Wonder 現在編-31 交換生
次の日
私が学園に登校すると何故か麗花がいなかった。
でも、前とは違い楓は登校していた。
私は気になって楓に話しかけた。
碧)「楓、麗花は?」
楓)「いや、知らないです。あっ、でも確か今日じゃなかったですか?」
碧)「えっ、何が?」
楓)「交換日ですよ、交換日!」
ああ、そうかと思った。
そう。
うちの学園は半年に一回、他の学校と、代表生徒同士がお互いの学校に行く恒例行事がある。
その代表生徒はテストの学校1位、つまり麗花が行くことになっていたのだった。
その頃
麗花はある学校に来ていた。
その学校は2年前、共学になったばかりなので男子80%、女子20%の女子があまりいない学校だった。
しかし、うちの学園との交流が深いため、生徒の1日交換は恒例行事だった。
この日の麗花は昔のように黒髪のウィッグで正体を隠していた。
麗花は何故か紙袋を下げて、先生に案内された教室に向かう。
「今日来るのって女子らしいな………!」
「可愛い子がいい!楽しみだな!」
男子達のはしゃいだ声が聞こえた。
「おーい、お前ら静かにしろ~。交換生が来たから、優しくしてやれよ~。」
「じゃ、自己紹介してくれ。」
先に入ってきた先生が廊下に向かって話しかける。
麗花)「はい。」
麗花)「えっと、恵沢麗花です。今日1日だけですが仲良くして下さい。」
男子達の歓声が上がる。
その中で一人だけ驚いている人影があった。
「麗花!?」
麗花)「琥珀、昨日ぶり!」
麗花は琥珀に笑顔を向ける。
琥珀の頭に?が浮かんでいた時、周りの男子達が騒いだ。
「なんだよー、お前ら知り合い?もう付き合ってるの?」
「なぁ。麗花さん、だっけ?こんな奴より俺にしない?」
「おいっ、抜け駆け禁止だぞ!」
麗花)「えーと、ごめんなさい。琥珀は特別だから。」
その言葉に琥珀はびくっと反応する。
麗花)「あっ、でも付き合ってはないよ。友達としてなら、大歓迎です。」
そう言って麗花は微笑む。
その表情にクラスの大半の男子は心にズキュンときた。
休み時間になると、麗花の机の周りに人だかりができる。
麗花はその人だかりの合間をぬって、琥珀の所へと向かう。
麗花)「琥珀、これ!」
そう言って麗花が差し出したのは持ってきていた紙袋だった。
琥珀)「これって………。」
麗花)「あっ、うん。昨日借りたTーシャツ!ありがとう。」
琥珀)「どういたしまして!」
「おいっ、琥珀。お前、抜け駆けすんなよ!」
「そーだぞ!ずるい。」
男子達のブーイングが飛び交う。
麗花)「えーと、ごめんなさい。私、少し用があるので。」
麗花はそう言って琥珀の腕を引っ張って廊下へ行く。
麗花)「・・・・琥珀、確か、蘇芳達もこの学校だよね?どこにいるの?」
琥珀)「ああ、それならついて来て。」
琥珀が向かったのは屋上だった。
案の定、そこに蘇芳達はいた。
蘇芳)「おお、琥珀。って…麗花!?」
蘇芳が驚きの声を上げる。
麗花)「うん。私、交換生だから。ついでだし、蘇芳達にも会っていこうと思って。」
凜紅)「ああ、そうなんだ。」
蒼馬)「じゃ、麗花は頭もいいんだな…………。」
麗花)「みんなほどじゃないよ!」
麗花は笑いながら言う。
こうして、麗花は交換生として琥珀達と1日、学校生活を過ごしたのだった。
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「ここか、麗花のいる学園は…………。」
「早く会いたいよ。麗花。」
またもや、怪しげな人影が月光に照らされて動いていた。




