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生と死の狭間
どこからか声が聞こえてきた。その声の主は楓には見えない。
『ここは生と死の狭間、キミは不幸にも死んでしまったんダ。』
「・・・と言うことは本当に三途の川が見られるのね?わー楽しみ!早く案内してよ!」
『・・・何のことかわからないけど、ちょっと黙ってもらえるかナ?』
「写メとっとこ~。あ、ケータイ持ってきてないや。ねぇ、写真お願いしてもいい?」
『いい加減怒るヨ。』
『キミの死の原因はボクにある。本当に申し訳ない。そこで提案なんだけど、ボクの魂をキミに貸してあげよう。魂を共有することでキミは生き返ることができるヨ。』
「その声、あのゴミ捨て場にいた汚い猫だよね?」
『・・・汚いは余計だけど、そうだよヨ。』
楓は少し考えた。
「・・・あんな汚い魂を貰うのはやだなー。」
『このまま死後の世界へ送ろうカ?』