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摩訶不思議食堂のほっこり飯

千葉理沙の受け身を知るほっこり飯

作者:修羅観音
最新エピソード掲載日:2026/03/28
京都の百貨店で統括マネージャーを務める千葉理沙は、凄まじい実績と「積極性こそが正義」という信念を持つ鉄の女だ。逆境を跳ね返して出世街道を突き進んできた彼女にとって、数字を出せない消極的な部下は切り捨てるべき「弱者」でしかなかった。そんな彼女の前に現れた新人・聞子は、理沙が最も嫌う「受け身」の典型だった。客に自分から声をかけず、ただ観察を続ける聞子に対し、理沙はバックヤードで手を上げるほどの激しい叱責を繰り返し、不適合者の烙印を押して組織から排除しようと画策する。

しかし、現場で起きる現実は理沙の価値観を激しく揺さぶり始める。聞子は、理沙が「効率が悪い」と切り捨てた老婆・金本に対し、あえて自店の利益を捨ててまで最適な他店を紹介するという、理沙から見れば「愚行」としか思えない接客を行った。だが、その誠実な行動は金本との間に数字では計れない強固な信頼を築き、結果として巨大な商機と感謝を呼び込むことになったのだ。

決定的だったのは顧客アンケートの結果だ。理沙が推奨する「攻めの接客」には「押し売り」という酷評が並び、一方で聞子の「待つ接客」には、かつてないほどの絶賛と感謝の声が溢れていた。自分の信じてきた絶対正義が全否定され、深い困惑のなかで帰路につく理沙。その前に、かつて売り場で理沙を「押し売りおばちゃん」と一蹴した銀髪の少女「えらいこっちゃ嬢」と、言葉を操り二本足で立つ巨大な「化け草履」が現れる。

現実の喧騒が消え失せた路地裏で、理沙は人知を超えた怪異に遭遇する。自らのプライドが粉々に砕け散り、逃げ場のない異界へと引きずり込まれていく理沙。彼女の強固な背骨となっていた「正義」は、今や迷妄の霧の中に消えようとしていた。
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