第2話 猫耳な女の子
お久しぶりです。読んでいる方がいるか分かりませんが少しずつ書いていきたいと思いますので、よろしくお願いします。
「それじゃ、レナちゃん。最初のクエスト、行ってみるかい?」
「あ、はい!お願いします!」
「はは、良い返事だ!よーし、お兄さんに着いてきな。」
「分かりました!」
やる気満々だな、この子。ていうか、もしもクエストで怪我なんてさせたら俺ってどうなるんだろう……いやいや、待て待て! 落ち着け、俺。何もすぐにトラブるわけじゃないんだ。そうだよ、街の掃除とか薬草採取なんかのクエストでお茶を濁せば……
「っと、そうだライ。シーナちゃんが探してたぞ?」
「……あ」
わ、忘れてた……うちのパーティーには【あいつ】がいるんだった!ど、どどど、どうする!?あの破天荒を体現したバカがこの子に粗相でもしたら!
「レ、レナード!やっぱり今回の依頼、やめっ……」
「み~つ~け~た~にゃ~……とうっ! 」
不意に、俺の背後から【奴】の声が聞こえた。次の瞬間
「うおっ!?」
肩と首に軽い衝撃を受けた。気づくと誰かが肩車の体勢で俺の肩に乗っていた
「だー!いきなり乗ってくんなっていつも言ってんだろ!シーナ!?」
顔を上げると猫人の少女ーーシーナが顔を覗かせていた。
「今日は魚釣りのクエストに行くって約束だったにゃ! それなのにいつまで経っても来ないから来てみれば……」
そう言いながらシーナはレナの方に視線を向ける
「あんな小さい女の子をナンパしているとか正直ドン引きにゃ!このロリコン!」
「ばっ……! 誰がロリコンだ!勘違いしてんじゃねーよ!あいつは」
「お待たせしました!ライさん。って、あれ?」
クエストの受付を終えたレナが俺の肩に乗っているシーナへと目を向ける。シーナはそれに気付くと俺の肩からするりと降り、レナへと近づいていく。そして
「えっと、あの……」
「むー……スンスン」
「わひゃっ!?」
おもむろにレナの匂いを嗅ぎだした。……って、あのバカ!
「何してんだ!このバカ猫!?」
「にゃっ!?は、放すにゃ!まだ嗅ぎ終えてないにゃ!」
「アホ猫!初対面の人間、それも女の子に向かって失礼なことすんな!だ、大丈夫か?レナ」
「は、はぃ……なんとか」
このバカ猫!もしこの子がパパにチクリでもしたら俺の人生が終わっちゃうだろ!?だがまぁ、シーナの反応を見るに問題は無さそうだな。別の意味ではトラブりそうだけど……どうしよう、胃が痛くなってきた。
数分後
「あの、そちらの方は」
「あ、ああ。こいつは……」
「アタシはシーナにゃ!このむっつり魔導師とパーティー組んでやってる冒険者にゃ!」
「組んでやってるのは俺の方だ、バカ猫。」
「趣味は魚釣り! 好物は自由都市カナード名産、サンマドッグにゃ!」
「あれは名産じゃねえ、精々がご当地グルメだろ」
「お魚屋さんのおばちゃんが作っているんだけど、東の国から仕入れたお米を粉にしたものを生地に混ぜて、魚醤と数種類のハーブをブレンドした特製のソースを……」
「長い長い。っていうかいつの間にかサンマドッグ語りになっているじゃねえかバカ猫」
「あ、あはは」
見ろ、レナの奴が困ってるじゃねえか。好きなものに関しては全力全快で挑むせいか無駄に語りやがる
「むー……まだ語り足りないのにゃ」
「趣旨が変わりすぎだっての。悪いな、レナ。こんなあーぱーな奴だが仕事はきっちりとこなすから」
「あ、はい!大丈夫です!あの、シーナさん」
「ん? 何にゃ?」
「私、レナって言います。これからしばらくの間、お世話になりますのでよろしくお願いします!あ、あと、サンマドッグ、一緒に食べに行きませんか?」
「にゃっ!? 良いのかにゃ!? 」
「えへへ……私、同い年くらいのお友達っていなかったので。シーナさんと出来ればお友だちになりたいなーって思いまして……ダメですか?」
友達、か……この子は貴族のご令嬢だもんな。この様子じゃ、まだ社交界デビューもしていないだろうし、何より身分が高いと対等な友達なんて作る機会がなかったのだろう
「にゃふふ……ライ! レナが友達になりたいって! 」
「良かったじゃねえか。お前も年寄り連中に可愛がられてはいても同年代の友達はいなかったろ?」
「うん! レナは今から友達にゃ! 早速、サンマドッグ食べに行くにゃー!! 」
「はい! って、あわわわ!? し、シーナさん!手、引っ張らないで! は、早い!足早いですぅぅー!!」
「あ、おい! バカ猫! これからクエストだろうが! おい待てって! 」
こんな感じでこの先、大丈夫なのか?
時間が出来たとき更新します。