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ひき逃げ
『でもキミには生前の世界でやり残したことがあるんじゃないカイ?』
「私がやり残したこと・・・。」
楓は考えた。
そういえば私には二次元の彼氏がいるし、あのゲームのイケメンもまだ攻略してない!
「・・・わかった。あなたの提案を受け入れるわ。」
『なんか理由が不純の様に感じたんだけド。』
『まあいい、これで契約成立だ。』
そう声を聞いたとたん、楓はまた意識を失った。
気がつくと、楓の目の前には見知らぬおじさんがいた。
「気がついたか!まったく、死んだかと思ったぜ。」
「へ?それってどういう・・・。」
「無事なら良いんだ。じゃあ、俺は行くぜ。」
そう言って、おじさんは大型トラックに乗り込みトラックを発進させた。
その様子を呆然と見送る楓。
このとき、走り去ろうとするトラックを見て、楓はある事に気がついた。
「あいつ、ひき逃げじゃん!」