事件の後で
「ーー殺人事件が起こりました。ーーー」
昌介が殺されたのを知ったのは朝、昭子が着替えをしている時だった。
それからと言うもの昭子は忙殺されていた。元気に鳴り続ける電話と休む事を知らず代わる代わるの訪問を告げるインターホンが休む事をさせなかった。
昭子に昌介との思い出に耽る暇も与えず、ただ昌介の死を報せ続ける人達との会話に彼女は疲れきってしまった。彼らが欲しい物は悲しんでる自分の姿なのだと昭子は思った。
昭子の感情は周りの期待に沿うように彼を失った時のままだった。昭子自信もまだ立ち止まっていたい気持ちだった。
昭子は今日も中途半端な着替えのままで質問に答える。