可愛いね」

「殴るよ」

「だって、寒いし」

 出たくない。

 再度言うと、サヤに手首をとられた。ぬるんと引っ張り出されて、むぎゅー。

「寒くないでしょ、これで」

 腕を絡めて、素っ気なく。

「行くわよ、バカ」

 真っ赤なサヤは暖かい。

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