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二人の秘密

 「晶くん、お疲れー。」

 練習を終えた晶にスポーツタオルを差し出す楓。

 「ああ、ありがとう。」


 ((そういえば今日は新刊の発売日だっけ・・・))


 「ごめん、今日は街に用事があって・・・」

 「わりい、今日は街に用事があって・・・」

 二人の声が見事に重なってしまった。


 (やばいっ、街で同人ショップに入っていくところ見られたらどうしよう・・・)

 (まずっ、街で同人ショップに入っていくところ見られたらまずいな・・・)


 「・・・一緒に帰るか。」

 「・・・うん。」


 二人はお互い、相手がオタクである事を知らない。


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