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幻想伝奇  作者: 砂の人
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夢の街

K氏は、頻繁に知らない街を歩く夢を見る。

それはいつも同じ街だった。住んだこともないはずのその街は、不思議とK氏を懐かしい気持ちにさせていた。

現実でもK氏はよく妻と散歩をしていた。散歩が趣味と言える夫婦だった。

K氏は夢で見る街を歩く度に、とある壊れた橋の向こう側が気になっていた。妻にその話をすると、街の住民に聞いてみればと提案された。


ある日、K氏はまた夢で同じ街を歩いていた。珍しく、遠くの方で誰かが歩いているのが見えた。K氏は慌てて追いかけ、声を掛ける。

「すみません、あの壊れた橋の向こう側には何があるんですか?」

すると相手は、「この街に橋なんてない」と言う。


そこでK氏は気が付く。この街は、沢山の人の夢が掛け合わさって出来た幻想の街なのだと。だからきっと、誰が観ても懐かしい気持ちになるのだろう。


翌日、K氏は妻と散歩をしていた。 ふと、かつて小さな理髪店だった場所が、喫茶店になっている事に気が付き、妻に話した。

ところが妻は、そこはずっと昔から喫茶店だったと言う。


その瞬間、K氏は足元に、どこかで感じたことがある浮遊感を覚えた。


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