1/9
篠塚楓、中曽根晶
ここは都内の、とある高校。
ここにはバスケットボール部マネージャーで三年生の篠塚楓という生徒が通っていた。
彼女はスタイルも良く、誰とでも仲良くなれる気さくな性格で、周りの生徒からもあこがれの的となっていた。
そして彼女は・・・
「美男子の流れる汗。抱き合って健闘を称え合う友情。たまりませんなぁ、ぐふふ。」
腐女子だった。
そんな妄想を繰り広げている楓に向かってバスケットボールが飛んできた。
「危ない!篠塚さん!」
「えっ!?えええ!?」
余りにも突然の出来事に反射的に目をつぶってしまう楓。
だが、ボールは楓には命中しなかった。
「大丈夫か、楓?」
楓を守るように、間に割って入ってきた男子生徒がいた。
「ありがとう、晶くん・・・。」
彼の名前は中曽根晶。同校三年生でバスケットボール部のエースで楓の彼氏、そして
(さ、早く練習終わらせて同人紙の新刊買いに行こう。あ、あの声優さんのCDも今日リリースだったよな・・・)
オタクだった。