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お奉行様の空中裁判  作者: クロクマせんぱい
9/11

第9話:「最後の裁き! 未来の掟」

封印された歴史、揺らぐ未来、そして消えゆく空中商店街――。

むぅ、これが最後の裁きとなるやもしれぬ。

ならば、未来を守るため、今宵も裁きを下すとするか!

プロローグ


空中商店街の封印は守られた。

住人たちは安堵し、再び日常の活気を取り戻そうとしていた。


だが、お奉行様はまだ気を緩めてはいなかった。


「この件、まだ何か裏があるようじゃのう……」


風見鶏の塔の封印を強化した後も、お奉行様の霊視には奇妙なものが映っていた。


「……未来の影が揺らいでおる?」


その時——


「お奉行様、大変や!」


河合さちえが駆け込んできた。


「未来人・清水元太郎が、“裁判を開いてほしい”って言ってるんや!」


「む? 清水元太郎が?」


お奉行様は煙管をくゆらせながら、顎を撫でた。


「むぅ……これは、いよいよ決着をつけねばならぬ時が来たようじゃな」



第一幕:「未来人の警告」


空中商店街の広場にて、未来人・清水元太郎が立っていた。


彼はかつて、「未来では空中商店街が大阪のランドマークになっている」と予言した人物だった。


しかし——


「お奉行様! 未来が……消えかけてるんです!」


「何じゃと?」


「最近、未来の歴史が大きく変動しているんです。僕が知っている“未来の空中商店街”の記録が、次々に消えていってるんですよ!」


「ふむ……つまり、ワシらの戦いの影響が、未来にも及んでおるということか?」


「そうです! そして、未来を支配しようとしている“何者か”が、この商店街の歴史を改変しようとしています!」


「ほほぅ……これは面白くなってきたのう」


お奉行様は微笑みながら扇子を広げた。


「ならば、その“何者か”とやら、ワシが裁くまでじゃ!」



第二幕:「未来の掟」


未来の歴史が消えつつある理由を探るため、お奉行様と清水元太郎は、未来に関するあらゆる情報を洗い直した。


すると、一つの不審な記録が見つかった。


「未来の法律改正案」


そこには、こんな条文が記されていた。


「空中都市の存在を認めず、すべての空中建築を地上に移すものとする」


「つまり、未来では“空中商店街”が存在しないことになっとるのか?」


「その可能性が高いです! しかも、この法律の発案者は……」


清水元太郎は苦い顔をして続ける。


「未来の役人、“御影一郎”です」


「御影一郎……?」


「そうです! 彼は未来の都市計画を握るキーマンで、空中建築を一切認めない立場をとっています。もし彼の案が成立すれば、未来の空中商店街は完全に消えてしまいます!」


お奉行様は目を細めた。


「ふむ……つまり、未来を守るためには、この御影一郎とやらを裁かねばならぬ、ということじゃな」


「でも、どうやって?」


「方法は一つ……未来に乗り込むのみじゃ!」



第三幕:「未来へ突入!」


「ノコギリ仙人! 時空ノコギリの出番じゃ!」


「ほほぅ、またワシを頼るのか。ええじゃろう!」


ノコギリ仙人が異次元を切り開き、お奉行様と清水元太郎は未来へと飛び込んだ——!


未来、大阪。


そこには、完全に近代化された都市が広がっていた。


しかし——


「空中商店街が……ない!?」


本来なら、ランドマークとして存在しているはずの空中商店街の姿が、どこにもなかったのだ。


清水元太郎は唇を噛みしめた。


「やはり、もう改変が始まっている……!」


その時——


「お前たちか、歴史を乱しているのは」


御影一郎が現れた。


「む……そなたが未来を支配しようとしている御影一郎か?」


「未来の秩序を守るためには、無駄な建造物は不要だ」


「ふむ……しかし、そなたの理屈で歴史を改変するなど、許されぬことじゃ」


御影一郎は冷たく笑う。


「では、証明してもらおうか。空中商店街が、未来に存在する価値をな」


「ふむ……ならば、ワシの裁きを受けるがよい!」


「未来の幽霊裁判、開廷じゃ!!」



第四幕:「未来の幽霊裁判」


未来の法廷に、歴史の霊たちが現れる。


「ワシはかつて、空中商店街で商売をしていた者……未来を奪うな!」

「この商店街があったから、未来の大阪は賑わっておったのじゃ!」

「そなたの決定は、未来の可能性を奪うものぞ!」


しかし、御影一郎は動じない。


「感情論に意味はない。証拠を出せ」


お奉行様はニヤリと笑う。


「ならば、これを見るがよい」


清水元太郎が未来のデータを呼び出し、証拠を提示する。


「空中商店街が存在した未来の記録」


「これが、消される前の未来の姿じゃ!」


住人たちが活き活きと暮らし、商店街が発展していた記録が映し出された。


「む……!」


御影一郎の表情が揺らぐ。


「ワシが示すのはただ一つ……“未来は固定されたものではなく、人の意志で作られる”ということじゃ!」


お奉行様は扇子を振り上げ、最後の裁きを下す!


「未来における空中商店街の存続を認める! それが、この裁きの結論じゃ!!」


御影一郎は静かに目を伏せ、深く息をついた。


「……認めよう。未来を変えるのは、人の意志だ」



エピローグ:「未来は守られた!」


幽霊裁判の結果、未来の空中商店街は正式に“歴史の一部”として認められた。


清水元太郎は感激しながら言った。


「お奉行様……ありがとうございました!」


「むぅ……当然のことをしたまでじゃ」


ノコギリ仙人が笑う。


「やれやれ、未来を救う裁判とはのぉ」


こうして、お奉行様は未来を守る裁きを終えた。


しかし——


「まだ、一つだけやるべきことが残っておる」


お奉行様は、遠くを見つめながら静かに呟いた。


「次は……“お奉行様自身の裁き”じゃ……」



次回:最終話「お奉行様、伝説になる」へ続く!

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