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お奉行様の空中裁判  作者: クロクマせんぱい
5/11

第5話:「お奉行様、江戸へ戻る?」

空中商店街を揺るがす異変、消えゆく記録、そして謎の未来人――。

むぅ、これはただ事ではないのう。

さて、江戸と現代を股にかけ、今宵も裁きを下すとするか!

プロローグ


空中商店街の夜、静かに漂う月明かりの下、お奉行様は奉行所の縁側で煙管をくゆらせていた。


「むぅ……妙じゃのう」


ここ最近、商店街のあちこちで不審な動きが続いている。


屋根の破壊工作、商店街を狙う影、そして裏で糸を引く大和都市開発。


お奉行様は一連の事件に共通する“違和感”を感じていた。


「まるで、誰かが“商店街の歴史”そのものを消そうとしておるようじゃ……」


そんな時——


「お奉行様ァ! 大変や!」


藤田親方が慌てふためきながら駆け込んできた。


「なんじゃ、また何か起こったのか?」


「江戸時代の記録が消えかけとるんや!」


「なんじゃと!?」



第一幕:「消える江戸の記録」


藤田親方が持ってきたのは、商店街の「歴史書」だった。

そこには、お奉行様が江戸時代に制定した「空中商店街建設の起源」に関する記録が記されていた。


しかし、その記録が……


「急に文字が薄くなり、読めんようになってしもうたんや!」


お奉行様は歴史書を手に取り、厳しい表情を浮かべた。


「これはただの劣化ではない……何者かが“意図的に”記録を消しておる」


「誰がそんなことを……?」


その時——


ピキィ……ン!


突然、お奉行様の体が光に包まれた。


「むむっ!? 何じゃ、この感覚は……!?」


——気がつくと、お奉行様は“江戸時代”にいた。



第二幕:「江戸の奉行所で」


「こ、ここは……!」


お奉行様が目を開けると、そこは江戸の町だった。

しかも、自分が現役だった時代の奉行所。


「……夢、ではないな?」


見覚えのある部下たちが次々と報告を持ってくる。


「お奉行様、大変です! 空中商店街計画の記録が盗まれました!」


「なんと!?」


「記録を持ち出したのは“未来の者”のようです!」


「なに……未来の者、とな?」


お奉行様は背筋に冷たいものを感じた。


「もしや、これは“過去改変”の企みではないか?」



第三幕:「歴史を守る戦い」


お奉行様は江戸時代の奉行所を駆け回り、記録を盗んだ者を追った。


そして、ある路地裏にたどり着くと——


「お待ちしておりました、お奉行様」


そこに立っていたのは、怪しげな影の男だった。


「おぬし、何者じゃ!」


「私は“未来の役人”です。あなたの作った記録を消さなければ、未来の都市開発計画が進まないのです」


「未来の役人……?」


「あなたの存在が商店街を守り続ける限り、再開発はできない。だから、あなたの記録をこの時代から消し去るのです」


「ふむ……つまり、そなたらは未来の商店街を潰すために、この時代を変えようとしておるのか?」


男はニヤリと笑う。


「そういうことです。そして、この記録を消せば……あなたは二度と現代に戻れなくなる」


「……ほほぅ」


お奉行様は煙管を取り出し、ふっと紫煙をくゆらせた。


「そなたら、ワシを侮っておるな?」


「なに?」


シュバッ!


お奉行様が扇子を振ると、霊たちが現れ、男を取り囲んだ。


「江戸の法は今も生きておるのじゃ!」


「くっ……!」


男は怯んだが、すぐに笑った。


「しかし、あなたがここにいる限り、未来の商店街は守れない……!」


「……なに?」


お奉行様は気づいた。


このまま過去に閉じ込められてしまえば、空中商店街を守ることはできない。


「ワシを江戸に閉じ込めるつもりか……!」


男は不敵に笑い、記録の書かれた巻物を手に持った。


「さらば、お奉行様!」


バッ!


男が巻物を燃やそうとした、その時——!


「させるかぁぁぁぁぁ!!」


突如、空から“ノコギリ”が飛んできた!


ガキィンッ!


巻物を燃やそうとした男の手を弾き飛ばす!


「な、なにィ!?」


「ふっふっふ……まったく、お奉行様は面倒ごとばっかりじゃのぉ」


そこには、現代の“ノコギリ仙人”の姿があった!



第四幕:「未来へ帰還せよ!」


「ノコギリ仙人!? 何故ここに!?」


「お主が消えたと聞いてな、未来と過去を繋ぐ“時間ノコギリ”で飛んできたんじゃ」


「ほほぅ……便利な道具を持っておるのう」


「しかし、時間がないぞ! 早く戻らねば、未来が変わってしまう!」


お奉行様は頷き、巻物を手に取った。


「ふむ、ではこれにて幕引きじゃ!」


シュバァァァァ!!


ノコギリ仙人の力で時空の扉が開き、お奉行様は現代へ帰還する。


「お、おのれぇぇぇ!」


未来の役人は歯ぎしりしながら消えていった。



エピローグ:「未来を守るために」


奉行所に戻ったお奉行様は、藤田親方や商店街の住人たちと顔を合わせた。


「お、お奉行様、帰ってきたんか!?」


「うむ、少し江戸の方へ寄ってきたが……」


「ほ、ほんまに江戸へ行っとったんかい!」


「むぅ……やはり、未来は守らねばならんのじゃ」


お奉行様は煙管をくゆらせながら、静かに呟いた。


「商店街の敵は、過去にも未来にもおる……ワシの役目はまだ終わらぬようじゃな」


こうして、未来を守るための戦いは新たな局面を迎えるのだった——!



次回:「影の奉行VSお奉行様」へ続く!

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