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水葬夢現

作者: kisk

水葬に目開き、

揺らぶ水草、(くるめ)き陽、旋回魚群、泡の舞踊。

沈み堕つ心を()める、幾許(いくばく)の華。


湧昇流がもたぐ己が身の、

上へ、上へと、(いざな)わる心地。

温水(ぬくみず)のやわらかい手、

淋しい首を抱き、指を絡み、

唇を目を、心を、潤わせ。


水面(みなも)()う物憂げの夜。

星安らかに見下ぐ、我が濡れた現実(リアル)を、

思わせ気に(わら)うか、哀れむか、何も悟らずか。


瓏々(ろうろう)たる月の、唯、我を定む瞳が、

かつての日を(なじ)り、(そし)り、戒めては嘲り。


数多(あまた)在る(うつつ)の、

夢心地。又は、人殺し。


何を()て知る。

見る物の危うさ、脆さ、儚さ。


何を()て言う。

我が命の弱さ、確かさ、

貴方を目に宿せる、この心。


(まみ)ゆ時、相(こと)なう時、

相同じ夢を見ては、(わか)つ悲愴さ。


我、潮流にまかせ、軽蔑の波を耳に()めつつ、

また沈み、蒼白のラティメリアを倣い、

また浮き、数多命に罵られ、


永久(とわ)と我見ゆこと叶わず、

血の離別、肉の離別、果ては粒となり、餌となり、

(つい)漆海(うるみ)潤わす水葬と成れり。

読んでいただきありがとうございました。

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