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王家の象徴色と禁忌の色彩規定

王家における象徴は、色と花に宿る。


それは、ただの装飾ではない。


時に“血統”を示し、時に“立場”を明示し、時に“覚悟”を問うものである。


ここでは、王家を中心とした色彩とその意味、そして社交界における規定や禁忌についてご紹介します。




◇ 王家の象徴花 ── 白百合


白百合は、王家の象徴花として知られています。


その意味は、純潔・神聖・正統。


この花は戴冠式、婚礼、王家の公式書状などにおいて用いられ、

王家の血統が“神の選び”に連なるものであることを示す記号でもあります。


なお、王女が結婚する際には、その装飾のどこかに白百合の意匠が加えられるのが通例です。




◇ 王家の象徴色 ── 白(純白)


純白は、王家にのみ許された“正統”の色です。


とりわけ直系の王族 ── 国王・王妃・王太子・王女 ── が着用を許され、

一般の貴族が正装として用いることはありません。


正装としての白は、王家が主催する式典、

もしくは王族自身の婚礼や即位式において使用されます。


たとえば、翠月十五日の舞踏会では、王女アリシアのドレスには白が用いられておらず、

これは彼女が“まだ誰の隣にも立っていない”という立場を象徴するものでした。


その代わりに、刺繍や装飾品として白を補う形式がとられることもあります。




◇ 補助色 ── 紫、金


紫は高貴を示す色であり、

高位貴族(とくに五大家)に対してのみ着用が許されるものです。


ただし、王家の直系と同席する場では、

紫の使用にも細心の注意が求められます。


金は、礼装や装飾において用いられる“格式の色”。


純白に金を添えることで、神聖さと権威を同時に表現することができるため、

王家の婚礼衣装ではよく見られる組み合わせとなっています。




◇ 禁忌色 ── 深紅・黒


深紅は、異端もしくは挑戦の象徴とされます。


もともとは宗教的儀礼において“血”を象徴する色でしたが、

やがて王家への反抗や異端的思想の色として定着しました。


よって、王家主催の式典において深紅の衣装をまとうことは極めて無礼であり、

処罰の対象となることもあります。



黒は、喪服または処罰・処断を意味する色です。


葬儀・追悼・処刑の場でしか着用されないため、

慶事や式典での使用は“死”や“不吉”を連想させ、

場の空気を凍らせることになります。



なお、かつて王女の結婚式において、ある貴族夫人が深紅のガウンを纏って現れ、

社交界から永久追放されたという記録も残されています。




◇ 色の選択は、“立場”の選択


社交界において、どの色を身にまとうか ──


それは、単なる美的趣味ではなく、

“立場”と“忠誠”を示す手段でもあります。


たとえば、白に金を添えた衣装は“王家への忠誠”を強く印象づけますし、

紫を用いることで“自身の家門の格”を明示することにもなります。



逆に、許可のない白や紫を無断で使用した場合、

それは“身の程をわきまえぬ振る舞い”として見なされ、

痛烈な批判を浴びることとなるでしょう。


特に、婚礼や舞踏会などの公の場では、

色使いひとつが命運を分けるとさえ言われています。




◇ まとめ


王家の象徴色と禁忌色は、

その世界における“ルール”であり、

そして時に、物語の伏線としても働きます。



ドレスの色は、ただの布ではありません。

それは、力であり、誇りであり、そして覚悟の表れ。



物語を読み進める中で、登場人物が何色を選び、何を纏っているか。



── その選択が、彼らの立場や運命をどのように変えるのか。



ぜひ、その視点でも作品をお楽しみください。




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